とある内科医の病棟マニュアル

とある内科医の病棟マニュアル

呼吸器内科医が日常診療の考え方を綴る備忘録

忙しい人のための胸部CT読影

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 浸潤影・すりガラス影

鑑別

まずは感染症:細菌性肺炎、非定型肺炎、誤嚥性肺炎、抗酸菌、真菌(PCP、アスペルギルス、クリプトコッカス)、ウイルス性肺炎などを考える。

また宿主の状態:誤嚥性肺炎、肺化膿症、VAP、悪性腫瘍などによる閉塞性肺炎、術後であれば術後肺炎や肺瘻による吸い込み肺炎なども考える。

次に心不全ARDSなどの肺水腫を考える。

最後に間質性肺疾患その他の疾患を考えるというイメージ。

 

 

①+②の検査

✅採血4本、ガス、BNP、プロカル、血培、尿検査(特に肺炎球菌・レジオネラ尿中抗原)、異型肺炎セット、胸部レントゲン、胸部CT

✅喀痰培養(抗酸菌塗抹・培養・PCR

✅喀痰細胞診(真菌や悪性腫瘍の鏡検)

✅心電図、心エコー

誤嚥性肺炎が疑われる場合は、食止め・嚥下リハ ⇒ 必要に応じて嚥下造影やVE/VF 、不顕性誤嚥/顕性誤嚥がひどい場合は経管栄養を考慮。去痰剤処方、日中座位励行。

治療抵抗性の肺炎に対しては気管支鏡検査

✅術後であれば肺瘻がないか気管支鏡で確認

※異型肺炎セット

✅非定型肺炎:レジオネラ尿中抗原やマイコプラズマ迅速抗原/LAMP

✅抗酸菌や真菌:QFT、抗MAC抗体、β-D、アスペル抗原、クリプト抗原

✅ウイルス:インフルエンザ、COVID-19、C7-HRP

✅治療中の感染症がある場合は薬物血中濃度測定(VRCZなど)

ステロイド免疫抑制剤の減量について主科に相談

 

③の検査

喀痰培養(抗酸菌塗抹・培養・PCR血液培養採取

✅蜂巣肺以外の間質性肺炎は基本は気管支鏡検査をできるならやるべき!!(感染の除外+IPの診断)⇒  診断がつかなければVATSも考慮

心不全の除外を必ず行う(心エコー、心電図、BNP

✅薬剤性肺炎の可能性を考慮し、新規薬剤や被疑薬の変更・中止。

膠原病肺の場合は必ず膠原病内科にコンサルトPCP/薬剤性肺炎/CVD-ILDの鑑別。

悪性リンパ腫疑いの場合はBAL/組織のフローサイトメトリーやEBUS-TBNAも考慮。

✅背側の分かりにくい所見は腹臥位CT、モザイクパターンの場合は吸気・呼気CT

✅一般採血、血ガス、酸素化に余裕があれば呼吸機能検査(DLCO)、6分間歩行、心エコー気管支鏡検査BNP、QFT、尿中抗原(特にレジオネラ)、尿検査(定性、沈査、蓄尿、HBs抗原、HBs抗体、HBc抗体(デノボ肝炎のスクリーニングのため。陽性の場合はHBV-DNAを提出)、HCV抗体(陽性の場合はRNA提出)、HbA1c、β-Dグルカン、喀痰・BALのディフクイック染色、C7-HRP、KL-6、SP-D、プロカルシトニン、凝固系/造影CT(肺塞栓の評価)、IgG・IgA・IgM(IgGが高ければIgG4も提出。シェーグレンの場合もIgG4提出)、赤沈、被疑薬のDLST、MPO-ANCA、PR3-ANCA、抗核抗体(160倍以上の場合は染色型の結果に応じて追加抗体を提出)、RF、抗CCP抗体、フェリチン、抗ARS抗体(MDA-5)、抗RNP抗体、ACE、SS-A、SS-B、抗Scl-70抗体、トリコスポロンアサヒ抗体、トリ抗体、可溶性IL-2R/血液像目視/HTLV-1抗体、必要に応じて抗セントロメア抗体、抗RNAポリメラーゼⅢ抗体等。

