とある内科医の病棟マニュアル

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呼吸器内科医が日常診療の考え方を綴る備忘録

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麻痺・脱力

 

 

鑑別

脊髄病変・末梢性病変:運動障害+感覚障害

神経筋接合部疾患・筋疾患・運動ニューロン疾患:純粋運動障害

片側性

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両側性

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検査

脳梗塞疑いの場合は下記の脳梗塞の初期対応まとめを参照。

神経内科/整形外科コンサルト

・採血4本(血算、生化、血糖、凝固)、電解質(K、Mg、Ca)

・薬剤歴の確認 ⇒ 被疑薬の変更・中止。

突然発症片側性の脱力は頭部CT頭部MRI

突然発症両側性の脱力であれば頭部+脊髄CT脊髄MRI(単純/造影)

・神経根症状を疑う場合は脊椎X線(前屈位・後屈位)と脊髄MRI⇒整形外科コンサルト

・末梢神経障害を疑う場合は神経伝導速度検査(NCS)、体性感覚誘発電位(SEP)

多発性硬化症や脊髄炎などの脊髄病変を疑う場合は脊髄造影MRI ⇒ 2次性の評価目的でESR、CK、ビタミンB12葉酸、TSH、FT4、免疫グロブリン、ウイルス感染の除外(HIV、B肝・C肝、CMV、EBVなど)、抗核抗体、RF、抗CCP抗体、SS-A、SS-B、MPO-ANCA、PR3-ANCA、ACE、抗カルジオリピン抗体、カルジオリピンβ2グリコプロテイン、ループスアンチコアグラント、抗アクアポリン4抗体、ルンバール(オリゴクローナルバンド)

・多発単神経障害を疑う場合は抗核抗体、免疫グロブリン、RF、抗CCP抗体、SS-A、SS-B、MPO-ANCA、PR3-ANCA、赤沈、クリオグロブリン、ACE、可溶性IL-2Rなど

・多発神経障害を疑う場合はHbA1cビタミンB1/6/12、葉酸、TSH、FT4、免疫グロブリン、血清M蛋白の評価(血清蛋白分画 ⇒ Mピーク)、尿中蛋白免疫電気泳動法(尿中BJ蛋白の評価)、可溶性IL-2R、ルンバール(GBSの評価。蛋白細胞解離)、悪性腫瘍がある場合は傍腫瘍性神経症候群関連抗体を提出する。

・近位筋優位の脱力の場合は筋電図、抗アセチルコリン受容体抗体、胸腺の評価、TSH、FT4。炎症性筋疾患が疑われる場合には炎症性ミオパチーの項を参照。悪性腫瘍が疑われる場合抗VGCC抗体。

・運動ニューロン疾患の評価(ALS等)

 

脳梗塞の初期対応まとめ

フローチャート

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NIHSSスコア

きちんと評価するためには訓練が必要。

評価の仕方はこちらのリンクを参照(分かりやすく解説されています)

 

t-PAの適応

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腰背部痛

 

 

フローチャート

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鑑別

BACK PAINで鑑別

Bone Fracture 骨折
Aortic Disease 大動脈解離、大動脈瘤
Cancer 腫瘍(骨転移、多発性骨髄腫)
Kidney

腎盂腎炎、尿管結石、腎出血、腎梗塞

Pancreatitis 急性膵炎(肝胆膵の疾患の評価)
AMI 急性心筋梗塞

Infection

Inflammation
Infarction

硬膜外膿瘍、化膿性椎体炎、腸腰筋膿瘍

血清反応陰性脊椎炎
腎梗塞、脾梗塞

Neurologic compression 硬膜外膿瘍、椎間板ヘルニア、脊損、馬尾症候群、脊椎カリエス、血腫

 

鑑別の絞り込み!
突発性発症 急性大動脈解離、腹部大動脈瘤破裂、硬膜外血腫
痛みの移動、血圧の左右差 急性大動脈解離
発熱 腎盂腎炎、化膿性椎体炎、硬膜外膿瘍、血清反応陰性椎体炎
CVA tenderness 腎盂腎炎、尿管結石
両下肢麻痺や感覚障害 腰椎ヘルニア、馬尾症候群、化膿性椎体炎、硬膜外血腫
座位で悪化する 腰椎椎間板ヘルニア
立位で悪化する 腰部脊柱管狭窄症
SLRテスト L1-L3神経根症状
FNSTテスト L5-S1神経根症状

