とある内科医の病棟マニュアル

とある内科医の病棟マニュアル

呼吸器内科医が日常診療の考え方を綴る備忘録

頭痛

 

 

オーバービュー

f:id:kodomonotsukai:20211124000749p:plain

 

鑑別

★出血と感染の除外が一番重要!!

◆2次性頭痛
脳血管障害 SAH、脳出血、硬膜外血種、硬膜下血種、頸動脈解離、椎骨動脈解離、脳静脈血栓症、RCVS、脳動静脈奇形、下垂体卒中、内頚静脈海綿静脈洞瘻
中枢神経感染症 髄膜炎脳炎、脳膿瘍
脳腫瘍 脳腫瘍、転移性脳腫瘍、癌性髄膜腫
高血圧性脳症、高血圧緊急症
頭蓋内圧異常 水頭症低髄液圧症候群、特発性頭蓋内圧亢進症
頭蓋外疾患 緑内障、急性副鼻腔炎帯状疱疹、側頭動脈炎、頚椎椎間板ヘルニア、頚椎症
◆1次性頭痛
緊張型頭痛
片頭痛
群発頭痛(TAC)
三叉神経痛
後頭神経痛
その他

CO・CO₂貯留、薬物乱用(鎮痛薬、トリプタン製剤、エルゴタミン)、顎関節症、その他の一次性頭痛(咳嗽性頭痛、運動性頭痛、睡眠時頭痛、性行為に伴う頭痛、寒冷性頭痛、頭蓋外からの圧迫による頭痛)、海綿静脈洞症候群、褐色細胞腫、心因性、キアリ奇形、MELAS、CADASIL

 

鑑別の絞り込み!

★下記の赤字がRed Flag sign 

雷鳴頭痛、人生最悪の頭痛 SAH、頸動脈・椎骨動脈解離、脳卒中、脳静脈洞血栓症、RCVS
失神や意識障害を伴う SAH、脳卒中、CO中毒、高血圧緊急症、脳炎髄膜炎、脳膿瘍
髄膜刺激症状
(Kernig徴候、項部硬直、jolt accentuation)
SAH、髄膜炎、癌性髄膜症、下垂体卒中
頸部痛

動脈解離(頸動脈・椎骨動脈)、クモ膜下出血

乳頭浮腫 頭蓋内圧亢進
神経局所症状や痙攣 頭蓋内病変、脳卒中、動脈解離(頸動脈・椎骨動脈)、髄膜炎脳炎、脳膿瘍
発熱+頭痛、意識障害 脳炎髄膜炎、脳膿瘍、巨細胞性動脈炎
眼痛、視力障害、毛様充血、角膜混濁 急性緑内障発作
高齢者+片側の視力障害、側頭動脈の圧痛 巨細胞性動脈炎(側頭動脈炎)
咀嚼時の痛み 側頭動脈炎、顎関節症(顎関節の圧痛)
体位で変動する頭痛 頭蓋内圧亢進、低髄液圧症候群
ルンバールの既往、座位で増悪 低髄液圧症候群
悪性腫瘍の既往 癌性髄膜症、転移性脳腫瘍
鼻閉、鼻汁、上顎洞や前額洞の圧痛 副鼻腔炎
皮疹 帯状疱疹
頭皮神経の圧痛 頭皮神経痛
眼球運動障害や視力障害 海綿静脈洞症候群
鎮痛薬や片頭痛薬の連用 薬剤性頭痛
前兆あり、光や音・臭い過敏、拍動性 片頭痛
締め付け感(非拍動性)、嘔気や嘔吐なし 緊張型頭痛
片側、非常に激しい頭痛、片側の結膜充血・鼻閉・鼻汁、眼瞼下垂、縮瞳、好発時間帯あり 群発頭痛(TAC)

 

 

SNOOPY

以下の項目に当てはまる場合は2次性頭痛を疑う!

