とある内科医の病棟マニュアル

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呼吸器内科医が日常診療の考え方を綴る備忘録

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非専門医のための2型糖尿病診療(安定期)

 

 

糖尿病の診断基準

f:id:kodomonotsukai:20211122000737p:plain

*糖尿病型

空腹時血糖≧126mg/dl、75gOGTT≧200mg/dl、HbA1c(NGSP)≧6.5%

 

治療開始の目安

  ⇒食事運動療法を2~3ヶ月行い、目標に達しない場合は薬物療法を開始する。

 

コントロール目標

★最低限の目標を超ザックリいうと

若い人は空腹時血糖130以下、食後2時間値180以下

高齢者は空腹時血糖150以下、食後2時間値200以下

合併症予防のためのコントロール目標はHbA1c<7.0

 

若年者のコントロール目標
指標 可/不十分 不良 不可
HbA1c(NGSP) 6.2未満 6.2~6.9 6.9~7.4 7.4~8.4 8.4以上
空腹時血糖 80~110 110~130 130~160 160以上
食後2時間 80~140 140~180 180~220 220以上

 

高齢者(65歳以上)のコントロール目標
患者の状態

治療強化困難な場合の

HbA1cのコントロール目標

インスリン、SU剤、グリニド薬使用あり)

治療強化可能な場合
①認知機能正常かつ②ADL自立 7.5未満 7.0未満
①軽度認知症または②IADL低下 8.0未満 7.0未満

①中等度以上の認知症
または②BADL低下

または③多くの併存症や機能障害あり

8.5未満 8.0未満

HbA1c7.0:空腹時血糖130以下、随時血糖180以下

HbA1c8.0:空腹時血糖150以下、随時血糖200以下

 

初診時の検査項目

★外来患者の場合は以下を提出する

採血、血糖値、体重、BMI、腎機能、HbA1c(腎不全、貧血、ヘモグロビン異常がある場合はグリコアルブミンを測定)、TG、T-Chol、HDL-C、LDL-C、UA、FT4、TSH、尿定性・沈査(蛋白尿が陰性の場合は尿中Albを評価)、血清CPR(空腹時と随時)、血中インスリン値(空腹時測定。インスリン非使用下で測定)、抗GAD抗体、抗IA-2抗体、眼科診察、腹部エコー(膵腫瘍などのチェック)

★入院では以下も追加する

グルカゴン負荷後CPR(6分後)、尿中CPR(24時間蓄尿)、ABI、心エコー、末梢神経障害の検査(腱反射と振動覚)、自律神経のチェック(CV R-R値測定)、眼科診察

 

インスリン分泌能の指標

◆空腹時の血中CPR

0.5ng/ml以下でインスリン依存状態

◆随時の血中CPR

1.0ng/ml以下でインスリン依存状態

◆CPR6

グルカゴン1mg静注6分間後の血中Cペプチド1.0ng/ml未満はインスリン依存状態

◆HOMA-β(空腹時血糖140以下の場合に使用)

(空腹時インスリン値×360)÷(空腹時血糖値-63) 

30%以下でインスリン分泌能低下

◆CPI(空腹時血糖140以上の場合に使用)

(空腹時CPR÷空腹時血糖)×100

0.8未満の場合はインスリン治療適応

1.2以上の場合は食事運動療法薬物療法の適応

 

インスリン抵抗性の指標

◆HOMA-IR

(空腹時インスリン値×空腹時血糖値)÷405

1.6以下が正常、2.5以上でインスリン抵抗性あり。

 

治療ステップ1

若年者かつ腎機能正常の場合

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高齢者または腎機能低下患者の場合

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治療ステップ2

若年者かつ腎機能正常の場合

f:id:kodomonotsukai:20211124202137p:plain

 

高齢者または腎機能低下患者の場合

f:id:kodomonotsukai:20211123201207p:plain

 

治療ステップ3

★基本的には糖尿病内科に

追記します

 

インスリンの導入

急性期の血糖コントロールの項を参照

 