 

TUNA FISH

以下がRed Flag sign

Trauma 外傷
Unexplained weight loss 説明のつかない体重減少
Neurologic sign 神経症状(脊髄圧迫や馬尾症状:進行性の下肢筋力低下、麻痺、尿閉、サドル麻痺)
Age 20歳未満、50歳以上
Fever 発熱
Intravenous drug use 静脈注射薬物の使用
Steroid ステロイド免疫抑制剤、(HIV感染の既往)
History of cancer 悪性腫瘍の既往

 

検査

採血4本(凝固、Ca、Amy、CKを入れる)、尿検査・尿培養、腹部エコー(大動脈解離や瘤の評価、水腎症の評価)、腹部CT(単純/造影)、心電図、必要に応じて血液培養。

・大動脈解離、出血、梗塞、膿瘍、急性膵炎が疑われる場合は造影CT

・圧迫骨折が疑われる場合は胸腰椎3方向、CT、腰椎MRI(STIR)。

神経症状がある場合はMRI

(特に運動麻痺、馬尾症状、突然発症、進行性の症状増悪がある場合は緊急MRI。間欠性のものは待機的に検査⇒整形外科コンサルト)

・必要に応じてMRIを施行(椎体炎や腫瘤性病変の評価)

 

対症療法

急性腰痛症

ロキソニン60mg+レバミピド100mg 3錠分3 毎食後

ロキソニンテープ貼付

 

尿管結石

ロキソニン60mg+レバミピド100mg 3錠分3 毎食後

ウロカルン225mg 6錠分3 毎食後

コスパノン40mg 3錠分3 毎食後

★結石性腎盂腎炎は緊急で泌尿器科コンサルト!

 

 

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高Na血症

 

フローチャート

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・中枢性尿崩症

脳腫瘍、脳卒中、下垂体卒中、外傷、脳炎髄膜炎低酸素脳症、自己免疫性(下垂体炎、IgG4関連疾患)、肉芽腫性疾患(ランゲルハンス組織球症、サルコイドーシス)、遺伝性、特発性

・腎性尿崩症

薬剤(デメクロサイクリン、リチウム、シスプラチン、ホスカルネット、アムホテリシンB)、高Ca血症、低K血症、サルコイドーシス、アミロイドーシス、多発性骨髄腫、多発性嚢胞腎、尿管閉塞、妊娠尿崩症、遺伝性

 

検査

体液評価4点セット→体液量の評価

薬剤性高Naがないかどうか確認

尿検査(尿Na、尿K、尿Cl、Cr、BUN)、血清Osm、尿Osm血漿アルドステロン濃度(PAC)、血漿レニン活性(PRA)、早朝のACTH・コルチゾール(起床時・食前に安静30分後に採血)。

 

※尿Cl<20mEq/Lの代謝性アルカローシスは補液で改善(脱水)

 

多尿の鑑別

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治療

★Na>150mEq/Lの場合は補正を行う

5%Tz 500mlで補正を行う。

①不足水分量の評価

不足水分量(L)=推定体内水分量×{(血清Na/140)-1}

※推定体内水分量=体重(kg)×割合(成人男性:60%、成人女性・高齢男性:50%、高齢女性:45%)

②Na補正速度

補正速度は0.5mEq/h(12mEq/日)を超えないようにする。

点滴速度(ml/h)=不足水分量/{2×(血清Na-140)}

 

尿崩症の治療

中枢性尿崩症

デスモプレシン点鼻スプレー1回5~10μg 1日2回より開始

尿量とNa値により適宜調整

腎性尿崩症

原疾患の治療 ⇒ 改善に乏しい場合はサイアザイド利尿剤(フルイトランやニュートライド)

 

 

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嗄声

 

 