SNOOPY
Systemic symptom/signs 全身性の症状・徴候
発熱、筋痛、体重減少
Systemic disease 全身性疾患、悪性腫瘍、AIDS
Neurologic symptoms or signs 神経学的症状や徴候
Onset sudden 突然発症、雷鳴頭痛
Onset after age 40 years 40歳以降の発症
Pattern change パターンの変化
頭痛発作間隔が次第に狭くなる進行性頭痛
頭痛の種類の変化
EYE 乳頭浮腫、瞳孔不同、眼球運動障害、眼症状(眼痛、視力障害、毛様充血、角膜混濁)

 

検査

採血4本、頭部CT、心電図。

⇒原因が分からない場合は頭部MRI・MRAルンバールまで検討。

(特に脳血管(RCVSなど)感染悪性腫瘍高血圧性脳症を疑う場合)

※頭蓋内圧亢進状態の場合はルンバールは禁忌(脳ヘルニアになるため)

緑内障発作を疑う場合は緊急で眼科受診

・CO中毒やCO2貯留が疑わしい場合は血ガス。

 

片頭痛のPOUNDスコア

Pulsating(拍動性)

・hOurs(持続時間が4~72時間)

Unilateral location(片側性)

Nausea (嘔気・嘔吐)

Disabling(日常生活困難)

4項目以上で片頭痛の可能性が高い

2項目以下で片頭痛の可能性が低い

 

対症療法

一般的な1次性頭痛の対症療法

1次性頭痛であれば、NSAIDsやアセトアミノフェンで大体はなんとかなる。

⇒後日、脳神経内科などの頭痛外来へ!

①ロキソプロフェン60㎎ 1錠+レバミピド1錠 内服(8時間あけて1日3回まで)

ボルタレンSR 37.5mg+レバミピド1錠 1日2回内服

③アセリオ500㎎を15分かけてdiv

 

片頭痛群発頭痛で症状が強い場合

神経内科にコンサルトが無難だが、コンサルトできない場合は

イミグランキット皮下注3mgを1キット 皮下注射

イミグラン50㎎ 1錠(頓用。1日4回まで)

マクサルト10㎎ 1錠(頓用。2時間あけて1日2回まで)

群発頭痛の場合は酸素投与も行う。

 

 

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輸血療法

 

 

RBC(赤血球)

基本単位

1単位=140ml、2単位から使用

2単位を1~2時間で投与を行う。(心不全の場合は3~4時間で投与)

適応

★基本はHb≦7.0mg/dlで輸血と考える。

 

◆急性出血

出血量に応じて輸血を行う(Hb値を輸血の参考にはしない)。Hb≦6.0g/dLでほぼ必須。

◆慢性貧血

Hb<7.0の場合に輸血を考慮。

◆心疾患

Hb8~10g/dLを目標に輸血を行う。

◆大量輸血時

RBCとPCを両方輸血する場合(外傷性の出血時など)

RBC:PC:FFP=1:1:1で投与を行う

RBCのみの輸血を行う場合

RBCFFP=2.5:1で投与を行う

予測上昇Hb値

予測上昇Hb ≒ RBC2単位投与した場合は70÷体重(kg)と覚える。

 

PC(血小板)

基本単位

1単位=20ml、5単位から使用

10単位を約1時間で投与を行う。

適応

◆活動性出血

血小板5万以上になるように輸血。外傷性頭蓋内出血の場合は10万以上を目標に輸血を行う。

◆侵襲的処置の前

外科手術は5万以上、開頭術は10万以上、腰椎穿刺は5万以上、CV留置術は2万以上。

◆DIC

Plt5万未満で出血症状のある場合に考慮する

(ただし実臨床では5万以上になるように輸血することが多いか。。。)

◆その他

「2万未満」もしくは「5万未満かつ出血傾向あり」の場合に輸血する場合が多い。

禁忌

TTPには投与禁忌

予測上昇値

10単位で500×体重(kg)程度の上昇を認める(60kgで約3万の上昇)

10単位投与後24時間後に1万以上増えない場合は輸血不応を考える

CCI

CCI=血小板増加数×BSA(m²)÷輸血した血小板数[10^11]

CCI-1(1時間後)<7500、CCI-24(24時間後)<4500は輸血不応を考える。

 