フォローアップのためのルーチン検査

・2ヶ月に1回採血(血糖は随時で検査)

・半年に1回尿検査(尿蛋白陰性の場合は尿Alb)

・年に1回胸部X線写真・心電図(健診で代用可)

・年に1回眼科受診

・年に1回末梢神経障害の検査(腱反射と振動覚)

・1~2年に1回は頸動脈エコーやABI

・がん検診は定期的に受けるように勧める。

 

シックデイルール

①脱水の予防のため、1日1~1.5L程度の水分を摂取する

②ケトン体産生を予防するため、食事は炭水化物メインとする

③1日以上摂取不可能になった場合は速やかに医療機関を受診する

④基礎インスリンは中止しない。Bolusのインスリンは食事量で調節する

⑤血糖降下薬は以下を参考に減量・中止する。

 

  食事量2/3 食事量半量以上 食事量半量以下
ビグアナイド 中止 中止 中止
SGLT-2 中止 中止 中止
GLP-1 中止 中止 中止
αグルコシダーゼ 中止 中止 中止
DPP-4 通常量 中止しても良い 中止
グリニド 通常量 半量内服 中止
SU薬 通常量 半量内服 中止

 

 

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血液ガス分析の解釈

 

 

血ガス分析の解釈の手順

①PHからアシデミアかアルカレミアかを判断する

②呼吸性か代謝性か判断する

③アニオンギャップを計算する

アニオンギャップの正常値:12±2

アルブミン血症がある場合の正常値:{12-(4.0-Alb)×2.5}±2

④アニオンギャップが開大している場合は補正HCO₃⁻を計算する

補正HCO₃⁻が26以上の場合は「代謝性アルカローシス」合併

補正HCO₃⁻が22以下の場合は「AG正常の代謝性アシドーシス」合併

⑤代償性変化が適切か判断する(混合性障害がないか)

正常な代償範囲を超えている場合は混合性障害があると考える。

一次性変化 正常な代償範囲 限界値
代謝性アシドーシス PCO₂:40-1.2×(24-HCO₃⁻) PCO₂=15
代謝性アルカローシス PCO₂:40+0.7×(HCO₃⁻-24) PCO₂=60
急性呼吸性アシドーシス HCO₃⁻:24+0.1×(PCO₂-40) HCO₃⁻=30
慢性呼吸性アシドーシス HCO₃⁻:24+0.4×(PCO₂-40) HCO₃⁻=42
急性呼吸性アルカローシス HCO₃⁻:24-0.2×(40-PCO₂) HCO₃⁻=18
慢性呼吸性アルカローシス HCO₃⁻:24-0.4×(40-PCO₂) HCO₃⁻=12

 

AG開大性代謝性アシドーシス

鑑別疾患

大きく分けて4つの鑑別がある

①乳酸アシドーシス:臓器虚血(造影CTを考慮ショック痙攣発作後ビタミンB1欠乏、薬剤性(アルコール、メトホルミン、サリチル酸アセトアミノフェン、イソニアジド、シアン化合物、鉄剤、ヌクレオシド系逆転写酵素阻害薬など)

ケトアシドーシス:糖尿病性、アルコール性、飢餓

③腎不全(尿毒症)

④薬物性(メタノールエチレングリコールトルエンアスピリン中毒、サリチル酸、シアン化合物、イソニアジド、鉄剤)

 

AG正常代謝性アシドーシス(高Cl性代謝性アシドーシス)

鑑別疾患

HARD-UPと覚える。

下痢と腎不全初期が頻度が高い

H:hyperalimentation(過栄養)

A:アセタゾラミド、アジソン病

R:renal tubular acidosis(尿細管性アシドーシス)、腎不全初期

D:diarrhea(下痢)

U:ureteroenteric fistula(尿管腸瘻)

P:pancreatic fistula(膵液瘻)、parenteral saline(NaCl大量補液)

 

