とある内科医の病棟マニュアル

とある内科医の病棟マニュアル

呼吸器内科医が日常診療の考え方を綴る備忘録

肺癌化学療法チェックリスト

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診断・ステージングの際に必要な検査

✅PSの確認(化学療法の場合は基本PS2まで)

PS3でも初回のSmall、TKIなどは治療を行う場合もある

✅自宅に帰れる患者か?(自宅に帰れない人はPS3以上と考える)

✅年齢:元気な人でも85歳以上は化学療法は原則難しい(TKIや優しめのケモなら可能かもしれない)

✅認知機能は問題ないか?(認知機能の低下が著しい場合は治療は危険、BSCも検討)

急変時の対応の確認(診断後に確認)

週単位で増悪してないか?(週単位で増悪する場合は急ぐ必要あり)

オンコロジックエマージェンシーはないか?

✅採血

■血算、生化、血糖(HbA1c)、凝固、尿定性・沈渣、腫瘍マーカーCEA、シフラ、pro GRP)、eGFR計算(CCr)、KL-6/SP-D(腫瘍マーカーの代わりにもなるかもしれない、間質性肺炎の評価)、QFT、HBs抗原、HBc抗体・HBs抗体(陽性ならDNA提出)、HCV抗体(陽性ならRNA提出)。

■ICI投与前採血:TSH、FT4、ACTH、コルチゾールHbA1c、肝機能、KL-6、SP-D、抗核抗体、RF、抗TPO抗体、抗Tg抗体 ⇒ 異常があればコンサルト

■骨転移がある場合は1CTPやNTxを測定する。

✅胸部X線写真

✅心エコー

✅胸膜播種・胸水の確認

✅胸水穿刺 ⇒ セルブロック提出。大量胸水の場合は胸腔ドレーン留置(肺野の確認、気管支鏡検査のため)。必要に応じて、局麻下胸腔鏡やCTガイド下生検、エコーガイド下生検による胸膜生検も検討。

喀痰細胞診:「急ぐ場合」や「気管支鏡ハイリスク」の場合に提出

組織診断

気管支鏡検査

②気管支鏡がハイリスクの場合は肝生検リンパ節生検CT/エコーガイド下生検EUS-FNAなどを検討。

他部位のオペ検体

✅LCスクラム提出予定であれば凍結検体を採取

✅呼吸機能検査

✅組織が出たら遺伝子検査提出(組織が出るまで1週間、遺伝子検査が出るまで1週間)

①組織量が十分でない場合は単一遺伝子検査 ⇒ 検査不可の場合はリバイオプシー

②組織量が十分な場合はオンコマイン

③組織が全く採れない場合はセルブロック等から遺伝子検査を提出する。

※セルブロックの遺伝子検査はPDL-1、BRAF、オンコマインは不可。EGFR、ALK、ROS-1は測定可能。

※オンコマインは単一遺伝子検査より時間がかかることに注意。

✅全身造影CT(頭部~骨盤部まで)

間質性肺炎の有無の確認(軽微な所見の場合は腹臥位CTで確認)

✅頭部造影MRI(脳転移の評価)

✅PET-CT(外来で撮像)

胸水やリンパ節など、ステージングに影響を及ぼす部位の生検・検査

(可能な侵襲で生検。侵襲が大きい場合は造影MRIやPETで代用する)

✅ステージングに影響を及ぼさない部位も簡単に生検できる部位は生検する!

(胸水、口腔内、皮膚など。転移の確認や他疾患の除外のため)

✅エコーで評価できるものはエコー検査(今後のフォローのため)

✅ステージングと治療方針の決定(手術?、ケモラジ?、ケモ?、放射線単独?)

