一般的な術前評価
- 一秒量<1000ml、%VC 50%未満、%DLCO<50%、H-J Ⅲ度以上ではハイリスク(術後抜管困難になる可能性や合併症の増加)
- 一秒量が800ml未満もしくはFEV1.0が600ml/m2未満の場合は抜管困難になるリスクが非常に高く、手術は原則お勧めできない。
- 禁煙指導:禁煙は1か月以上の禁煙が望ましい。(最低でも2週間は禁煙)
コンサルテーションの返信例
一秒率が800~1000ml以下の人、%VC<50%、%DLCO<50%の人
~様は~のように呼吸機能の低下があり、術中の酸素化低下によるトラブルや抜管困難のリスクは非常に高いと考えます。本人・御家族様にリスクを十分に説明し、麻酔科とも相談の上で、手術を行うかどうかを御検討ください。
一秒率が1000~1200ml程度の人(%VCや%DLCOは50%以上の人)
~様は~のように呼吸機能の低下があります。手術は可能と考えますが、手術による肺炎や気道トラブルが起こった場合には抜管困難になる可能性があり、同年代の健常者と比べるとややリスクは高いと考えます。
呼吸機能ができない人や寝たきりの患者の評価方法について
✅肺に病変がないかを必ず確認する
✅歩けるならH-Jの分類を評価する(Ⅲ度以上ではハイリスクと考える)
✅歩けるなら労作時の酸素化低下を確認(労作時SPO2<90%はハイリスクと考える)
✅血ガスを評価する(pO2<60未満、pCO2貯留はハイリスクと考える)
- 正確な評価はできないが、同年代の人と比べると抜管困難や術後肺炎などのリスクがやや高い。リスクを説明の上で手術を御検討ください。と必ず説明する!
抗酸菌感染症が否定できない場合の術前評価・対応について
緊急手術が必要な場合
- 抗酸菌が非常に疑わしい場合には感染制御部に相談の上でN95マスク対応で手術を検討する。
抗酸菌の可能性は低いと思う場合
- 3連痰塗沫・培養を施行し、塗抹陰性であればOK。
可能ならIGRAまで確認したほうが無難
- 塗抹陽性であればPCRを確認する。結核菌PCR陰性であればOK。
陳旧性が疑わしい場合
活動性結核がかなり疑わしい場合
- 3連痰塗沫・培養とIGRA提出する。
- 塗抹陽性であればPCRを確認する。結核菌PCR陰性であればOK。
- IGRA陽性・塗抹陰性であれば術前に気管支鏡検査まで検討する。
術前に気管支鏡検査ができない場合は感染制御部に相談の上で、N95マスク対応で手術を検討する。
結核が陽性となってしまったら
- 基本的には手術を延期して結核の治療を優先
- 手術延期が望ましくない場合は感染制御部に相談の上で、N95マスク対応で手術を検討する。
- 一秒量が1.5L以下、COPDのⅢ期以上の人は治療強化を行う。
- 一秒量<1000ml、%VC 50%未満、%DLCO<50%、H-J Ⅲ度以上ではハイリスク(術後抜管困難になる可能性や合併症の増加)
- 一秒量が800ml未満もしくはFEV1.0が600ml/m2未満の場合は抜管困難になるリスクが非常に高く、手術は原則お勧めできない。
- 禁煙指導:禁煙は1か月以上の禁煙が望ましい。(最低でも2週間は禁煙)
- 禁煙指導:禁煙は1か月以上の禁煙が望ましい。(最低でも2週間は禁煙)
- 気管支喘息の無治療患者は、現在コントロール良好であったとしても吸入ステロイドを開始する。(短期間であっても使用したほうが良い)
- 症状コントロール良好であれば、リスクを説明した上で手術可能と判断する。
コントロール良好であっても、一秒率が70%以下の場合は吸入薬を術前のみステップアップする。
- 症状コントロール不十分・不良の場合(一秒率が自己ベストの80%未満)は、治療をステップアップするとともに、PSL 0.5mg/kg内服(ステロイドバースト)を3~7日間を使用してもよい。
- 術前の1~2週間は発作や感染症がないことを確認する。
- 術前6か月以内に全身ステロイドを使用した患者は、術前24時間にソルコーテフ100mgを8時間毎、術中にソルコーテフを100mgを8時間毎に投与する。術後24時間以内にoffへ。
追記します。
肺外科の術前評価
追記します。
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