代謝性アルカローシス

尿Clを測定する。

鑑別疾患

・尿Cl<20mEq/Lの場合

有効循環血漿量の減少(脱水)、嘔吐

・尿Cl>20mEq/Lの場合

利尿剤、低K血症(原発性アルドステロン症、偽性アルドステロン症(甘草)、クッシング症候群、腎動脈狭窄症、Bartter症候群、Gitelman症候群、Liddle症候群)

 

呼吸性アシドーシス

鑑別疾患

喘息発作、COPD(急性増悪・末期)、肺水腫、拘束性肺障害、その他重症な肺病変。

 

呼吸性アルカローシス

鑑別疾患

過換気症候群、敗血症の初期、サリチル酸中毒、肝硬変、脳幹病変、妊娠

 

代謝性アシドーシスの補正

PH<7.15またはHCO₃⁻<4mEq/Lの重度代謝性アシドーシスの場合には補正を検討する。

・メイロン7%・・・BE×1/4×体重(ml)を投与 

・メイロン8.4%・・・BE×1/5×体重(ml)を投与

    

 

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高免疫グロブリン血症

 

 

鑑別

多クローン性

慢性炎症性疾患(感染症、慢性肝炎、炎症性腸疾患など他多数)、膠原病、自己免疫疾患、悪性腫瘍、悪性リンパ腫(AITL等)、リンパ増殖性疾患(IgG4、キャッスルマン、TAFRO症候群)など

単クローン性

多発性骨髄腫(正常免疫グロブリン抑制)、MGUS、原発性マクログロブリン血症(IgM上昇+その他減少)、H鎖病(重鎖病)、POEMS症候群、アミロイドーシス(AL型)、システミックキャピラリーリーク症候群、TEMPI症候群など

 

最初の検査

採血4本、目視、TP、Alb、IgG、IgG4、IgA、IgM、蛋白分画

上記を提出の上で

多クローン性の場合・・・血算、生化学、凝固、TP、Alb、T-chol、血沈、尿定性・沈査、抗核抗体、胸腹部CT、QFTを提出。

単クローン性の場合・・・血清FLC、免疫固定法(血液・尿)、尿中BJP、骨髄穿刺

 

多クローン性の場合の追加検査

・肝機能障害を認める場合(IgM HA抗体、HBs抗原、HBc抗体、HCV抗体、VCA-IgM、VCA-IgG、EBNA、抗ミトコンドリア抗体、抗核抗体、抗平滑筋抗体など)

膠原病を疑う場合(抗核抗体、RF、抗CCP抗体、SS-A、SS-B、抗Scl-70抗体、抗ARS抗体、U1-RNP抗体、MPO-ANCA、PR3-ANCA、ACEなど)

・血液疾患を疑う場合、リンパ節腫脹、血算異常などを認める場合(可溶性IL-2R、リンパ節生検、骨髄穿刺、PET-CT)

・リンパ増殖性疾患の検査(免疫グロブリン、IgG4、可溶性IL-2R、RF、抗核抗体、SS-A、SS-B、ANCA、HIV、EBVの検査(VCA-IgM/IgG、EBNA、組織のEBER染色)、血清M蛋白の評価(血清蛋白分画 ⇒ Mピークあれば血清FLC、血液・尿の免疫固定法、尿中BJP、骨髄穿刺)、造影CT、PET-CTやガリウムシンチ ⇒ リンパ節生検や節外病変の生検、IgG4関連疾患疑いなら口唇生検、必要に応じて骨髄穿刺、アミロイドーシスの評価(AL型であれば血清M蛋白の評価、血清遊離軽鎖、尿中BJ蛋白の評価、AA型であればSAA。全身性アミロイドーシスであれば腸管・肝臓・皮膚からの生検。心アミロイドーシスの評価)、キャッスルマン・TAFRO・POEMSを疑う場合⇒血清VEGF、血清IL-6、HHV-8、EBウイルスの検査を提出)

・その他診断がつかない場合(抗HIV抗体、抗HTLV-1抗体、甲状腺機能検査、ガリウムシンチなど)

 

 

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健診異常・生活習慣病の診療

 

 