✅肺癌を疑う場合は腫瘍マーカーCEA、シフラ、pro-GRP)、喀痰細胞診

✅癌性リンパ管症を疑う場合は「腫瘍の治療経過」と「腫瘍マーカーの推移」を確認。

感染症が疑わしい影の場合はβ-Dグルカン以外にもアスペルギルス抗原、カンジダ抗原、C7-HRPも提出する。

誤嚥性肺炎の再発が疑われる場合は、食止め・嚥下リハ ⇒ 必要に応じて嚥下造影やVE/VF 、不顕性誤嚥/顕性誤嚥がひどい場合は経管栄養を考慮。去痰剤処方、日中座位励行。

✅肺胞出血を疑う場合の検査はこちらを参照

好酸球性肺炎疑いの場合は、喀痰好酸球・呼気NO・呼吸機能の評価

 

難治性の肺炎繰り返す肺炎の検査

 

Halo sign/Reversed haloCentral hyperlucencyがある場合の鑑別

器質化肺炎/好酸球性肺炎や肺塞栓症、真菌感染症結核などの鑑別が必要!

 

収縮性変化気管支拡張や胸膜の引きつれのある浸潤影の鑑別

器質化肺炎などの間質性肺炎、乾酪性肺炎(結核性肺炎)を考える!

 

小葉間隔壁の肥厚を認める浸潤影の鑑別

こちらの項目を参照。

 

空洞影の鑑別

鑑別

まず考えるべきBEST3は

①肺癌 ②抗酸菌症・真菌感染症 ③肺化膿症(特にMRSAやクレブシエラESBL産生などに注意!!)

その他の鑑別として、アスペルギルス(SPAやCPPA、airway invasive typeも含む)、クリプトコッカス、ノカルジア、アクチノミセス、敗血症性塞栓症、多発血管炎性肉芽腫症(GPA)、リウマトイド結節、(LCHや寄生虫など)

 

検査

✅頸部・胸部造影CT(肺癌の転移検索・肺塞栓の鑑別)

✅QFT、抗MAC抗体、喀痰一般・抗酸菌(3連痰)、喀痰細胞診(悪性腫瘍の評価と真菌の評価)、血液培養、β-Dグルカン、アスペルギルス抗原、アスペルギルス沈降抗体、クリプトコッカス抗原、凝固(D-dimer)、CEA、シフラ、pro-GRP

✅必要に応じてRF、抗核抗体、免疫グロブリン(IgG、IgA、IgM)、ANCA

気管支鏡も検討

 

※アスペルギルス抗体は保険適応外

 

粒状影の鑑別

鑑別

粒状影に見える影は、「小葉中心性の粒状影」と「リンパ路病変」と「ランダムパターン」の陰影を指すことが多い!!

その中で主なものを以下に示す

◆小葉中心性粒状影

気管支肺炎、マイコプラズマ肺炎、抗酸菌感染症結核、非結核性抗酸菌症)、慢性下気道感染症(SBS、気管支拡張症、DPB、原発性線毛不全、Good症候群、低γグロブリン血症)、真菌感染症(ABPMも含む)、放線菌症(ノカルジアも粒状影を呈することがある)、RAによる濾胞性細気管支炎、過敏性肺炎(上葉優位)、サルコイドーシス、HTLV-1関連の気管支病変(HABA)、アミロイドーシス(びまん性肺胞中隔型)、異所性石灰化症など

◆リンパ路性

サルコイドーシス塵肺、癌性リンパ管症、悪性リンパ腫、キャッスルマン、IgG4

◆ランダムパターン

転移性肺腫瘍(LKのEGFR mutation甲状腺癌の転移)粟粒結核

 