鑑別

迷走神経障害、反回神経麻痺

頭頚部手術・胸部手術
挿管後
悪性腫瘍の浸潤
動脈瘤
脳血管障害(上位運動ニューロン障害による「仮性球麻痺」やワレンベルグ症候群などによる「球麻痺」)
多発性神経炎
特発性声帯麻痺
薬剤性 ステロイド沈着
真菌性喉頭炎(吸入ステロイドの影響)
声帯血種(血栓溶解薬、抗血栓薬、PDE-5阻害薬)
化学性喉頭炎(ビスホスホネート)
咳嗽(ACE阻害剤)
粘膜の乾燥(抗コリン薬、利尿剤、抗ヒスタミン薬、シェーグレン)
喉頭ジストニア(抗精神薬)
性ホルモンの産生変化(テストステロンやダナゾール)
その他 急性喉頭炎、急性喉頭蓋炎
アナフィラキシー
ウイルス・細菌・真菌感染症
喉頭痙攣(挿管、誤嚥、GERDなどの刺激による)
喉頭逆流症(LPRD、GERD)
長期喫煙
飲酒
声の酷使
声帯ポリープや腫瘍
甲状腺機能低下症(粘液水腫による浮腫)
サルコイドーシス
アミロイドーシス
神経内科疾患(パーキンソン病、重症筋無力症、多発性硬化症、ALS)
先端肥大症
痙攣性発生障害(特発性の喉頭ジストニア
心因性、筋緊張発声障害

 

検査

・呼吸状態が不安定の場合 ⇒ 気管挿管

咽頭痛が強い場合 ⇒ 「咽頭痛」の項を参照。

ステロイドの吸入をしている場合は吸入剤をエアゾールタイプに変更 or ステロイドの用量を減量 or シクレソニドに変更(肺内で活性代謝物に変換)。

・その他の原因となる薬剤の確認・変更を考慮。

・喫煙や飲酒を控える。

喉頭ファイバー耳鼻科紹介、反回神経麻痺や声帯、真菌性喉頭炎の評価)+頭部・頸部・胸部のCT(反回神経の評価と頭部占拠性病変の評価)。

・脳血管障害が疑わしい場合は頭部MRIまで施行。

・呑酸症状がある場合は上部消化管内視鏡

神経内科疾患が疑わしい場合は神経内科コンサルト。

・原因が分からない場合は精神科/心療内科コンサルトも検討。

 

 

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汎血球減少

 

 

フローチャート

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鑑別疾患

血液疾患(白血病悪性リンパ腫、PNH、MDS、再生不良性貧血など)、薬剤性(多い)、重症感染症(DIC)、血球貪食症候群(腫瘍関連、感染症関連、自己免疫性、薬剤関連性など)、化学療法(治療関連MDSも含む)、自己免疫疾患(SLE、シェーグレン、Felty症候群)、骨髄癌腫症、ビタミンB12欠乏(悪性貧血)、葉酸欠乏、銅欠乏症、アルコール中毒、サルコイドーシス、抗酸菌症(粟粒結核など)、脾機能亢進(肝硬変、特発性門脈圧亢進症)、リンパ増殖性疾患(キャッスルマン、TAFROなど)。

薬剤性

抗菌薬(バンコマイシン、リネゾリド、デノシン、テトラサイクリン、ST合剤、リファンピシン、フルシトシン、クロラムフェニコール)、消化性潰瘍治療薬(PPI、シメチジン、ラニチジン)、NSAIDS、抗甲状腺薬(プロピルチオウラシル、チアマゾール)、抗痙攣薬(カルバマゼピン、ヒダントイン系など)、抗精神薬(リチウム、クロルプロマジンなど)、アロプリノール、アセタゾラミド、抗リウマチ薬メトトレキサー、ぺニシラミン)など。

 

最初の検査

重症感染症や血液疾患を念頭に置きながら精査していく。

血液内科コンサルト ⇒ 骨髄穿刺を検討

・特に血小板の著名な減少を認めた場合はDIC、TTP、HUSの鑑別を行う。

被疑薬の中止・変更、一般採血(目視)、Ret(造血能を見る)、凝固(DICの評価)、血沈、Fe、TIBC、フェリチン、血液培養(重症感染症の鑑別)、全身CT(重症感染症の評価、悪性腫瘍、肝脾腫、リンパ節などの評価)、尿定性・沈査(溶血でヘモグロビン尿)、IgG/A/M、ビタミンB12葉酸、各種ウイルスの検査(IgM-VCA抗体、IgG-VCA抗体、EBNA抗体、C7-HRP、HBs、HCV抗体、パルボウイルスB19-IgM)、可溶性IL-2R、必要に応じて膠原病の評価(下記参照)、骨髄穿刺など

 