フォローアップ

まず始めに

健康診断を年に1回必ず受けるように指示

⇒後日、健康診断の結果を持参してもらう。

労働者:一般定期健診(会社の検診)

被扶養者など健診が受けれない人(40歳~74歳):特定検診(メタボ検診)

75歳以上後期高齢者健康診査

 

何等かの理由で健康診断を受けていない人(定期的に医療機関を受診している等)

⇒採血(血算、生化、血糖)、肝腎機能、TG、T-Chol、LDL-C、HDL-C、UAHbA1c、尿検査、血圧測定、心電図、胸部X線写真を年に1回行う。

血糖と中性脂肪の評価には食前採血が必要

 

フォロー間隔

異常なし→年に1回の検診だけで良い!

異常はあるが治療なし→3ヶ月毎にフォロー

異常があり治療必要→治療開始後は安定するまでは1ヶ月毎(又は2か月毎)にフォロー。

安定したら3ヶ月毎にフォロー、採血は3ヶ月~半年毎にフォロー

 

高血圧

リスク評価

f:id:kodomonotsukai:20211114201332p:plain

 

管理目標
  診察室血圧 家庭血圧
75歳未満の成人
脳血管障害
(両側頸動脈狭窄や脳主幹動脈閉塞なし)
冠動脈疾患患者
CKD患者(尿蛋白陽性)
糖尿病患者
血栓薬服薬中
<130/80 <125/75
75歳以上の高齢者
脳血管障害患者
(両側頸動脈狭窄や脳主幹動脈閉塞あり、または未評価)
CKD患者(尿蛋白陰性)
<140/90 <135/85

 

治療開始基準

・血圧手帳を渡して、朝と寝る前の血圧を毎日測定してもらう。

・下記のフローを参考に治療を行う。

※一般的に食事運動療法による降圧効果は5~10mmHg程度であるため、収縮期血圧≧150mmHgの場合も初期から薬物療法を開始するようにしている。

 

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食事運動療法
減塩 6g/日未満
野菜・果物 野菜・果物の積極的摂取
脂質 コレステロール飽和脂肪酸の摂取を控える。魚の積極的摂取
減量 BMI<25を目標
運動 有酸素運動を毎日30分以上
節酒 エタノールで男性20-30ml/日以下
女性10-20ml/日以下
禁煙  

 

栄養士のいる病院であれば栄養指導をしてもらう(食品交換表の使用)

・食事の指導を行う。

Ex)

塩分の多い食べ物は控える。

みそしるやラーメンの汁は半分程度残す。

食事の半分を野菜にすると塩分は3g程度抑えられる。

外食1回で塩分3g程度なので、外食を1日1回やめて野菜・果物中心の食事に切り替える。

炭水化物を抑えめにする(総カロリーの50~60%を目標)

・体重は3か月で3%の減量を目標とする(BMI25未満が最終目標)

・1日30分 有酸素運動(ウォーキングや水泳など)

・アルコールは缶ビール1本/日に控える。

・禁煙

 

薬物治療

降圧薬のまとめを参照

治療抵抗性の場合は2次性高血圧症も評価する。

 

高LDL-C血症

LDL-Cの計算式

Friedewald式:TC-HDL-TG/5

TG≧400の場合や空腹時採血でない場合はFriedewald式は使用できないため、nonHDL-Cの式:TC-HDLを用いる。

 

簡易版吹田スコア

動脈硬化性疾患予防ガイドライン・エッセンス | | 循環器病の ...