✅腺癌の場合は前もって葉酸ビタミンB12を入れておく

✅小細胞癌の場合はUGT1A1を測定しておく

 

※急ぐ症例については頭部造影MRIは頭部造影CTで代用可。(後日造影MRI撮像)

※PET-CTは可能な限り施行すべき!だがどうしても急ぐ症例なら骨シンチで代用する。

高血糖(血糖値200以上)などでPET-CTが撮像できない場合にはDWIBSも検討する。

 

化学療法開始前チェックリスト

✅PSの確認(基本はPS2まで)

PS3でも初回のSmall、TKIなどは治療を行う場合もある

✅自宅に帰れる患者か?(自宅に帰れない人はPS3以上と考える)

✅年齢:元気な人でも85歳以上は化学療法は原則難しい(TKIや優しめのケモなら可能かもしれない)

✅認知機能は問題ないか?(認知機能の低下が著しい場合は治療は危険、BSCも検討)

✅化学療法の同意書取得

急変時対応の再確認(特に初めて主治医をやる場合)

✅入院時に採血・尿検査・心電図・胸部X線写真を行う

■血算、生化、血糖(HbA1c)、凝固、尿定性・沈渣、腫瘍マーカー(腺癌ならCEAとSLX、扁平上皮癌であればCYFRAとSCC、肺小細胞癌であればpro GRPとNSE)、その他に上昇している腫瘍マーカー、eGFR計算(CCr)、KL-6/SP-D(腫瘍マーカーの代わりにもなるかもしれない、間質性肺炎の評価)、T-SPOT、HBs抗原、HBc抗体、HBs抗体、HCV抗体

■ICI投与前採血:TSH、FT4、ACTH、コルチゾールHbA1c、肝機能、KL-6、SP-D、抗核抗体、RF、抗TPO抗体、抗Tg抗体 ⇒ 異常があれば予めコンサルト

■骨転移がある場合は1CTPやNTxを測定する。

間質性肺炎の有無の確認(軽微な所見の場合は腹臥位CTで確認)

ケモの開始基準を満たしているか確認!

✅血球が減少傾向になってないか?(造血能は大丈夫?)

✅血液異常が開始基準に引っかかる場合は専門科にコンサルト

Ex)肝転移による肝機能障害はtreatableであれば、消化器内科相談+本人にリスクを説明の上で化学療法を行う

減量すべきか?

①前コースで減量基準に該当する場合 ⇒ 一段階減量+ジーラスタ併用

②高齢者またはPS2のプラチナダブレット ⇒ プラチナを一段階減量

③骨髄抑制が強く出る患者の新規レジメン導入時 ⇒ 一段階減量

✅ケモ入力と指示、生食ロック処方

✅前投薬の確認(葉酸ビタミンB12など)

✅制吐剤の投与確認

✅G-CSFの1次予防の適応は?(特にDTX+RAM)、2次予防の適応は?

✅Nadir(好中球の下限)はいつ頃?

膠原病や炎症性腸疾患のある人はICI投与前に必ずコンサルトする(投与可能?)

✅心エコーを半年~1年に1回(もしくはレジメン変更時)に確認。プラチナ系投与前は必ずチェックAMRは2クール毎に心機能を確認する。

✅VEGF投与時には尿検査と凝固を毎回検査

✅アブラキサン投与の前はアルコール不耐症の確認輸血の同意書の取得

✅イリノテカン投与の前はUGT1A1の検査を行う。

感染症がないか? ⇒ 感染症がある場合は急ぐ場合以外はケモ延期

気胸や縦隔気腫ないか?⇒治るまで or 改善傾向になるまで延期

✅次回のレシストは?

✅次回は入院?外来?

⇒点滴スケジュールが問題なし+有害事象がgrade1以下なら外来も可能

⇒外来ケモ室の予約

✅LD-SCLCがCR・GoodPRの場合 ⇒ 予防的全脳照射(PCI)を検討

 

フォローアップ

✅血液検査…入院時、7日後、10日後、14日後に採血を施行する。

✅レントゲンは入院中は週に1回

✅プラチナ製剤(主にシス)使用の場合は使用後3~5日間の体重測定、飲水量測定、尿量測定を行う

✅初回のレジメンは副作用とNadir確認のために2週間入院。

⇒血球減少がgrade0~2かつ, その他の副作用も軽微であれば、次回からは点滴後に退院 or 外来でのケモに切り替えを検討する

✅RECIST CTは2コースに1回評価。原則造影CT(特にPDが疑われる場合)

✅頭部造影MRI:脳転移がある・治療中の人は3ヶ月毎にフォロー。脳転移がない・安定している人は半年毎にフォロー。

腫瘍マーカーが上昇してるにも関わらずSDの場合は脳転移や骨転移を評価する。

✅治療反応が不十分な場合は再生検を考慮(重複癌や形質転換の確認)

 