FFP(新鮮凍結血漿

基本単位

1単位=120ml、1単位から使用

1単位を30分で投与する。

FFPは凝固因子活性が失活するので、融解後3時間以内に輸血する。

適応

PT-INR 2.0以上、PT 30%以下

APTTが基準値の2倍以上、APTT 25%以下

フィブリノーゲン:100㎎/dl未満

凝固因子の補充:大量輸血時の希釈性凝固異常、緊急止血時、凝固因子欠乏症、DIC、肝機能障害、L-アスパラギナーゼ投与時の凝固障害など

予測上昇値

体重50㎏の人に4単位投与すると凝固因子の血中レベルが20~30%上昇する。

 

輸血合併症

急性溶血反応、非溶血性発熱反応、アレルギー反応、TRALI(輸血後6時間以内に起こる非心原性肺水腫。ARDSに準じた管理を)、輸血後GVHD(輸血後7~14日後。全身管理)、TACO(輸血後の心不全。心原性肺水腫に準じた治療)、高カリウム血症(カリウム除去フィルター)、低カルシウム血症(クエン酸中毒。カルチコール投与)、希釈性凝固異常・血小板減少、ウイルス感染症、細菌感染症、鉄過剰

 

 

 

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FDP/D-dimerの上昇

 

 

鑑別疾患

★とりあえず①と②だけ考えれば十分

①DIC

血栓症DVT/PEの検査・治療を参照)

③その他の疾患(外傷、骨折、急性大動脈解離、悪性腫瘍、慢性炎症、COVID-19、TMAなど)

 

急性期DICスコア

スコア SIRS 血小板数 PT FDP
0点 0~2項目 12万以上 1.2未満 10未満
1点 3項目以上陽性 8万以上12万未満
あるいは
24時間以内に30%以上の減少
1.2以上 10以上、25未満
2点
3点 8万未満
あるいは
24時間以内に50%以上の減少
25以上

 

血栓症の評価

DVT/PEの検査・治療を参照

 

 

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DVT/PEの検査・治療

 

 

DVT Well's スコア

+1
麻痺あるいは最近のギプス装着 +1
ベッド安静3日以上または術後4週未満 +1
下肢全体の腫脹 +1
下腿直径差3㎝以上 +1
患肢のpitting edema +1
患肢の表面静脈拡張 +1
診断がDVTらしくない ー2

 

DVTのフローチャート

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PE Well's スコア

PEやDVTの既往 +1.5
心拍>100回/分 +1.5
最近の手術または3日以上の長期臥床 +1.5
臨床的にDVTの症状がある +3
診断がPEらしい +3
喀血 +1
+1

 

PEのフローチャート

★必ず「心エコー」と「心電図」の評価を行ってください!

※従来のフローチャートをより臨床向けに改変したものになります

※D-dimerのカットオフには個人的な感覚が含まれますのでご注意ください

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治療

①~⑤を行う

①抗凝固療法

・多くの場合は抗凝固療法だけで済む。治療期間は3ヶ月

・循環動態不安定や近位部の大きな血栓症、抗凝固薬禁忌症例(出血、血小板<5万、凝固異常)はインターベンションを検討する!!(循環器内科コンサルト)

・DVT→最初からDOACもしくはヘパリン化施行後にDOAC or ワーファリン

・肺塞栓→ヘパリン化(最低5日間以上)後にDOAC or ワーファリン

※肺塞栓の場合大喀血する可能性があるため最初は必ずヘパリン(拮抗できるように)

・トルソー症候群の場合はヘパリンしかエビデンスがない。

 

血栓素因の検索を検討する
血栓性素因の評価

<スクリーニング対象>

50歳以下の患者、DVTの家族歴、再発症例、非典型的な部位(中枢側の血栓、門脈、肝静脈、腸管静脈、脳静脈など)

血栓症の鑑別>

悪性腫瘍(トルソー症候群:動脈塞栓)、長期臥床、心房細動(心房内血栓)、SLE、ベーチェット病、血管炎症候群、炎症性腸疾患、ネフローゼ症候群抗リン脂質抗体症候群甲状腺機能亢進症、プロテインC・プロテインS欠乏症、ATⅢ欠乏症、高ホモシステイン血症、妊娠中、ホルモン剤服用、PTTM

<検査項目>

プロテインS、プロテインC、ATⅢ、抗リン脂質抗体、抗カルジオリピン抗体、カルジオリピンβ2グリコプロテイン、ループスアンチコアグラント、抗核抗体、ANCA、血中プラスミノーゲン、ホモシステイン濃度、尿定性・沈査、TSH、FT4、心エコー(心房内血栓)、心電図(Afの確認)