 

管理目標
  LDL-C non-HDL
一次予防
生活習慣の改善
薬物療法検討
低リスク <160 <190
中リスク <140 <170
高リスク <120 <150
二次予防
生活習慣の改善
薬物療法
冠動脈疾患の既往 <100 <130

★二次予防患者でリスクのある患者の場合は管理目標はLDL-C<70

(リスク:家族性高コレステロール血症、急性冠症候群の急性期、糖尿病+非心原性脳梗塞、PAD、慢性腎不全、喫煙、メタボリックシンドローム、主要危険因子の重複)

※あくまでも努力目標であるため、LDL-Cは20~30%減を目標とする。

 

LDL-Cが180以上の場合食事療法3ヶ月で管理目標に達しない場合薬物療法を行う

※高リスク患者と2次予防の患者は薬物療法開始で良いと個人的には思っている。

 

食事運動療法

栄養士のいる病院であれば栄養指導をしてもらう(食品交換表の使用など)

・30分間/日の有酸素運動

・1日1回は魚を食べる(肉の代わりに魚を摂る。不飽和脂肪酸を取る。大豆製品も良い)。

・1日に両手一杯分の生野菜を食べる。(食物繊維はLDLを下げる)

・油を使用した料理は1日2品まで(天ぷらやフライなど)。ドレッシングやマヨネーズはなるべく避ける。間食を減らす。

・体重を3ヶ月で3%以上の減量を目標にする

・炭水化物を抑えめにする(総カロリーの50%~60%を目標)

・節酒の必要はないがその分肝臓が脂肪肝になるので過度の飲酒は勧めない。

・禁煙指導も行う。

 

治療

LDL-Cが180以上の場合食事療法3ヶ月で管理目標に達しない場合薬物療法を行う

※高リスク患者と2次予防の患者は薬物療法開始で良いと個人的には思う。

★二次予防にはストロングスタチンの使用推奨。

★治療抵抗性の場合は2次性の原因の評価も必要。

 

スタンダードスタチン

◆10~20%低下

メバロチン5mg/日

ローコール20~30mg/日

◆20~40%低下

メバロチン20~40mg/日

リポバス5mg/日

 

ストロングスタチン

◆20~40%低下

リピトール10~20mg/日

リバロ1~2mg/日

◆40~50%低下

リピトール20~40mg/日

リバロ4mg/日

クレストール 2.5~10mg/日

◆50%以上低下

クレストール10~20mg/日

 

スタチンが使用できない場合

小腸コレステロールトランスポーター阻害剤を使用する。

ゼチーア(エゼチミブ)10㎎ 1回1錠 1日1回

 

高TG血症

・基本的にはLDLの管理が優先される。

・TG≧500であれば薬物療法開始。

・TG<500であれば食事運動療法⇒3~6ヶ月で目標達成できない場合は薬物治療を行う。

 

治療

◆TG<500mg/dl、LDL-C<管理目標値の場合

生活習慣の改善

⇒3~6か月後もTG>150mg/dlが持続する場合はフィブラート系またはEPA製剤を導入。

◆TG<500mg/dl、LDL-C≧管理目標の場合

生活習慣の改善

⇒3~6か月後もLDLが管理目標に達しない場合はスタチン製剤導入。

⇒LDL改善後もTG≧150の場合はEPA製剤またはニコチン酸製剤を併用。

◆TG≧500mg/dl以上の場合

フィブラート系製剤で早急に治療を開始

※TG≧500は急性膵炎のリスク高い。

 

フィブラート系

リピディル53.3㎎ 1~2錠 分1 夕食後

(腎機能障害Cr2以上の場合、胆石症、スタチン併用は原則禁忌。横紋筋融解の副作用)

腎機能障害がある場合はリポクリン200㎎ 3錠分3 毎食後

EPA製剤

エパデール600㎎を1日3回内服

ニコチン酸製剤

ユベラ300㎎~600㎎ 分3

 

脂質異常症治療薬の薬効分類
  LDL TG HDL Non-HDL
スタチン ↓↓↓ ↓↓↓
小腸コレステロールトランスポーター ↓↓ ↓↓
フィブラート ↓↓↓ ↑↑
EPA製剤      
ニコチン製剤 ↓↓

 

高尿酸血症

生活指導

・内臓系(レバー)や魚の干物などのプリン体を多く含む食事摂取は控える。

・飲酒(ビール以外も)を控える。

・飲水励行。

・尿酸値の上がる薬がないか確認する。

 