カルテ記載例

#1.右上葉肺腺癌(cT4N2M1a(BRA, OSS) cStageⅣB) EGFR mutation(-)、PDL-1(TPS %)、ALK-fusion(-)、ROS1(-)、BRAF(-)

 

【チェックリスト】

◇標的病変:

◇RECIST CT:

◇有害事象:Gr~。Nadir day~

◇頭部MRI

◇心エコー:

ジーラスタ:

◇ランマーク:

メチコバール

HBV-DNA:

【化学療法歴】

放射線治療歴】

 

レジメンの選択

腺癌, EGFR mutation陰性 1次治療

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①BEVが投与可能ならCBDCA+PTX+BEV。BEV投与不可ならCBDCA+nab-PTX、CBDCA+PTX、CBDCA+S-1より選択。

②CBDCA+nab-PTX、CBDCA+PTX、CBDCA+S-1より選択。プラチナが投与できそうにない場合はVNR、S-1より選択。

③CDDP+PEM+Pembro、CBDCA+PEM+Pembro、CBDCA+PTX+BEV+Atezo、CBDCA+PTX+Atezo、CBDCA+nab-PTX+Atezoより選択。

ICIを併用しない場合はCDDP(CBDCA)+PEM+BEV、CBDCA+PTX+BEV、CDDP(CBDCA)+PEM、CBDCA+PTX、CBDCA+nab-PTX、CBDCA+S-1

④CDDP+PEM+Pembro、CBDCA+PEM+Pembro、CBDCA+PTX+BEV+Atezo、CBDCA+PTX+Atezo、CBDCA+nab-PTX+Atezoより選択。

ICIを併用しない場合はCDDP(CBDCA)+PEM+BEV、CBDCA+PTX+BEV、CDDP(CBDCA)+PEM、CBDCA+PTX、CBDCA+nab-PTX、CBDCA+S-1

⑤CBDCA+PEM、CBDCA+PTX、CBDCA+nab-PTX、CBDCA+S-1より選択。プラチナが投与できそうにない場合はDTX単剤またはPEM単剤。

⑥VNR、S-1より選択。非常に元気な80歳以下の人であればCBDCA+nab-PTX、CBDCA+PTX、CBDCA+S-1も検討する。

⑦DTX投与可能ならDTX単剤。DTX投与不可ならPEM単剤。PD-L1>50%ならICI単剤。非常に元気な80歳以下の人であればCBDCA+PEM±Pembro、CBDCA+PTX±Atezo、CBDCA+nab-PTX±Atezoも検討する。

⑧DTX投与可能ならDTX単剤。DTX投与不可ならPEM単剤。非常に元気な80歳以下の人であればイピリブマブ+ニボルマブ、CBDCA+PEM、CBDCA+PTX、CBDCA+nab-PTX、CBDCA+S-1も検討する。

⑨DTX投与可能ならDTX単剤。DTX投与不可ならPEM単剤。

 

腺癌, EGFR mutation陽性 1次治療

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腺癌, mutation陰性 1次治療より選択

②オシメルチニブ

③ゲフィチニブ(PS2ならエルロチニブも可)

④アファチニブもしくはオシメルチニブ

⑤ゲフィチニブ(PS2ならエルロチニブも可)

腺癌, mutation陰性 1次治療より選択

 

腺癌, EGFR mutation陰性 2次治療

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①VNR、S-1、nab-PTXより選択

②PD-L1陽性でPembro単剤、PD-L1陰性でNivo単剤、Atezo単剤、DTX±RAM。

③DTX投与可能ならDTX単剤。DTX投与不可ならPEM単剤。その他、VNR、S-1、nab-PTX、GEM、AMRなど。

④VNR、S-1、nab-PTXより選択

⑤DTX投与可能ならDTX単剤。DTX投与不可ならPEM単剤。その他、VNR、S-1、nab-PTX、GEM、AMRなど。

⑥DTX±RAM

⑦DTX投与可能ならDTX単剤。DTX投与不可ならPEM単剤。その他、VNR、S-1、nab-PTX、GEM、AMRなど。

⑧DTX投与可能ならDTX単剤。DTX投与不可ならPEM単剤。その他、VNR、S-1、nab-PTX、GEM、AMRなど。

 

