とある内科医の病棟マニュアル

とある内科医の病棟マニュアル

呼吸器内科医が日常診療の考え方を綴る備忘録

低血糖

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フローチャート

※薬剤性の原因:血糖降下薬、インスリン免疫チェックポイント阻害薬(irAE)
、ペンタミジン、β2作動薬、ジソピラミド、アルコールなど

 

検査

低血糖の補正(下記参照)、低血糖時指示入力

食事摂取量の確認

インスリンや血糖降下薬の中止

✅その他の低血糖を起こす薬剤の中止・変更(Ⅰa群抗不整脈薬、ACE、ARB、β-blocker、フルオロキノロン系、ST合剤、ペンタミジンなど)

✅以下の採血を行う(低血糖時の採血で評価する

採血:炎症反応(感染症の評価)、プロカルシトニン(敗血症の有無)、好酸球電解質(副腎不全)、肝機能(グリコーゲン低下による糖新生阻害)、腎機能(インスリン代謝低下)、HbA1c(現在の血糖管理が適切かどうか)、ACTH、コルチゾール(±Rapid ACTH)、FT4、TSH、血清CPR、血中インスリン値。必要なら抗インスリン抗体や抗インスリン受容体抗体。

✅鑑別が分からない場合、負荷試験のやり方が分からない場合 ⇒ 糖尿病内科、内分泌内科コンサルト

✅全身CT、血液培養、その他の各種培養(熱源の評価)

✅インスリノーマやIGF-Ⅱ産生腫瘍等の評価:腹部エコー、造影CT

✅相対的インスリン過剰がないか?(胃切除後のダンピング症候群、大量飲酒、運動後など)

irAE下垂体前葉機能低下症が疑われる場合 ⇒ 内分泌内科コンサルト頭部造影MRI、その他のホルモン(ソマトメジンC、LH、FSH、プロラクチン、テストステロン)、各種負荷試験

 

治療

🚩無症状であっても血糖値70mg/dl以下は治療対象とする。

🚩基本的には院内の低血糖マニュアルに従う

経口摂取可能な場合

ブドウ糖 5~10gを内服する。

✅低栄養やアルコール多飲がある場合はビタミンB1の補充も合わせて行う。

✅10~15分後に血糖再検。

 

意識レベル低下、経口摂取困難な場合

✅20%ブドウ糖40mlもしくは50%ブドウ糖液20mlを静注。
⇒ その後、5%Tzの点滴を開始する。

✅低栄養やアルコール多飲がある場合はビタミンB1の補充も合わせて行う。

✅10~15分後に血糖再検。

✅点滴が取れない場合はグルカゴン1mgを筋注する。
*グルカゴン注射は、数分後に嘔気が出やすいので注意。

 

 

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