検査

✅細菌・抗酸菌検査(3連痰⇒必要なら胃液培養まで)、喀痰の細胞診(真菌悪性腫瘍の評価)、血液培養、β-Dグルカン、QFT、抗MAC抗体、アスペルギルス抗原、クリプトコッカス抗原、CEA、CYFRA、Pro-GRP、市中感染ならマイコプラズマPAもしくはLAMP(できればペア血清)

✅DPBっぽい影や気管支拡張症があるならIgG、IgA、IgM、寒冷凝集素、副鼻腔CT

✅その他の疾患の鑑別のため、抗核抗体、IgG、IgA、IgM、RF、抗CCP抗体、SS-A、SS-B、KL-6、トリコスポロンアサヒ抗体、トリ抗体、ACE、血液像目視/可溶性IL-2R/HTLV-1抗体(陽性ならWB法)、HIV抗体(陽性ならWB法)を必要に応じて提出。

✅アミロイドーシスの鑑別にはSAAや多発性骨髄腫の評価、心エコー(心アミロイドーシスの評価)。

✅必要に応じて気管支鏡検査。

✅粟粒結核が疑わしい場合は尿の抗酸菌培養、胃液培養、抗酸菌用の血液培養ボトル、肝生検、骨髄穿刺、肺のランダムTBLB、組織培養

 

斑状影

斑状影を見たら、①感染症(一般細菌、抗酸菌、PCP等) ②間質性肺疾患③LKや転移性肺腫瘍、悪性リンパ腫、リンパ増殖性疾患など

 

結節影・腫瘤影

鑑別

肺癌、転移性肺腫瘍、円形無気肺、悪性リンパ腫、肺結核、アスペルギルス(ABPAも)、クリプトコッカス、接合菌(ムーコル)、放線菌症(アクチノミセス、ノカルジア)、リウマトイド結節、サルコイドーシス、多発血管炎性肉芽腫症(GPA)、リンパ増殖性疾患、肺血栓塞栓症、敗血症性塞栓症、肺動静脈瘻、珪肺、結節型アミロイドーシス

 

最初の検査

✅凝固の採血(血栓症の評価)、喀痰(一般・抗酸菌、ノカルジアの場合は長めの培養を)、喀痰細胞診(悪性腫瘍とアスペルギルスの評価)、血液培養(敗血症性塞栓症の評価)、QFT、抗MAC抗体、β-Dグルカン、アスペルギルス抗原、クリプトコッカス抗原、CEA、CYFRA、ProGRP、RF、抗核抗体、MPO-ANCA、PR3-ANCA、IgG、IgA、IgM、IgG4、可溶性IL-2R、造影CT、心エコー(肺塞栓による右心負荷や感染性心内膜炎の評価、心サルコイドーシスの評価)

気管支鏡を検討 ⇒ 生検が難しそうであれば全身造影CTやPET-CT(他部位で生検できる部位がないか確認

 

さらに追加を検討

✅血液像目視・可溶性IL-2R・HTLV-1抗体(陽性ならWB法)、蛋白分画、IgE、アスペルギルス特異的IgE、ACE

✅肺動静脈瘻が疑われる場合は頭部造影CT/MRI(オスラー病の評価)

✅アミロイドーシスの評価 ⇒ AL型であれば血清M蛋白の評価、血清遊離軽鎖、尿中BJ蛋白の評価、AA型であれば血清SAA。全身性アミロイドーシスであれば腸管・肝臓・骨髄・皮膚からの生検。腎障害があれば腎生検も有効。心アミロイドーシスの評価→心エコー、必要に応じて心生検。

 

嚢胞性疾患の鑑別

鑑別

COPD(α1-アンチトリプシン欠乏症も含む)、LAM(TSC-LAMの評価も含む。MMPHの画像を取る場合も)、転移性肺癌、Birt-Hogg-Dube、リンパ脈管筋腫症、シェーグレン症候群のLIP、ニューモシスチス肺炎(HIV-PCP)、LCH、クリプトコッカス症、アスペルギルス症、アミロイドーシス、Wegener肉芽腫、サルコイドーシス、嚢胞性気管支拡張症、ニューマトセル

