こちらを御参照ください
※フローチャートの用語については解説①を御参照ください
ST上昇の基準
解説①
Aslanger's pattern
以下の①~③を満たす心電図変化のことを言う。
急性下壁心筋梗塞の可能性を示唆するパターン。
①Ⅲ誘導に孤立性ST上昇を認め、残りの下壁誘導にはST変化を認めない。
②V4~V6誘導のいずれかでST低下を認め、T波・T波終末が陽性である。
③V1誘導のST上昇がV2誘導よりも大きい
Aslanger Pattern: Another OMI? • LITFL • Medical Eponym Libraryより引用
modified Sgarbossa's Criteria
- 左脚ブロックの心電図のSTEMIの判定に使う基準
- 以下の①~③のいずれかを満たす場合にはSTEMI
①QRSが陽性波でSTが1mm以上上昇(positive concordant)
②QRSが陰性波でSTが1mm以上低下(negative concordant)
③discordantの誘導でST/S ratio>0.25
Modified Sgarbossa's Criteria for MI in Left Bundle Branch Block | ClinCaseQuestより引用
- V5~V6で左室高電位を伴うことが多い
以下の①~③のいずれかを満たす場合、左室高電位。
①RV5(またはRV6)>26mm
②RaVL>11mm
③SV1+RV5(またはRV6)>35mm
- V4~V6でST低下と陰性T波を認める。
ST低下は前半成分は緩やか。後半で急峻に上昇し、さらに圧負荷が強い場合には上昇しすぎて、最後にちょびっとだけ基線からはみ出ることがある。
Left Ventricular Hypertrophy (LVH) • LITFL • ECG Library Diagnosisより引用
- V1~V3誘導でST上昇/QRS≧0.25の場合はSTEMIを考える
“はぐれSTEMI”を探せ! 絶対に見逃してはならない心電図波形12選②(徳竹雅之) | | 記事一覧 | 医学界新聞 | 医学書院より引用
precordial swirl sign
こちらのリンクを御参照ください
- V2, V3のST上昇でS波やJ波がない波形。(S波が基線より下に行かずにそのまま上昇していく)
⇒ この波形を見たらSTEMI!
Terminal QRS distortion is present in anterior myocardial infarction but absent in early repolarization - ScienceDirect
STEMI vs 心膜炎 vs 早期再分極 vs たこつぼ心筋症
- STEMI
Straight型もしくはConvex型、Ⅲ>ⅡのST上昇。
- 心膜炎
広範なST上昇、PR低下(心房のST上昇を反映)、aVRでST低下(ミラーイメージ)・PR上昇、Spodick's sign(TPラインの低下)、V6のST/T≧0.25
- 早期再分極
J波(V4~V5に出やすい)、Concave型のST上昇(にっこりサイン、下壁or側壁誘導で見られることが多い)、V6でST/T<0.25(心膜炎との鑑別)
- たこつぼ心筋症
急性期:広範なST上昇、V1誘導でST変化なし、aVRでST低下(ミラーイメージ)。
亜急性期(発症1~3日後):Giant negative TとaVRで陽性T波(ミラーイメージ)
V2~V4でST上昇がある場合に、normal variantとSTEMIを鑑別するためのツール。
こちらのアプリを使用する。
※フローチャートの用語については解説②を御参照ください
ST低下の基準
解説②
de Winter ST/T wave complex
- 前壁の心筋梗塞、とくに前下行枝近位部の閉塞を示唆する
- 前壁誘導で左右対称性の高いT波とup slope型のST低下を示す
[解説] 心電図39:7月心電図 56歳男性 〜お〜、Regular Wide Complex Tachycardiaと来たら⚪︎×△だ!〜 | EM Alliance
SLIP
V1のR波増高の鑑別
- 後壁梗塞(異常Q波のミラーイメージ)
- 右室肥大(右室高電位:R波7mm以上、右室ストレインパターン)
- 右脚ブロック
- A型WPW
- 右胸心
- normal variant
その他の心電図変化への対応
追記します
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