とある内科医の病棟マニュアル

とある内科医の病棟マニュアル

呼吸器内科医が日常診療の考え方を綴る備忘録

低K血症

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フローチャート

その他:糖尿病による低カリウム(内因性インスリン増加)、血球産生亢進による低カリウム血症など

 

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最初の検査

心電図、モニタリング

★QT延長⇒トルサードポワンを認める場合は循環器内科コンサルト!

被疑薬の中止・変更(特にインスリン見落としがち)

✅3.0mEq/L<K<3.5mEq/Lの時 ⇒ これ以上下がらないように、メインや薬剤等の変更を行う。

✅K≦3.0mEq/Lの時、カリウムの補正開始

※補正の前に必要な検査を提出すること!
※心疾患や不整脈リスクのある患者はKを4.0~5.5で調整する。

✅採血:血ガス、K、Ca、Mg、P、血清浸透圧、FT4、TSH、血糖、HbA1c血漿アルドステロン濃度と血漿レニン活性(30分安静臥床後に採血)。

*PAC/PRA>200(もしくはPAC/ARC>40)かつPAC>120でアルドステロン症疑い

✅尿定性・沈査、尿中電解質(Na、K、Cl。随時尿でも可)、尿浸透圧、

*TTKG=(UK/PK)/(UOsm/POsm)

 

追加検査

✅高Ca血症がある場合は高Ca血症の鑑別

✅クッシングを疑う場合は早朝ACTH・コルチゾール

✅アルドステロン症や腎血管性高血圧を疑う場合は腹部エコー、腹部血管エコー、腹部造影CT

✅褐色細胞腫を疑う場合は血中アドレナリン/ノルアドレナリン、24時間蓄尿(尿中アドレナリン/ノルアドレナリン、尿中メタネフリン/ノルメタネフリン)

RTAを疑う場合は抗核抗体、SS-A、SS-B、尿定性・沈査、必要に応じて腎生検。

✅内分泌科にコンサルト。

 

Kの補正

★K<3.0mEq/Lで補正を開始する

緊急性が高い場合

補正速度は10~20mEq/hで静脈投与(急速静注すると心停止するので注意!!

末梢点滴で補正する場合は血管痛を起こすので40mEq/L以下の濃度にする。

(40meq/L以上の濃度で補正したい場合は中心静脈カテーテルを留置する)

 

<処方例>

末梢点滴:KCL注20mEq 1Aを生食500mlに溶解して1時間以上かけて点滴。

※Kを1mEq上げるためには100~200mEq程度必要

 

そこまで緊急性が高くない場合

 

血圧高値、利尿剤内服中の場合

 

 

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