腺癌, EGFR mutation陽性 2次治療

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腺癌, mutation陽性 1次治療より選択

腺癌, mutation陰性 1次治療より選択

③オシメルチニブ

腺癌, mutation陰性 1次治療より選択

腺癌, mutation陰性 1次治療より選択

 

扁平上皮癌 1次治療

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①CBDCA+nab-PTX、CBDCA+PTX、CBDCA+S-1より選択。

②CBDCA+nab-PTX、CBDCA+PTX、CBDCA+S-1より選択。プラチナが投与できそうにない場合はVNR、S-1より選択。

③CBDCA+PTX+Pembro、CBDCA+PTX+Atezo、CBDCA+nab-PTX+Atezoより選択。

ICIを併用しない場合はCBDCA+S-1、CDGP+PTX、CDDP+GEMより選択。

④CBDCA+PTX+Pembro、CBDCA+PTX+Atezo、CBDCA+nab-PTX+Atezoより選択。ICIを併用しない場合はCBDCA+S-1、CDGP+PTX、CDDP+GEMより選択。

⑤CBDCA+PTX、CBDCA+nab-PTX、CBDCA+S-1より選択。プラチナが投与できそうにない場合はDTX単剤、VNR、S-1等から選択。

⑥VNR、S-1より選択。非常に元気な80歳以下の人であればCBDCA+nab-PTX、CBDCA+PTX、CBDCA+S-1も検討する。

⑦DTX投与可能ならDTX単剤。PD-L1>50%ならICI単剤。非常に元気な80歳以下の人であればCBDCA+PTX±Pembro、CBDCA+PTX±Atezo、CBDCA+nab-PTX±Atezo。

⑧DTX投与可能ならDTX単剤。非常に元気な80歳以下の人であればCBDCA+nab-PTX、CBDCA+PTX、CBDCA+S-1も検討する。

⑨DTX投与可能ならDTX単剤。難しい場合はVNR、S-1から選択。

 

扁平上皮癌 2次治療

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①VNR、S-1、nab-PTXより選択

②PD-L1陽性でPembro単剤、PD-L1陰性でNivo単剤、Atezo単剤、DTX±RAM。

③DTX投与可能ならDTX単剤。DTX投与不可ならVNR、S-1、nab-PTX、GEM、AMRなど。

④VNR、S-1、nab-PTXより選択

⑤DTX投与可能ならDTX単剤。DTX投与不可ならVNR、S-1、nab-PTX、GEM、AMRなど。

⑥DTX±RAM

⑦DTX投与可能ならDTX単剤。DTX投与不可ならVNR、S-1、nab-PTX、GEM、AMRなど。

⑧DTX投与可能ならDTX単剤。DTX投与不可ならVNR、S-1、nab-PTX、GEM、AMRなど。

 

小細胞癌 1次治療

①CDDP(CBDCA)+ETP

②CBDCA+ETP+AtezolizumabまたはCBDCA+ETP+durvalmab

③CBDCA+ETP

④CBDCA+ETP、split PE

⑤CBDCA+ETP、CBDCA+CPT-11、split PE、非常に元気な80歳以下の人であればCBDCA+ETP+Atezolizumab、CBDCA+ETP+durvalmabも検討。

⑥CBDCA+ETP、split PE

⑦CBDCA+ETP、split PE

⑧CBDCA+ETP、CBDCA+CPT-11、split PE

 

小細胞癌 2次治療

■Sensitive relapseの場合(初回治療終了後から再発までの期間が60~90日以上)

NGT単剤 or AMR単剤を使用する。ETPを使用していない場合はCBDCA+ETPも可。

■Refractory relapseの場合(初回治療終了後から再発までの期間が60~90日以内)

AMR単剤を使用する。

間質性肺炎のある患者の場合

NGT単剤を使用する。

 

小細胞癌 3次治療以降

間質性肺炎なし

イリノテカン単剤、AMR単剤、NGT単剤、nab-PTX単剤などから選択する。

MSI-Highが陽性の場合はICIを使用検討。

間質性肺炎あり

NGT単剤、nab-PTX単剤などから選択する。

 

同時化学放射線療法(CCRT)

追記します

 

HAV criteria

以下の基準を全て満たす間質性肺炎にはICI使用を検討する

・蜂巣肺なし

・自己抗体が陰性

・%VCが80%以上で拘束性障害がない

 

レジメン毎のチェックリスト

追記します

 

 

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