 

検査

✅採血、抗核抗体、免疫グログリン(IgG4も)、ANCA、SS-A、SS-B、RF、KL-6、β-Dグルカン、ACE、血清α-1 アンチトリプシン、尿検査、呼吸機能検査(DLCOも)、全身CT(転移を疑うならば造影CT)

皮膚生検(TSC-LAMとBHDの場合)

気管支鏡(BAL・TBLB)VATS

✅あとは状況に応じて腫瘍マーカー、アスペルギルス抗原、クリプトコッカス抗原、HIV、血清アミロイド蛋白、遺伝子検査(遺伝子カウンセリングをやっているところにお願いする。もしくは「かずさ遺伝子」というところで調べる!)

 

気管支拡張像の鑑別

鑑別

DPB、COPDの慢性下気道感染、副鼻腔炎気管支症候群(SBS)

抗酸菌感染症、アスペルギルス感染症(ABPMも含む)、放線菌感染症などの特殊な感染症(混合感染症の可能性も考える)

その他…不顕性誤嚥、RAやSJSに伴う気管支拡張症・細気管支炎、低γグロブリン血症、Good症候群(胸腺腫合併)、Kartagener症候群、悪性リンパ腫(HABAなど)

 

検査

✅喀痰検査…好中球、細菌・抗酸菌検査(できれば3連痰)、ノカルジアを疑う場合は長めの培養を細菌室に依頼する、喀痰の細胞診(真菌の評価)、β-Dグルカン、QFT、抗MAC抗体、アスペルギルス抗原、DPBっぽい影であれば、IgG、IgAと寒冷凝集素まで。膠原病や間質性肺疾患の鑑別も必要そうなら抗核抗体、RF、抗CCP抗体、IgG、IgA、IgMSSA、SSB、ACE、血液像目視/可溶性IL-2R/HTLV-1抗体(陽性ならWB法)

✅呼吸機能検査(COPDやDPBを疑う時)

✅胸部CT(±副鼻腔CT)…気管支拡張像や粒状影、気管支壁肥厚像があるか、慢性副鼻腔炎がないかどうか⇒副鼻腔炎がありそうであれば耳鼻咽喉科に紹介

✅抗酸菌感染症や真菌感染症が非常に疑わしい場合や少量EM内服しても陰影が増悪してくるような場合は、原因菌の検索のために気管支鏡検査を施行。

 

縦隔リンパ節腫脹の鑑別

鑑別

3大鑑別疾患はサルコイドーシス、悪性リンパ腫結核性リンパ節炎

肺癌、転移性肺腫瘍、悪性リンパ腫、サルコイドーシス、結核性リンパ節炎、IgG4関連疾患、キャッスルマン病、塵肺、その他:EBウイルス感染症、CMV感染症、SLE、シェーグレン、成人still病、菊池病など

 

検査

✅採血(CEA、シフラ、proGRP、sIL-2・血液像目視・HTLV-1抗体(陽性ならWB法)、ACE、リゾチーム、IGRA(QFTやT-SPOT)、免疫グロブリン(IgG4も含めて))、尿検査(尿中Ca)、喀痰培養(抗酸菌も含めて)

✅全身造影CT、気管支鏡(EBUS-TBNA、BAL、TBLB(ランダムバイオプシー))

✅必要に応じてPET-CT、VCA-IgM/IgG、EBNA、(組織のEBER免疫染色)、C7-HRP、抗核抗体、RF、抗CCP抗体、抗SS-A抗体、抗SS-B抗体、フェリチンなど

 

縦隔腫瘍

検査

✅採血(術前オーダー)、CEA、シフラ、pro GRP、AFP、HCG、アセチルコリンレセプター抗体、可溶性IL-2R、HBs抗原、HCV抗体、IgG、IgA、IgM(IgG4等も必要に応じて)、全身造影CT(全身の転移検索)。