追加検査

膠原病の評価(抗核抗体、補体、RF、ds-DNA抗体、SSA、SSB、抗CCP抗体)⇒ 膠原病内科コンサルト、ACE、リゾチーム、QFT、抗MAC抗体、溶血が疑われる場合はハプトグロビン。

リンパ増殖性疾患の検査(血小板減少の項を参照)

 

 

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感染症の検査と臨床判断

 

 

プロカルシトニン

*そこまで感度が高い検査ではないので、陰性だからといって安易に抗菌薬不使用を選択するのは危険。

★個人的には検査前確率が低い状況で0.15ng/ml以下の場合は細菌感染症は否定的と考えている。

0.5未満では敗血症は否定的だが局所の細菌感染症の可能性がある。

0.5以上で敗血症の可能性あり

2.0以上で敗血症の可能性が高い

 

肺炎球菌抗原

肺炎に対する感度は70%~80%程度。抗菌薬投与後でも陽性所見が得られる。

1回陽性になったら、数週間は陽性になる

→高齢者で何回も肺炎になっているような人には解釈に注意が必要。若者の場合は臨床診断として良い。

 

レジオネラ抗原

感度・特異度ともに90%以上。

通常の尿中抗原では血清型1型しか陽性にならない。

「リボテスト レジオネラ」であれば1型~15型を検出できる。

レジオネラ肺炎の予測因子

・体温>39.4度

・喀痰がない

・血清ナトリウム<133mEq/L

LDH>255IU/L

CRP>18.7mg/dL

・血小板<17.1万

それぞれを1点として合計点を計算。

0~1点:レジオネラ肺炎の確率3%、4点以上:レジオネラ肺炎の確率66%

 

マイコプラズマ迅速抗原

インフルエンザ抗原と同じで陽性であれば確定として良い。ただし感度が低い。

臨床診断にはペア血清とLAMP法を提出する方がBetter。

 

CDチェック

CDチェックの解釈を参照。

陰性化チェックの意味はなし。

 

β-Dグルカン

著明高値であればPCP、アスペルギルス、カンジダなどによる深在性真菌感染症を疑う!

単に高値だけで経験的治療をすることはほとんどない。

クリプトコッカスとムーコルは陰性になる。

 

PCP肺炎を疑う場合

ファンギテックで23.2、ワコーで31.1以上なら特異度高い。

PCP肺炎疑いでβ-Dグルカンがカットオフ以上であれば治療を開始する。

可能なら気管支鏡施行が望ましい。

気管支鏡ができないのであれば誘発喀痰の鏡検・PCRを提出。(但し、喀痰PCRはコロナイゼーションも多いため注意)

アスペルギルス症を疑う場合

IPAを疑う場合ではラクトマンナン抗原の方が感度・特異度共に高い。

IPA予後不良であるため、疑わしい所見があれば早期に経験的治療を行う

慢性肺アスペルギルスの症例では上昇しにくいため、20をカットオフとしても特異度はかなり高い。ただし感度がものすごく低い。(そのためCPPAの可能性がある画像の場合はβ-Dグルカン10程度でも積極的に疑って精査、もしくはβ-Dグルカンのフォローアップが必要となる。)

カンジダ菌血症

30以上(MK法)で感度90%以上、カンジダスコア2.5点未満で陰性的中率98%

→「抗菌薬不応の好中球減少時の発熱」「ICUなどの重篤な患者」の場合はβ-Dグルカンとカンジダスコアを参考にエンピリック治療も考慮する!(重症例では複数箇所のカンジダ定着で治療に踏み切る場合もある)

→4~5日投与してマーカー低下したら中止 or 治療効果がない場合に中止を検討する。エンピリック治療はミカファンギン。(IDSAの真菌感染症ガイドラインより)

カンジダスコア

中心静脈栄養(1点)、手術(1点)、複数部位のカンジダ定着(1点)、重症敗血症(2点)

合計点2.5点以上を陽性とする。

β-Dグルカンが偽陽性となるもの

偽陽性が疑わしければ再検を検討

セルロース素材の透析膜を用いた血液透析
血液製剤アルブミン製剤・グロブリン製剤)
環境中のβ-Dグルカンによる汚染
β-Dグルカン含有の抗悪性腫瘍製剤(レンチナン、シゾフィランなど)
高度溶血
高γグロブリン血症、多発性骨髄腫
Alcaligenes faecalisによる敗血症
タゾバクタム/ピペラシリン投与
アモキシシリン/クラブラン酸の投与
ビフィドバクテリウム属の腸管内定着
ガーゼの使用
アガリクスなどのキノコ類摂取