必要に応じて上下部消化管内視鏡、換気血流シンチ(微小血栓・CTEPHの評価)、PET-CTやガリウムシンチ(腫瘍塞栓と血栓の鑑別)

 

③安静度やリハビリの可否を循環器内科に相談する

抗凝固療法が治療域に達したら安静度を解除する場合が多い。

④DVTがある場合はフットポンプを弾性ストッキングに変更する
血栓症がある場合は血栓の状態を1~2週間後に評価する(増悪がないか・治療抵抗性でないかの確認)

 

抗凝固薬の使い分け

イグザレルト(リバーロキサバン)

一番キレが良い!1日1回でアドヒアランスも良い。出血イベントがやや多いことが欠点。

エリキュース(アピキサバン)

高齢者の腎機能低下症例に使いやすい。出血イベントが他より少な目。

ダビガトラン(プラザキサ)

中和剤がある。虚血性脳卒中エビデンスが豊富。腎不全で使いにくい。消化器症状の副作用多い。

リクシアナ(エドキサバン)

1日1回。唯一DVTに対する予防の保険適応が通っている。

 

         患者                             薬剤            
CCr30-50            

    アピキサバン

リバーロキサバン
    エドキサバン            

ダビガトランよりは腎機能低下の影響が少ない            
CCr<15                 ワーファリン                             DOACは勧められない            
脳梗塞ハイリスク                           リバーロキサバン
                ダビガトラン           
治療抵抗性の虚血性脳卒中                 ダビガトラン             ダビガトラン150㎎は虚血性脳卒中低リスク            

ディスペプシ

上部消化器症状            

リバーロキサバン
    アピキサバン
    エドキサバン            
ダビガトランの服用者の10%にディスペプシア            
消化管出血の既往/高リスク                 アピキサバン                             出血リスクが少な目            

出血高リスク

(HAS-BLEDスコア≧3点)            

                アピキサバンやエドキサバン            
1日1回                             リバーロキサバン
                エドキサバン            
拮抗薬が必要                             ワーファリン、ダビガトラン            
担癌患者                      DOAC                    ワーファリンは相互作用が多い            

 

造影CTが施行できない場合の対応

①まずは下肢エコー、心エコー、心電図の評価を行う

(DVTとmassivePEを否定する)

②PEが疑われる場合、施行可能であれば換気血流シンチを施行する

③「画像検査が施行できない」+「D-dimer高値」の場合は、患者と相談の上で経験的に抗凝固療法の開始を考慮する。

※日本では内科領域における抗凝固薬の予防投与は原則行わない

 

 

 

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COVID-19の検査・治療(Ver.2)

 

 

★治療の原則は厚生労働省発行の「新型コロナウイルス感染症 診療の手引き」に従う

注)COVID-19の治療はエビデンスが少ない領域です。下記の治療内容については筆者が学会等で勉強したこと、筆者の感覚的な内容が多分に含まれています。参考程度と考えてください。

 

重症度分類

軽症:肺炎像なし

中等症Ⅰ:肺炎像あり。酸素化低下なし。

中等症Ⅱ:肺炎像あり。酸素化低下あり。

重症:侵襲的人工呼吸器管理を必要とするもの。

 

重症化リスク因子

・65歳以上の高齢者 ・悪性腫瘍 ・COPD 

・慢性腎臓病 ・2型糖尿病 ・免疫不全

・高血圧 ・脂質異常症 ・肥満症(BMI 30以上) 

・妊娠後期

 

重症化マーカー

総リンパ球数の減少、炎症反応上昇、LDH上昇、D-dimer上昇、フェリチン上昇、CK上昇、高感度トロポニンT上昇、IL-6上昇など。

IFN-λ3は中等症Ⅱ以上の症状が認められる数日前から上昇する。

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(引用:新型コロナウイルス感染症 診療の手引き 第5.3版) 

 

実際に重症化するかどうか?

重症化マーカーの上昇や胸部CTで肺容積減少、肺血管拡張所見(Pulmonary vascular enlargement)の所見が強い場合は重症化が予測されると言われるが・・・

実際には重症化症例を判別するのは難しい!!

