人工呼吸器の設定
換気モード
✅A/C(Assist/Control)
設定換気回数を強制換気する。自発呼吸がある場合は自発をトリガーして強制換気する。
✅CPAP+PS
自発呼吸にPEEPを付加する。自発呼吸に合わせてPressure Supportを付加する。強制換気はないため、自発呼吸がない場合には使用しない。(バックアップ換気はある)
✅SIMV
A/CとCPAP+PSの中間の設定。近年はあまり使用されない。
設定回数分は強制換気となり、それ以上の自発がある場合にはCPAP+PSとなる。
(自発が全くない場合はA/Cと同じ)
※強制換気・・・設定した吸気量/圧と吸気時間で吸気を行うこと。(PSは吸気時間を設定しない)
アラーム設定
人工呼吸器の正常波形
人工呼吸器で直接変更できないもの
✅呼吸数を減らすこと(ガッツリ鎮静・筋弛緩をかけないと無理だから)
✅呼気の時間を変更すること(呼気は患者が決めるものだから)
呼気を延長させる方法
注)一般的に呼気を延長させると換気量が低下するので注意してください!
<従量換気の場合>
① 吸気流量を上げる
⇒② 矩形波に変更する
⇒③ 一回換気量を減らす
⇒④ 最終手段として鎮静・筋弛緩を使用して呼吸数を下げる
<従圧換気の場合>
① 吸気時間を短くする
⇒② 吸気圧を下げる(一回換気量を下げる)
⇒③ 最終手段として鎮静・筋弛緩を使用して呼吸数を下げる
DOPEアプローチ(いきつめ)
い:位置、き:気胸、つ:詰まり、め:メカ
酸素化低下
一回換気量低下
<VCの場合>
<PCの場合>
一回換気量上昇
気道内圧上昇
呼吸数上昇
CO2貯留
① 原疾患の治療。
② 一回換気量を増やす。
③ 換気量が上がらない場合は、I:E比を1:2以上で固定した状態で呼吸回数を可能な範囲で増やす。(吸気時間0.8秒で呼吸回数は最大24回まで)
④ それでも難しい場合はI:E比を1:2以下にするしかない。ただし呼気を短くすると、CO2が溜まる恐れがあるため注意すること(特に閉塞性換気障害の場合)
人工呼吸器の非同調
圧波形の異常
流量波形の異常
換気量波形の異常
波形異常の対応
① 吸いたい時に吸いたい速さで吸うことができない
② 吐きたいときに吐けない(吸気が大きい)
③ トリガー不全
④ 吸気時間が短い
⑤ 吸気時間が長い
- 吸気時間を短くする(フローが0の時間をなるべく短くする)
⑥ 2段呼吸
■吸気不足
- 吸気不足のため、足りない吸気を補うために2段呼吸になっている。
- 吸気時間を延長する。
- 一回換気量を上げる(サポート圧を上げる)。
- CPAP+PSの場合はターミネーションクライテリアを下げる(呼気に切り替わるタイミングを遅らせる)
■オートトリガー
リークや回路内水滴により、誤って吸気が始まってしまう現象。
- リークや回路内水滴などの原因の除去
- トリガー感度を下げる。
■リバーストリガー
強制換気のあとに横隔膜の収縮が誘発される現象(強制換気の直後に自発呼吸が出る)
- 強制換気の圧を減らしたり、吸気時間を減らす。
- 鎮静を減らして自発を促し、CPAP+PSとする
- 鎮静を増やして、自発をなくす
⑦ オートPEEP
- 呼気を延長させる
- 気管支拡張薬を使用
- カウンターPEEPをかける。
- CPAP+PSの場合はターミネーションクライテリアを上げる。
⑧ ミストリガー
吸気努力が人工呼吸器に完治されていない状態。
⑨ 二峰性呼気
基本的には2段呼吸と同じ(トリガーされると2段呼吸になる)
■吸気不足
- 吸気不足のため、足りない吸気を補うために2段呼吸になっている。
- 吸気時間を延長する。
- 一回換気量を上げる(サポート圧を上げる)。
- CPAP+PSの場合はターミネーションクライテリアを下げる(呼気に切り替わるタイミングを遅らせる)
■リバーストリガー
強制換気のあとに横隔膜の収縮が誘発される現象(強制換気の直後に自発呼吸が出る)
- 強制換気の圧を減らしたり、吸気時間を減らす。
- 鎮静を減らして自発を促し、CPAP+PSとする
- 鎮静を増やして、自発をなくす
⑩ 結露、喀痰、体動
⑪ リーク
ウィーニング
✅こちらのリンクにあるPDFを参照する。
✅「頻回の誤嚥」などの繰り返す病態の場合、家族と相談の上で「気管切開」も検討する!
挿管時チェック
挿管前チェックリスト
✅食止め
✅気管挿管の同意書
挿管準備チェックリスト
抜管時チェック
抜管前チェックリスト
✅SAT、SBTトライアル施行(こちらを参照)
✅鎮静薬はプロポフォールに変更
✅一週間以上挿管管理をしている患者の場合は喉頭浮腫の予防のため、抜管12時間前より4~6時間毎にソル・メドロールを20~40mgを投与。
✅カフリークテスト(VCにしてカフを抜き、一回換気量が100~150ml低下すれば成功)
✅抜管する日の朝から食止め
✅家族に抜管予定と再挿管のリスクについて説明
抜管準備チェックリスト
抜管後チェックリスト
✅血ガス評価
✅嚥下評価(リハビリ)
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