とある内科医の病棟マニュアル

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呼吸器内科医が日常診療の考え方を綴る備忘録

多血症

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鑑別疾患

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骨髄増殖性腫瘍(MPN)

慢性骨髄性白血病CML)、慢性好中球性白血病(CNL)、真性多血症(PV)、原発性骨髄線維症(PMF)、本態性血小板血症(ET)、慢性好酸球白血病(CEL)

 

検査

血液内科コンサルト

被疑薬の確認

✅慢性的な低酸素血症、SAS、喫煙歴の確認

✅ルーチン採血、目視、網赤血球(Ret)、UABNPビタミンB12(真性多血症で上昇)、エリスロポエチン、NAPスコア(CMLの慢性期では低値、真性多血症では高値)、尿定性・沈査(血尿の有無→細胞診で腎腫瘍の確認)。

✅末梢血遺伝子変異解析:JAK2 V617F変異を確認。

✅胸部・腹部CTや腹部エコー(肺疾患の有無、脾腫の有無、腎腫瘍の有無の確認)。

✅必要に応じて下記を提出。

  • 骨髄穿刺、その他の末梢血遺伝子変異(bcr/abl、JAK2 exon12 mutation・MPL・CALR)の検索。
  • 2次性赤血球増加の原因検査:心エコー・心電図(心不全の確認)、ポリソムノグラフィー(睡眠時無呼吸や肺胞低換気の確認)、血ガス(CO Hbの評価)など。

 

治療

✅脱水は飲水励行

✅ストレス多血症は禁煙・減量・飲水励行

✅真性多血症の場合は瀉血(月1回200~400mlの瀉血。ふらつきを避けるため必要に応じて同量の生食点滴。)⇒ Hct正常化を目指す。無効の症例はハイドレア。

✅JAK遺伝子異常のある場合はJAK阻害剤

 

 

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