✅造影MRI(浸潤の程度の評価、脂肪腫や単純性の嚢胞の診断)

✅呼吸機能検査、心機能検査、心電図(術前評価)

呼吸器外科コンサルト

播種する恐れがあるため、針生検は基本やらないと考える!(根治ができる場合は診断的切除が原則)

 

気管・気管支壁肥厚・小葉間隔壁の肥厚

気管支喘息心不全(小葉間隔壁の肥厚)、ARDS、慢性下気道感染症、癌性リンパ管症、リンパ増殖性疾患(悪性リンパ腫、IgG4、HTLV-1関連(HABA)等)、サルコイドーシス、RAやSJSなどのFB、キャッスルマン病、PVOD、アミロイドーシス

比較的中枢側の気管壁肥厚なら癌性リンパ管症、再発性多発軟骨炎、サルコイドーシス、気管・気管支アミロイドーシス、GPA(多発血管炎性肉芽腫症)、気管支結核、気管気管支骨軟骨形成症(Tracheobronchopathia osteochondroplastica)

 

コンプロマイズドホストの肺炎、若年者の重症肺炎(免疫不全がありそうな場合)

一般的な採血にβ―Dグルカン、アスペル抗原、カンジダ抗原、クリプトコッカス抗原、プロカルシトニン、C7HRP、IGRA、抗MAC抗体、免疫グロブリン(IgG、IgA、IgM)、喀痰培養(抗酸菌の3連痰も考慮)、喀痰細胞診(真菌の評価)、血液培養(真菌培養も含めて)、HIV抗体(陽性ならWB法)、血液像目視/可溶性IL-2R/HTLV-1抗体(陽性ならWB法)

✅気管支鏡(感染症の評価や生検、血液疾患が疑われる場合はBALのフローサイトメトリーとかも必要(血内などに相談))

ステロイド免疫抑制剤の減量について主科に相談!

✅治りが悪い場合はVCMや抗真菌薬などの併用も考慮(喀痰のグラム染色や細胞診をしっかりと確認すること!)

 

モザイクパターン

過敏性肺炎、肥満などによる吸気不足、肺血栓塞栓症、COPD気管支喘息、閉塞性細気管支炎、PCPDIP、サルコイドーシスなど

✅吸気・呼気のCTを撮像する

 

無気肺

閉塞型(気管支が途絶しているもの)

肺癌、気管内腫瘍、分泌物による閉塞(細菌性肺炎や術後無気肺)、気管支結核、ABPA、中葉症候群、気管支異物

非閉塞型(気管支が追えるもの)

・慢性炎症や気管支拡張などによる肺実質の荒廃(瘢痕性無気肺)

・胸水やその他の肺外病変による圧排(受動性無気肺)

・ARDSや術後、肺水腫、放射線性肺炎などサーファクタント欠乏(癒着性無気肺)

・その他:荷重性無気肺(寝たきり)、円形無気肺

 

検査

✅採血(QFT、抗MAC抗体、β-Dグルカン、アスペルギルス抗原、必要に応じて腫瘍マーカーCEA、CYFRA、pro-GRP)、喀痰培養、喀痰抗酸菌検査(必要に応じて3連痰)、喀痰細胞診(悪性所見と真菌所見の有無の評価)

✅胸部CT

✅閉塞型の場合は気管支鏡検査も検討。

 

葉間の考え方

・葉間を跨ぐ⇒ 間質性肺炎、癌などの破壊性に進展していく病態

・葉間を跨がない⇒ 感染症などの経気道的な要素

 

上葉優位IPの鑑別

CASSET-Pで鑑別(Radiology Review Manualより一部改変)

C:慢性過敏性肺炎(CHP)、cystic fibrosis

A:Amitani病:網谷病(PPFE)、強直性脊椎炎

S:sarcoidosis、S:silicosis

E:eosinophilic granuloma(ランゲルハンス細胞組織球症(LCH))