 

★臨床上で個人的に重要だと思うのは

①発症から何日目か(発症から7~14日で重症化することが多い)

②見た目の重症感

 

変異株について

変異株によって治療方針を変えることは基本ない。

ただし最近は若年者の中等症以上の割合が明らかに多い。

 

検査ルーチン

血算、生化、凝固(PT、APTT、Fib、D-dimer)、血ガス、LDHHbA1c、フェリチン、トロポニンT、HBs抗原、HBc抗体、HCV抗体、QFT、IgG、IgA、IgM、KL-6、尿定性・沈査、胸部CT。測定可能であればIL-6とIFN-λ3を測定する。

 

治療フローチャート

国立国際医療研究センターフローチャートが非常に参考になる

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(引用:国立研究開発法人 国立国際医療研究センターHPより)

 特設ページ 新型コロナウイルス(COVID-19) | 国立国際医療研究センター

 

★ロナプリーブ(抗体カクテル療法):令和3年7月19日付けで特例承認された

適応:重症化リスク因子のある軽症および中等症Ⅰの症例

 

ロナプリーブ

調製・投与方法資材のご案内 (chugai-pharm.jp)

適正使用ガイドのリンク

ron_guide_covid19.pdf (chugai-pharm.jp)

 

ステロイドの投与方法

・SPO2≦93%で

 ▸発症から1週間程度経過、CTで虚脱あり➼デキサメサゾン 6mg/日

 ▸陰影が広範囲かつ酸素需要が増加傾向➼ソル・メドロール 1mg/kg

・酸素が4L以上必要➼ソル・メドロール 1mg/kg

・陰影が広範囲かつmPSLでも悪化傾向➼ステロイドパルス

 

ステロイドパルス後のステロイド漸減の過程で肺炎像が増悪することがある(リバウンドと呼ぶ)。リバウンドを起こすと入院期間の延長や予後不良の割合が多くなる。

★個人的な感触ではあるが、重症例でステロイドパルス後にmPSL 1mg/kgに減量した際にリバウンドを起こしやすい印象。(mPSL 2mg/kg程度で継続したほうが良い?)

★発症から20日以上経過した症例ではリバウンドを起こす症例は少ない。

 

ヘパリンの使用方法

ヘパリンNa5000単位/5ml+生食15mlで使用(250単位/ml)

初回投与量は200単位/kg/日を24時間かけて持続点滴

APTTは毎日測定→安定したら2~3日おきに変更

★ATⅢを測定→低下している場合はヘパリンが効きにくくなるので補充検討

 

APTT 持続静注量
40秒以下 2単位/kg/h増量
40-44秒 1単位/kg/h増量
45-70秒 変更なし
71-80秒 1単位/kg/h減量
81-90秒 2単位/kg/h減量
90秒以上 1時間中止し3単位/kg/h減量で再開

 

予防投与(COVID-19等):APTTはあまり延長させずにD-dimerを見ながらコントロールをすると良い

 

バリシチニブ投与時の注意事項

・使用の際はレムデシビルの併用が必須。

血栓症の副作用があり、原則としてヘパリンの併用が必須となる。

結核、非結核性抗酸菌症をあらかじめ評価を行う → 必要に応じてLTBIの治療やMACの治療

・デノボ肝炎のリスク評価を行う → 必要に応じて拡散アナログ投与(日本肝臓学会:免疫抑制・化学療法により発症するB型肝炎対策ガイドラインを参照)

・真菌感染症の評価を定期的に評価する(COVID-19関連肺アスペルギルス症などの報告例もある)

 

挿管するかどうかの検討

★診療の手引きでは、十分な感染対策ができない施設の場合には「酸素5L以上」になった時点で挿管下人工呼吸器の適応となっている。但し酸素5Lでも元気な人も多く挿管管理が躊躇われるケースも・・・

胸部CTを再検すると回復傾向かどうかが分かることも多い!

→回復傾向であればNHFセルフ腹臥位療法で粘るのもあり!