痛風発作時の治療

・NSAIDSを使用する

(NSAIDSパルス:初日ナイキサン300mg/回を3時間毎に3回まで。翌日より400~600mg 分3で内服。)

・NSAIDSで効果がない場合や腎機能障害・喘息などでNSAIDSが使用できない場合はステロイドの内服を使用する。プレドニゾロン15mg~30mgを内服し、1週間ごとに1/3量を減量し、3週間で終了する。

痛風発作の前兆にコルヒチン0.5mgを1錠内服すると発作が予防できるため、携帯させる。

 

安定期の治療

痛風発作合併症を伴わない場合尿酸値が9.0mg/dl以上で薬物治療開始

・腎機能障害(クレアチニンの上昇)、尿路結石、高血圧、虚血性心疾患、耐糖能異常を合併する8.0mg/dl以上の場合は薬物治療適応。

尿酸の目標値は6.0mg/dl以下が目標

 

尿酸産生抑制薬

・第一選択は尿酸産生抑制薬

フェブリク 10mg~40mg 分1(腎機能による調節不要)もしくはアロプリノール100-300㎎/日 分3の内服を用いる。

肝機能障害が出やすいので注意。

 

尿酸排泄促進薬

・ベンズブロマロン(ユリノーム)50-100㎎/日(尿酸排泄促進)もあるが基本は産生抑制のものを先に使用する。腎機能障害や腎結石には使用禁。結石を作らないように水分を多めに摂取する必要がある(1日2Lと書いてあるが、高齢者であれば1日1L程度が限界か)

 

血尿

まずは尿定性・沈査を含めて再検査を行う!

・顕微鏡的血尿

→尿検査を沈査を含めて再検。下記フローチャートに従って検査をする。(女性であれば生理のタイミングを外す)

・肉眼的血尿

必ず感染症と悪性腫瘍、血管の破綻(腎出血等)の精査が必要。

 

フローチャート

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蛋白尿

・尿検査を定性、沈査を含めて再検する。

・採血で腎機能の評価

UP/UCreで推定尿蛋白量を測定する。

・UP/UCreで0.5g/日以上の蛋白が出ているようであれば腎臓内科に紹介

※試験紙1+は境界領域:30㎎/dl程度なので1500mlの尿量で450㎎/日

 

  <紹介基準>

①尿蛋白5g/gCr以上、もしくは検尿試験で2+陽性

②蛋白尿と血尿が両方陽性

③40歳未満 GFR60ml/分/1.73m²未満

④40歳以上70歳未満 GFR50ml/分/1.73m²未満

⑤70歳以上 GFR40ml/分/1.73m²未満

 

骨訴訟症

別記事で記載予定

糖尿病

非専門医のための2型糖尿病診療の項を参照

 

参考文献

高血圧治療ガイドライン2019(JSH2019)

日本動脈硬化学会:動脈硬化性疾患予防ガイドライン2017年版.

 

 

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下血

 

 

オーバービュー

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鑑別

痔核、医原性(内視鏡治療後、浣腸後)、憩室出血、虚血性腸炎、感染性大腸炎(細菌性、CMV腸炎)、CD腸炎、大腸癌、大腸ポリープ、宿便性潰瘍(長期臥床)、炎症性腸疾患(潰瘍性大腸炎クローン病)、血管形成異常

 

検査と処置

採血4本(Hb、血ガス、凝固、Fe、フェリチン、TIBC)、BUN/Cre比やRetの測定(上部の出血・急性出血の評価)、必要そうなら輸血検査(血液型、不規則抗体スクリーニング、クロスマッチ)、腹部CT(大量出血の場合は造影CT)、ジギタール(痔核や腫瘤の評価、黒色便?鮮血便?)、上部消化管出血疑いの場合は胃管挿入し確認検討、必要に応じて外来患者の場合は便培養・入院患者の場合はCDチェック。