T:tuberculosis(その他、肺非結核性抗酸菌症や真菌症も)

P:Pneumocystis 肺炎

 

短期間に繰り返す肺炎の鑑別

鑑別

慢性下気道感染症(一般細菌、抗酸菌、真菌、放線菌)、SBS、器質化肺炎(OP)、肺血栓塞栓症、誤嚥・不顕性誤嚥を繰り返している、気管の閉塞起点(気管内腫瘤など)、排痰困難(筋力低下、麻痺、胸郭の固定)、過敏性肺臓炎、免疫不全(免疫グロブリンHIVHTLV-1)、逆流性食道炎(上部消化管内視鏡)、嚥下障害がある(食欲不振、体重減少を参照)、肺分画症など。

 

検査

✅喀痰培養(耐性菌の評価)、抗酸菌培養、喀痰細胞診(真菌の評価)、採血・凝固(肺塞栓の評価)、胸部CT(肺塞栓や肺分画症が疑わしいなら造影CT。嚥下障害や慢性下気道感染が疑わしいなら頭部や副鼻腔のCTも同時に撮像)。

誤嚥性肺炎の再発が疑われる場合は、食止め・嚥下リハ ⇒ 必要に応じて嚥下造影やVE/VF 、不顕性誤嚥/顕性誤嚥がひどい場合は経管栄養を考慮。去痰剤処方、日中座位励行。

✅嚥下機能低下の原因精査(食欲不振、体重減少を参照)

✅耐性菌の有無や閉塞起点の確認のために気管支鏡も検討

✅慢性下気道感染症の評価(気管支拡張像の鑑別を参照)、

間質性肺炎(特に器質化肺炎)の評価(浸潤影・すりガラス影の精査③を参照)

✅免疫不全の評価 ⇒ 免疫グロブリン、補体(C3,C4,CH50)、HIV抗体、HTLV-1抗体などを提出。(陽性ならWB法)

 

治らない肺炎

鑑別

肺水腫(心不全やARDSなど)を合併していないか確認悪性腫瘍癌性リンパ管症でないか確認Natural courseでないか確認、耐性菌(一般細菌の耐性化)、抗酸菌、真菌(アスペルやPCPなど)、肺化膿症や膿胸などを合併、不顕性誤嚥誤嚥性肺炎を繰り返している)、排痰困難(筋力低下、麻痺、胸郭の固定)、器質化肺炎(wandering)などの間質性肺炎、感染後器質化、薬剤性肺炎の合併、過敏性肺臓炎、肺血栓塞栓症など

 

検査

気管支鏡検査を考慮

✅喀痰検査(細菌グラム染色・培養の再検)、抗酸菌・真菌培養、血液培養、細胞診(アスペル・肺癌)、真菌の抗原・抗体(アスペルギルス抗原、アスペルギルス抗体、クリプトコッカス抗原など)、β‐Dグルカン、プロカルシトニン、BNP、心エコー、QFT、抗MAC抗体、D-dimer、トリコスポロン・アサヒ抗体、トリ抗体、肺塞栓の可能性がある場合は造影CT。

✅重症肺炎、ARDS、感染後器質化肺炎としてステロイド投与も検討

✅肺癌疑いならCEA、シフラ、pro-GRP、全身造影CTなど。

誤嚥性肺炎の再発が疑われる場合は、食止め・嚥下リハ ⇒ 必要に応じて嚥下造影やVE/VF 、不顕性誤嚥/顕性誤嚥がひどい場合は経管栄養を考慮。去痰剤処方、日中座位励行。

✅器質化肺炎等が疑われる場合は間質性肺炎の精査(浸潤影・すりガラス影の精査③を参照)

✅肺化膿症で治療に反応しない場合はVCM併用も検討!(痰が出ない時は経験的投与も)

✅治療抵抗性の肺化膿症や壊死性肺炎は呼吸器外科にも一度相談。

✅膿胸は必ず呼吸器外科コンサルト。

 

 

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