 

ECMO

 <適応>

①PEEP10㎝H₂OでP/F<100が持続する場合。

②適切な呼吸器設定でも代償できない呼吸性アシドーシスがある場合。(PH<7.15)

③Murray Score≧3

<施行中のモニタリング>

血液流量:3L/m²/min(成人では60ml/kg/min程度)

回転数:2000~3000回転程度に収まる(血流が保てるように調節, 3500以上にはしない)

Rest lung設定:FiO2<40、PEEPは10~15程度のHI-PEEP。PSは20以下、呼吸数は10回以下(permissive hypercapnia)

ACT:150~200程度を目標とし、D-dimerが上昇傾向であれば200前後で管理を

SPO2:80%以上を目安とする

SvO2:70%前後を目標に(75%以上はリサーキュレーションを考える)

送血圧:上限350mmHg

脱血圧:下限-50mmHg、上限-300mmHg

肺前圧:上限400mmHg

 

 

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高Ca血症

 


フローチャート

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続発性副甲状腺機能亢進症:慢性腎不全、ビタミンD摂取低下や作用不全(抗てんかん薬による代謝障害)、低P血症、PTH不応症など

薬剤性:活性型ビタミンD製剤、カルシウム製剤、サイアザイド利尿薬、テオフィリン、ビタミンA、炭酸リチウム、テリパラチド、エストロゲン製剤など

その他:ミルクアルカリ症候群

 

検査

被疑薬の中止・変更。

採血、Alb、Ca、P、Mg、TSH、FT4、iPTH、whole PTH、PTHrP、1.25(OH)D、25(OH)D、尿中CaとCr。

大量補液が必要になるため心エコー。

*FECa=(尿Ca×血清Cr)/(血清Ca×尿Cr)

 

治療

★治療の基本は①+② 必要に応じて③や④を考慮する

①脱水の補正

生食補液(250~500ml/hr)

大量補液のため、心エコーを行う。

②カルシトニン製剤、ビスホスホネート製剤

◆カルシトニン製剤

エルシトニン40単位を1日2回 皮下注射。2日間投与。

(数時間以内に効果発現。何度も投与するとescape phenomenonが起こるため長期投与しない)

◆ビスホスホネート製剤(悪性腫瘍で保険適応あり)

ゾメタ4mg/5ml+生食100mlを15分かけて点滴。

(2日目以降に効果が発現する。1週間以上間隔を空けて再投与可)

③利尿剤

脱水が改善されたら使用しても良い。

フロセミド20㎎~40㎎/日

ステロイド

肉芽腫疾患のビタミンD作用抑制やリンパ腫への効果を期待して使用

・ソルコーテフ200㎎/日 3日間

プレドニゾロン60㎎/日 10日間

 

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電解質補正薬

 

 

高Na血症

★Na>150mEq/Lの場合は補正を行う

5%Tz 500mlで補正を行う。

①不足水分量の評価

不足水分量(L)=推定体内水分量×{(血清Na/140)-1}

※推定体内水分量=体重(kg)×割合(成人男性:60%、成人女性・高齢男性:50%、高齢女性:45%)

②Na補正速度

補正速度は0.5mEq/h(12mEq/日)を超えないようにする。

点滴速度(ml/h)=不足水分量/2×(血清Na-140)}

 

低Na血症

★Na<130mEq/Lの場合は補正を行う

意識障害や痙攣がある、Naが非常に低い(120未満)

 3%食塩水で補正を行う。

<3%食塩水の作り方と使い方>

10%食塩水20mlを6A(120ml)+生食400mlを混合する。

補正速度は0.5mEq/h(12mEq/日)を超えないようにする

⇒3%食塩水を体重×0.6ml/hで持続投与を行い、1~2時間後にNaを再検(Naの上昇速度を評価する)

 

通常の低Naの補正

・生食の補液

・NaClの内服(1日3~6g/日、辛いのでカプセルで処方)

・細胞外液量増加が原因の場合は原疾患の治療を行う。

 

低K血症

★K<3.0mEq/Lで補正を開始する

緊急性が高い場合

補正速度は10~20mEq/hで静脈投与(急速静注すると心停止するので注意!!