 

クリプトコッカス抗原

陽性であれば臨床診断と考えてよいレベルの検査(偽陽性が少ない)

感染臓器が肺のみの場合は感度が約60%まで低下。とくに15mm未満の病変で偽陰性になりやすい。

逆に抗原陽性の場合は播種性クリプトコッカスを考慮しないといけない。

(通常、クリプトコッカスの診断がついた場合は血培と髄液検査必須)

トリコスポロン症でも陽性となる。

※薬剤感受性を調べたいので、培養や組織培養は可能な範囲内で採取すべき。

 

アスペルギルス抗原

1.5以上は1回陽性でも特異度90%程度。

0.5以上なら2回陽性で特異度80%程度。

ただしCPPAやSPAでは感度が低い(組織侵襲が少ないため)ため、診断には喀痰検査や気管支鏡が必要。

IPAには有用であり、疑わしい場合には経験的治療に踏み切る。

画像や喀痰培養・細胞診、気管支鏡の結果より総合的に判断するべき。

 

アスペルギルス沈降抗体

慢性肺アスペルギルス症の血清診断の中では一番信頼性が高い。

保険適応ではないため、患者さんの自己負担となる。

陽性であれば画像と併せてCPPAの臨床診断としても良いが、基本的には喀痰や気管支鏡での検体採取が望ましい。

IPAではアスペルギルス抗体は陰性になることが多い。

 

カンジダ抗原

侵襲性カンジダ感染症カンジダ血症などの深在性カンジダ感染症に使用する。

感度がかなり低いため、あくまで補助診断扱い。

特異度は高いため、陽性であれば深在性カンジダ感染症の可能性は高い。

ただしカンジテックは特異度も低いため、解釈に注意が必要。

(ユニメディかプラテリアが推奨される)

バラシクロビルやアシクロビルなどの抗ウイルス薬で偽陽性になるかも。

血液培養も感度不十分であるため、疑う場合は血液培養を繰り返し採取を行う。

★血液培養は1セットでも陽性なら治療が必要!

 

C7-HRP

10/50000以上で先制治療。

免疫不全のある人であれば2/50000以上で先制治療。

 

MAC抗体

アビウムとイントラセルラーの感度・特異度は比較的高い。

カットオフ0.7で感度86%・特異度100%となる。

気管支鏡が難しい人などは、これをもって臨床診断として良いかもしれない。

※薬剤感受性を調べたいので、培養や組織培養が可能な範囲内で採取すべき。

迅速発育菌で偽陽性になるため注意

※迅速発育菌:ABC for rapid(AB:abscessus、C:chelonae、for:fortuitum)

 

QFTとT-SPOT

QFTは感度89%、特異度98%。

陽性であれば現在の感染もしくは既往感染あり。

M.kansasiiでも陽性になるので注意。

免疫不全患者や高齢者では陰性化することがあるので注意が必要。

また小児では偽陰性になりやすいので、小児ではツベルクリン反応を使用する。

 

血液培養

・1セットでも陽性と考えたほうが良い菌:黄色ブドウ球菌、肺炎球菌、溶連菌、グラム陰性桿菌全般、バクテロイデス、真菌

コンタミネーションの可能性が高い菌:CNS、バチルス、コリネバクテリウム、プロピオニバクテリウム、クロストリジウム・パーフリンジェンスなど。

・グラム陽性球菌の菌血症では感染性心内膜炎の評価を行う。

・基本的には1セットのみの培養陽性や培養陽性までの期間が48時間以上を要した場合はコンタミネーションを考える。

 

 

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食欲不振、体重減少

 

 

鑑別

ABCDEF TRIPSで鑑別!!