  • 補液:血圧の維持
  • 欠食
  • 止血剤:アドナ25㎎+トランサミン250㎎+生食100mlを1日2回点滴
  • Minor bleedingの場合は抗血栓薬を中止。
  • Major bleedingの場合は抗血栓薬中止、INR>1.5・血小板<5万は補正。
  • 基本的には待機的に下部消化管内視鏡
  • 大量下血の場合は造影CT ⇒ IVR

 

便潜血陽性の対応

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出血時のマインドマップ

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抗凝固薬のリバース 

抗凝固薬のリバースの適応

◆Minor bleedingの場合

①まずは抗血栓薬の休薬+止血剤投与

止血できない場合PT/APTTが過剰に延長している場合はリバースする

◆Major bleedingの場合

リバースの適応

 

<Major bleedingの定義>

①致死的な出血

②クリティカルな臓器の症候性出血(頭蓋内出血、硬膜内出血、眼内出血、後腹膜出血、関節内出血、心嚢内出血、筋肉内出血、コンパートメント症候群)

③ヘモグロビンが2g/dL以上低下または2単位以上の輸血が必要

 

ワーファリン

①ケイツー10㎎/2mlを2A静注(3時間で効果発現)

②急いで補正したい場合はPCC製剤(30分で効果発現)

③必要に応じてFFP2~4単位(効果発現に5~6時間かかる)

ダビガトラン

①イダルシズマブ 5g(2.5g/Vを2V使用)を5~10分かけて点滴

②イダルシズマブがなければPCC製剤(保険適応外)やFFP

その他のDOAC

PCC製剤(保険適応外)やFFP

 

*PCC製剤:ケイセントラやPPSB

 

 

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ALP高値の鑑別

 

 

フローチャート

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検査

ASTやALTも上昇している場合

肝機能障害の項目を参照

 

γ-GTPとALPの両方が上昇している場合

まずは腹部CT・腹部エコー、被疑薬の変更・中止消化器内科コンサルト

⇒胆道閉塞が疑われる場合はERCPや造影CT。腫瘤性病変を認める場合は造影CT(ダイナミック)や造影MRI

⇒血算、生化、末梢血塗抹検査(血液疾患の評価)、蛋白分画、TSH、FT4、抗核抗体、免疫グロブリン(IgG, IgA, IgM) ⇒ IgG高値の場合はIgG4(IgG4-SCの評価)、抗ミトコンドリア抗体、ACE、MPO-ANCA、PR3-ANCA、QFT、可溶性IL-2Rなどを提出。必要に応じて肝生検。

PSCが疑われる場合はMRCPやDIC-CT、大腸内視鏡(炎症性腸疾患の評価)、肝生検も検討。2次性PSCの評価。

 

ALPの単独の上昇

まずは生理的なALP上昇の鑑別。

B型、O型の人は空腹時採血を行う。被疑薬があれば変更・中止を検討。

⇒次にALPアイソザイム、Ca、P、TSH、FT4を提出。必要に応じて蛋白分画、免疫グロブリン、全身CT(骨病変の評価や悪性腫瘍の評価)、iPTH(副甲状腺機能亢進症の評価)、多発性骨髄腫の検査(血液内科コンサルト、尿蛋白電気泳動、骨髄穿刺)等を提出。

(ALPアイソザイム1,2,4が優位の場合は胆汁うっ滞の評価(γGTPとALP両方上昇の鑑別)を行う)

 

ALPアイソザイム

ALP1 肝胆道系疾患
ALP2 肝胆道系疾患
ALP3 骨疾患、小児(成長期)
ALP4 悪性腫瘍、妊娠後期(胎盤由来)
ALP5 血液型B型・O型、脂肪食後、肝硬変、慢性腎不全
ALP6 潰瘍性大腸炎

 

 

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キーパーソンの選定

 

 

キーパーソンとは

・病状説明に本人とともに同席

・家族間の意見をまとめ、本人と話し合い、意思決定の手助けを行う

・本人の意思決定能力がない場合に医療同意を行う

※本人の代わりに「入退院時の手続き」「入院中の日用品の準備」などを行うことも多いが、他の家族に頼んでも良い。

 