末梢点滴で補正する場合は血管痛を起こすので40mEq/L以下の濃度にする。

<処方例>

KCL注20mEq 1Aを生食500mlに溶解して1時間以上かけて点滴。

 

そこまで緊急性が高くない場合

・アスパラカリウム 300mg 3~9錠分3 朝昼夕食後

・アスパラカリウム散 3~6包分3 朝昼夕食後

 

高K血症

★K>5.0で補正を開始する

K≧6.0mEq/Lの場合

★治療の基本は①+② 必要に応じて③や④を考慮する

①GI療法(15分で効果発現。30分~60分で最大効果。4~6時間効果が持続する)

②ケイキサレートドライシロップ 3~6包分3 毎食後、カリメート散 3~6包分3 毎食後、アーガメイトゼリー25g 3~6個分3 毎食後 など

③必要に応じてベネトリン2ml吸入(15分~30分で効果発現し、2~3時間効果持続)

④必要に応じてラシックス20㎎を静注(1~2時間で効果発現し、4~6時間効果持続)

 

K<6.0mEq/Lの場合

ケイキサレートドライシロップ 3~6包分3 毎食後

カリメート散 3~6包分3 毎食後

アーガメイトゼリー25g 3~6個分3 毎食後 など

便秘の副作用が強い場合や胃管が詰まる場合はロケルマ

(最初の2日間は10g×3、その後は5g×1、45mlの水に懸濁して内服)

 

GI療法のやり方

①50%ブドウ糖50ml+インスリン5~10単位を緩徐に静注(30分)

②5~10%ブドウ糖500ml+インスリン5~10単位を点滴静注(6時間)

*糖5gに対しインスリンを1単位を混注すると良い

*糖尿病患者の場合は糖2.5gに対しインスリンを1単位混注する

 

★GI療法施行後は1時間後にK値を再評価する!6時間経過するまでは1~2時間毎に血糖チェック!

 

高Ca血症

★治療の基本は①+② 必要に応じて③や④を考慮する

①脱水の補正

生食補液(250~500ml/hr)

大量補液のため、心エコーを行う。

②カルシトニン製剤、ビスホスホネート製剤

◆カルシトニン製剤

エルシトニン40単位を1日2回 皮下注射。2日間投与。

(数時間以内に効果発現。何度も投与するとescape phenomenonが起こるため長期投与しない)

◆ビスホスホネート製剤(悪性腫瘍で保険適応あり)

ゾメタ4mg/5ml+生食100mlを15分かけて点滴。

(2日目以降に効果が発現する。1週間以上間隔を空けて再投与可)

③利尿剤

脱水が改善されたら使用しても良い。

フロセミド20㎎~40㎎/日

ステロイド

肉芽腫疾患のビタミンD作用抑制やリンパ腫への効果を期待して使用

・ソルコーテフ200㎎/日 3日間

プレドニゾロン60㎎/日 10日間

 

低Ca血症

Ca<7未満の症候性低Ca血症、心電図異常がある場合

カルチコール10~20mlを10分~20分かけて投与(急速静注すると心収縮力低下の恐れあり)

⇒その後、カルチコールを2~4ml/hrで持続点滴。内服へ切り替え。

緊急性の高くない低Ca血症

◆高P血症がある場合

沈降炭酸カルシウム(カルタン) 3g/日

◆低P血症がある場合

沈降炭酸カルシウム 3g/日+エルデカルシトール0.5μg/日(腎機能障害がある場合はアルファカルシドールに変更)

 

高P血症

①沈降炭酸カルシウム(カルタン) 3g/日・・・カルシウムが上昇する

②ホスレノール 750mg 分3 食直後・・・Ca非含有のP吸着薬

クエン酸第二鉄(リオナ)1500㎎ 分3 毎食後・・・鉄補充もできる

 

低P血症

★一般的にはP≦2.0mg/dlで補正を開始する

★欠食⇒食事再開でPが低下するため、早めに補正しておくことも多い

点滴

◆通常の補正

リン酸Na補正液1A+生食250ml 6時間かけて点滴(内服と併用する)

◆症候性または1.0 mg/dL以下の場合

リン酸Na補正液1A+生食100mlを2時間で点滴。

P<1.5mg/dlの時:1日4本まで

P>1.5mg/dlの時:1日2本まで

内服

ホスリボン 3~6包分3 毎食後

 

 

 

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