Abdominal
Anemia
慢性胃炎、消化性潰瘍、機能性ディスペプシア、炎症性腸疾患、イレウス、便秘、GERD、食道カンジダ放射線性食道炎・宿酔など
貧血
Brain 脳出血(慢性硬膜下血種)、脳梗塞、脳腫瘍、癌性髄膜症、パーキンソン病
Cardio うっ血性心不全心筋梗塞
Drug  
Electrolyte
Endocrine
低Na、高Ca、Zn欠乏、Fe欠乏、ビタミンB1・B2・B12欠乏
甲状腺クリーゼ、甲状腺機能低下症、副腎不全、DKA、HHS、副甲状腺機能亢進症
Frail

低栄養や運動器障害(身体的フレイル)、うつや認知症(精神・心理的フレイル)

特に入院きっかけで顕在化することが多い

Tumor 悪性腫瘍による炎症、カヘキシアなど
Respirarion COPD、IP、肺高血圧症
Infection
Inflammation
感染症(重症感染症副鼻腔炎による味覚障害
膠原病、炎症性腸疾患
Psychiatry 神経性食思不振症、うつ病統合失調症認知症
Swallowing disturbance

加齢に伴う嚥下機能低下、反回神経麻痺、脳梗塞脳出血による嚥下障害、脳腫瘤や椎体亜脱臼などによるBasiler compression、頸部の腫瘤や通過障害(腫瘤、アカラシア、骨棘や前縦靭帯骨化症の突出・DISH、咽頭カンジダ、食道カンジダ口内炎、パーキンソン症状による嚥下障害、シェーグレン症候群による唾液減少など

 

原因となる薬剤

嘔気・嘔吐・食欲不振 化学療法、アマンタジン、抗生剤、ビスホスホネート製剤、ジゴキシン、テオフィリン、SSRI、メトホルミンやαグルコシダーゼ阻害剤
嚥下障害 ビスホスホネート製剤、鉄剤、カリウム製剤、ドキシサイクリン
味覚・嗅覚障害 アロプリノール、ACE阻害剤、抗コリン薬、抗ヒスタミン薬、カルシウム拮抗薬、レボドパ、スピロノラクトン、プロプラノロール
ドライマウス 抗コリン薬、抗ヒスタミン薬、利尿剤、クロニジン

 

検査

超高齢者の食欲不振

入院きっかけで食べなくなった

低栄養で元気がない

フレイル

などの自然なADL低下で食事が食べられなくなる場合はしばしばある。

 

食欲不振の原因精査

炎症性疾患がありそうな場合は不明熱の鑑別(発熱・炎症反応上昇を参照)

腹部レントゲン・全身CT(頭部~骨盤)(→器質的疾患の精査)、採血、電解質(Na、K、Ca)、Zn、Fe、ビタミン、肝腎機能、TSH、FT4、ACTH、コルチゾール便潜血

消化管内視鏡検査も積極的に検討する。

薬剤の確認と原因がありそうなら中止・減量を検討。

口内炎により食べられない場合は口内炎治療と歯科受診。

心不全が疑わしい場合

BNP、心電図、胸部X線写真、心エコー。

◆悪性腫瘍が疑わしい場合

全身CT⇒分からない場合はPET-CTまで考慮。

◆嚥下機能低下が疑われる場合

嚥下リハによる評価、頭部~胸部CT(嚥下障害の器質的原因の精査、反回神経麻痺の原因精査)、耳鼻科ファイバー(反回神経麻痺の評価)、VE/VF

食事形態の変更・トロミ付けなど

◆それでも原因不明の場合

精神科/心療内科コンサルト

 

対症療法

六君子湯補中益気湯十全大補湯など。3包分3 毎食前。

ガスモチン 3錠分3 毎食後(胃腸の動きを促進)

半夏厚朴湯 3包分3 毎食前(のどのつかえ感、異物感に)

ドグマチール 3錠分3 毎食後(割と良く効くが錐体外路症状に注意) 

 

悪性腫瘍による食欲不振の場合は以下も使用する

ステロイド

ベタメタゾンを0.5~1.0mg/日で開始。有効な投与量まで4.0mg/日まで増量する。

PPI、ST合剤

(効果が持続しないため、予後1~2ヶ月の患者に使用する。)

エドルミズ

エドルミズ100mgを1日1回 空腹時内服

<適応>

適応疾患:非小細胞肺癌、胃癌、膵癌、大腸癌におけるがん悪液質

6か月以内に5%以上の体重減少と食欲不振があり、かつ以下の①~③のうち2つ以上を認める患者に使用すること。

疲労または倦怠感

②全身の筋力低下

CRP値0.5mg/dL以上、ヘモグロビン値12g/dL未満またはアルブミン値3.2g/dL未満のいずれか1つ以上

<副作用>

心電図異常、糖尿病増悪、肝機能障害など

 

 

 

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