キーパーソンの選定

・基本は「配偶者」または「成人した子供」を選択する。

・なるべくすぐに来院できる者を選定する。

★キーパーソンが高齢である場合は、他の家族とも相談の上でキーパーソン変更も考慮する。

 

ICのポイント

ICは原則「本人」または「キーパーソン」同席時のみとする

(色々な人にICをすると話が食い違う可能性があるため避ける)

・原則「入退院時」「重要な話をする時」は直接来院していただく。

・キーパーソンが頻回に来院するのが難しい場合は基本的に電話連絡とする。しかし「重要な話をする場合」は必ず来院していただく。また病状が不安定の場合は最低でも1回は来院していただく。

 

★重要な話(病状説明・治療方針説明・侵襲的検査や処置)

⇒急ぎでなければ原則キーパーソン同席でIC

★緊急・準緊急の処置で時間に余裕がない

本人にIC+電話でキーパーソンにIC

★軽く侵襲的な処置や検査

⇒若くてしっかりしている人なら本人から同意書取得で良い。そうでなければ家族に来院していただき同意書取得もしくは電話連絡し後日同意書を取得!

★侵襲的でない検査

⇒本人または家族から同意を得ればOK(口頭も可)

 

血縁者不在の場合の意思決定と対応

本人の判断能力が十分な場合

原則は本人の意思に従う

「本当に血縁者がいないかどうか」を本人や担当者に確認する(MSW介入)

担当者:ケアマネ、地域包括支援センター生活保護受給者であれば福祉課や保護課

⇒実は絶縁中の血縁者がいる場合もある。その場合はキーパーソンにはなり得ないことを十分確認する。

③親族や友人・知人がいる場合は、本人に了承を得た上で「関わる意思の有無」を確認し、キーパーソンになってもらう。

★キーパーソンが全くいない場合はキーパーソン不在時の対応とICを参照

 

f:id:kodomonotsukai:20211030224929p:plain

 

本人の判断能力が不十分な場合

「本当に血縁者がいないかどうか」を本人や担当者に確認する(MSW介入)

担当者:ケアマネ、地域包括支援センター生活保護受給者であれば福祉課や保護課

⇒実は絶縁中の血縁者がいる場合もある。その場合はキーパーソンにはなり得ないことを十分確認する。

②親族や友人・知人がいる場合は、本人に了承を得た上で「関わる意思の有無」を確認し、キーパーソンになってもらい意思決定を手伝ってもらう。

★キーパーソンが全くいない場合はキーパーソン不在時の対応とICを参照

 

f:id:kodomonotsukai:20211030225552p:plain

 

意識がない場合

「本当に血縁者がいないかどうか」を担当者に確認する

担当者:ケアマネ、地域包括支援センター生活保護受給者であれば福祉課や保護課

★安易に知人や友人にICをしない! ⇒ 担当者に身元引受人の確認を行う!

★意識がない人の場合、知人や友人はキーパーソンにはできないと思った方が良い

⇒臨床倫理委員会や医療安全管理委員会などに相談する

 

後見人がいる場合

★後見人は医療同意はできない!!

ただし実際の現場では医療同意までやっている場合も多い。。。

(後見人と要相談)

キーパーソン不在時の対応とIC

①臨床倫理委員会や医療安全管理委員会などに相談し、キーパーソン不在であることをカルテに記載・対応を確認する。

②本人に以下のICを行う

・現時点ではキーパーソン不在である

・MSWの介入が必要となる

・入院中の意思決定は本人の意志を優先する。本人の意識がなくなった場合は現時点では診療を担当している医師が意思決定を行うこととする。

・意思決定の範疇には生命予後に関する判断も含まれる。

・親族が現れた場合は、その親族も含めて意思決定権を再確認する。

・意思変更はいつでも可能である。

 

③退院支援のため下記部署に連絡を行う(MSWに連絡し介入を依頼する

f:id:kodomonotsukai:20211103163747p:plain

 

参考資料

身寄りがない人の入院及び医療に係る意思決定が困難な人への支援に関するガイドライン

 

 

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