とある内科医の病棟マニュアル

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呼吸器内科医が日常診療の考え方を綴る備忘録

心エコーの評価

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心エコーの見るポイントと基準値

✅LVDd(左室拡張末期径):40-53

✅LVDs(左室収縮末期径):23-42

✅IVS:心室中隔壁圧:7-12

✅LVPWD(左室後壁壁厚):7-12

✅AoD(大動脈径):21-36

✅LAD(左房系):19-40

✅EF(Teich、MOD):60%以上が正常

✅SV(一回心拍出量):SV×HR=CO。正常値40~97ml。LVOT-VTI<15cmで低心拍出。

✅CO(心拍出量):4~6(L/min)、CO÷BSA=CI。

CI(心拍出係数):Forrester分類では2.2未満が低灌流

✅Asynergy at rest:normokinesis、hypokinesis、akinesis、dyskinesis(Base,mid,apex)

✅弁膜症:trivial(ごく僅か)、mild(軽症)、moderate(中等症)、severe(重症)

✅AS:AVA(1.0㎝²未満で重症、1.0~1.5㎝²未満で中等症、1.5㎝²以上は軽症)、Vmax(4m/秒以上で重症、3~4m/秒以上で中等症、3m/秒以下で軽症)、mPG(40mmHg以上で重症、25~40mmHgで中等症、25以下で軽症)

✅MS:mPG(10mmHg以上で重症、5~10mmHgで中等症、5mmHg以下で軽症)、MVA(1.0cm²以下で重症、1.0~1.5cm²で中等症、1.5cm²以上で軽症)

✅MR:ジェット面積(40%以上で重症、20~40%で中等症、20%以下で軽症)、vena contracta幅(7mm以上で重症、3~6.9mmで中等症、3mm未満で軽症)、逆流量(60ml以上で重症、30~59mlで中等症、30ml未満で軽症)、逆流率(50%以上で重症、30~49%で中等症、30%未満で軽症)、有効逆流弁口面積(0.4cm²以上で重症、0.2~0.39cm²で中等症、0.2cm²以下で軽症)。

✅AR:ジェット面積(65%以上で重症、25~65%で中等症、25%未満で軽症)、vena contracta幅(6mm以上で重症、3~6mmで中等症、3mm以下で軽症)、逆流量(60ml以上で重症、30~59mlで中等症、30ml未満で軽症)、逆流率(50%以上で重症、30~49%で中等症、30%未満で軽症)、有効逆流弁口面積(0.3cm²以上で重症、0.1~0.29cm²で中等症、0.1cm²以下で軽症)。

✅TMF(僧房弁口血流速度波形):1.0<E/A<2.0(若い人)、E/A<0.8(お年寄り)、お年寄りで0.8<E/A<1.5は偽正常化、E/A>2.0は拘束性障害。左房圧の評価はこちらを参照。

✅DcT:160未満は拘束性障害。高齢者であれば200未満でも拘束性障害あり。

✅E/e'(イーバーイープライム):左房圧と相関

TRPG(右室右房圧較差):4×(最大三尖弁逆流速度)²。TRPG31~36mmHg以上で肺高血圧を疑うが、推定値であるため個人差あり。

推定収縮期肺動脈圧を推定できるが、右心カテーテルの実際の数値と乖離しやすいため、肺高血圧の診断のためには右心カテーテル検査が必要。

TRPG40≒mPAP25(肺高血圧の可能性高い)、TRPG60≒mPAP40くらいと考える。

✅推定右室圧(RVSP。RVSP≒esPAP(推定収縮期肺動脈圧)):IVC≦15~20mmでRC(+)の時はTRPG+5、それ以外の時はTRPG+10で計算する。(本によって書いてることが違います)

40以上で軽度肺高血圧。

50以上(TRPG40以上)で中等度肺高血圧(肺高血圧の可能性が高い)。

70以上(TRPG60以上)で高度肺高血圧。

※あくまでエコー上の重症度の目安であり、臨床上の重症度分類とは異なる

✅TAPSE:TAPSE<16mmで右室収縮能低下

✅IVC(下大静脈径):10~20㎜が正常範囲。IVCの評価はこちら

✅RC(呼吸性変動, respiratory change)

✅Pericardial effusion(心嚢液)

 

心エコーと冠動脈灌流領域

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LAD:前壁、前壁中隔、心尖部

LCX:前側壁、下側壁(=後壁)、心尖部側壁

RCA:下壁中隔(4PDの灌流域)、下壁、心尖部後壁

長軸像:前壁中隔と後壁

4チャンバー:前側壁と下壁中隔

2チャンバー:前壁と下壁

 

こちらの図が参考になります。

 

HFpEFの診断基準

EF≧50%以上の心不全であり、かつ以下の4項目のいずれかを満たすもの

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心エコーによる左房圧上昇の判定

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(引用:日本循環器学会 急性・慢性心不全ガイドライン(2017年改訂版)

 

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IVCの評価

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弁膜症の手術適応

日本循環器学会 弁膜症治療のガイドライン(2020年改訂版)を御参照ください。

 

循環器内科に紹介を行う目安(手術適応になる可能性あり)は以下の通り

✅重症の一次性MR(弁尖や腱索の器質的異常)

✅中等症以上の二次性MR(虚血や拡張型心筋症による機能的MR)

✅中等症以上のMS

✅軽症でも症状のあるMS(mPG 15mmHg以上、PASP≧60mmHg以上)

✅有症状の重症AR

✅無症状の重症ARでLVEF<50%、LVDs>45mm、LVDd>65mmのもの

✅重症のAS

 

 

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