とある内科医の病棟マニュアル

とある内科医の病棟マニュアル

呼吸器内科医が日常診療の考え方を綴る備忘録

ICのテンプレート

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ICのルーチンチェックリスト

入院時ICチェックリスト

 

経過のICチェックリスト

 

退院時ICチェックリスト

 

同意書の取得の手順

 

DNARのICのテンプレ

①「現在の病気が進行した場合」は急変の可能性があります。また原因不明で予期せぬ急変もありえます。急変時の対応についてお話しておく必要があります。具体的には心停止時に心臓マッサージ、呼吸が悪くなったときに挿管・人工呼吸器をするかどうかについてです。(世間では延命治療とも言われています)
②ただし年齢や基礎疾患を考えると、これらの処置はあまりお勧めできません。

理由は2つあります。
1.これらの処置は本人への負担が非常に大きい処置であり、かつ高齢者や重症な基礎疾患を持つ患者さんにとって合併症(デメリット)も多いからです。

心臓マッサージは体に強い侵襲を加える処置であり、肋骨骨折や肺挫傷などの合併症が起こったり、すぐに回復できなければ意識が戻らなくなります(低酸素脳症)。

気管挿管も苦痛を伴うため、鎮静薬・鎮痛薬を使用して昏睡状態にさせる必要があります。圧をかけるので、気胸や肺炎(VAP)を起こしたり、回復に時間がかかると寝たきり・人工呼吸器が外せなくなる(人工呼吸器に依存/遷延性意識障害による呼吸停止)など、逆に人工呼吸器管理が状態を悪化させることにつながることもあります。(人工呼吸器をせずに粘った方が結果的に良い場合もしばしばある)
俗にいう「延命治療・植物状態」になりやすい。

2.これらの処置を行って多くの人が助かれば良いのですが、実際はほとんどの人が亡くなります。例えば、気道確保とAEDでその場で対処できるもの(窒息やもともと不整脈持ちの患者など)については助かる可能性もあります。しかし、その他の原因で心停止となった場合は、もしも仮に短期間延命できたとしたとしても、そこから心肺停止の根本的な原因を解決できないことがほとんどです。(現実問題として心肺停止となった高齢者や基礎疾患のある患者にできる処置には限界があり、心停止の原因を治療することが困難な場合が多い。⇒人工心肺や手術などが困難なので)

③救命処置中にそのまま亡くなって死に目にお会いすることができなくなったり、最後の大切な時間を家族と穏やかに過ごせなくなったりします。
以上の理由から医学的にはお勧めできないと考えています。

 

リハビリ転院のICのテンプレ

①病状が安定しましたが、自宅退院は難しい状態です(病状不安定、ADL低下など)。

②リハビリ転院が必要と考えています。急性期病院には病状が不安定な患者様が他にも沢山いるため、リハビリに重きを置いたケアに十分な時間を充てることができません。そのため、リハビリ目的の転院が患者様にとって良いと考えます。
(積極的な治療が終了したら、転院が必要になります。病院にはそれぞれ役割・適応があります。積極的な治療が終了したら、他の患者様のためにベッドを譲っていただく必要があります。他の患者様の治療機会を奪うことになるため転院が必要です)

③リハビリ転院の期間は2~3ヶ月程度です。その期間、短期集中でリハビリを行い、自宅退院を目指すことになります。2~3ヶ月を超えてリハビリをしても、回復が少ないため、逆に短期集中のリハビリが患者様の負担になってしまいます。

④自宅退院を目指しますが、難しい場合は施設退院や療養型病院への転院が必要になります。

必要に応じて以下を追加説明

⑤今からお話することは、転院する患者様皆様に説明している注意事項ですが、説明させていただきます。(これを説明していないと転院先の先生が困る可能性があるのでお話します。)

⑥リハビリの効果には個人差があるため、必ず上手くいくとは限りません。上手くいかない場合は自宅退院ができない可能性があります。

⑦また高齢・基礎疾患もあるため、転院先で全身状態が悪くなる可能性もあります。

⑧そういった場合には、急性期病院での治療が妥当であれば、勿論、急性期病院への転院が適応になりますが、希望したからといって、すべての患者様が転院できるわけではありません。(例えば肺炎を起こしたとか、食事が摂れない、リハビリが進まないなど、他の病院でも対応できるものについては、その病院で対応していただきます。転院してもやれることは基本的に違いはありませんし、他の患者様の治療機会を奪うことにもなるため、転院はできません。)

⑨また非常に状態が不安定な状態となった場合には、転院搬送自体がリスクを伴う場合もあり、その場合は転院が困難になる場合もあります。

 

療養型病院への転院のICのテンプレ

①自宅退院は非常に困難な状態です。

②自宅や施設での管理は難しく、療養型病院での経過観察が望ましいと考えます。

(積極的な治療が終了したら、転院が必要になります。病院にはそれぞれ役割・適応があります。積極的な治療が終了したら、他の患者様のためにベッドを譲っていただく必要があります。他の患者様の治療機会を奪うことになるため転院が必要です)

③状態もそこまで良い状態ではなく、今後も繰り返す可能性が高い状態であるため、再度悪化した場合に対応していただけるように療養型病院への転院が望ましいと考えています。

(現在の状態では短期集中のリハビリも本人の身体的・精神的苦痛となると考えますので、リハビリ転院は現実的ではないと思います)

必要に応じて以下を追加説明

④今からお話することは、転院する患者様皆様に説明している注意事項ですが、説明させていただきます。(これを説明していないと転院先の先生が困る可能性があるのでお話します。)

DNARのIC

⑥高齢・基礎疾患もあるため、転院先で全身状態が悪くなる可能性があります。

⑦現在の状態から短期間で再燃するような場合には、残念ながら医療の限界の可能性が非常に高いと考えています。そのような状態では、病院に転院搬送すること自体もリスクになりえますし、転院してたくさん検査したり、管を入れたりすることが、本人にとって大きな負担になると考えます。状態悪化時は転院先で可能な範囲内で行うのが望ましいと考えています。

 

老衰・誤嚥性肺炎のターミナルのICのテンプレ

こちらを参照

 

 

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