初期対応
★緊急性の確認
K≧6.0mEq/Lの場合
GI療法
腎不全+K≧7.0、代謝性アシドーシス、うっ血性心不全、尿毒症などがある場合
緊急透析
心電図異常がある場合(テント上T波、P波、QRSの開大)
8.5%グルコン酸カルシウム10mlを5分で静注(1/4ずつ分割投与)
完全房室ブロックや徐脈がある場合
緊急ペーシング
検査
✅心電図、モニタリング
✅被疑薬の中止・変更
✅4.5mEq/L<K<5.0mEq/Lの時 ⇒ これ以上上がらないように、メインや薬剤等を変更、食事の変更(カリウム制限食)を行う。
✅K≧5.0mEq/Lの時、カリウムの補正開始。
※補正の前に必要な検査を提出すること!
✅尿定性・沈査、尿中電解質(Na、K、Cl、Cr。随時尿でも可)、尿浸透圧。
✅偽性高K血症が疑われる場合はヘパリン化採血(血ガスでOK!)
✅採血:血ガス、K、Ca、Mg、P、血清浸透圧、FT4、TSH、ACTH、コルチゾール、血糖、HbA1c、血漿アルドステロン濃度と血漿レニン活性。
*TTKG=(UK/PK)/(UOsm/POsm)
★K>5.0で補正を開始する
K≧6.0~6.5mEq/Lの場合
★治療の基本は①+② 必要に応じて③や④を考慮する
①GI療法(15分で効果発現。30分~60分で最大効果。4~6時間効果が持続する)
②ケイキサレートドライシロップ 3~6包分3 毎食後、カリメート散 3~6包分3 毎食後、アーガメイトゼリー25g 3~6個分3 毎食後 など
③必要に応じてベネトリン2ml吸入(15分~30分で効果発現し、2~3時間効果持続)
④必要に応じてラシックス20㎎を静注(1~2時間で効果発現し、4~6時間効果持続)
K<6.0~6.5mEq/Lの場合
- ケイキサレートドライシロップ 3~6包分3 毎食後
- カリメート散 3~6包分3 毎食後
- アーガメイトゼリー25g 3~6個分3 毎食後
- とにかくカリウムを早く下げたい場合、カリウム吸着薬による便秘の副作用が強い場合、胃管が詰まる場合はロケルマ(最初の2日間は10g×3、その後は5g×1、45mlの水に懸濁して内服)
※ロケルマは添付文書通りに投与するとカリウムが下がり過ぎることがあるため最初は少なめから開始してもよい!
GI療法のやり方
①50%ブドウ糖50ml+インスリン5~10単位を緩徐に静注(30分)
②5~10%ブドウ糖500ml+インスリン5~10単位を点滴静注(6時間)
*糖5gに対しインスリンを1単位を混注すると良い
*糖尿病患者の場合は糖2.5gに対しインスリンを1単位混注する
✅K再検:30分後、3時間後、6時間後
✅血糖測定:30分~1時間毎に血糖チェック!(治療開始後6時間後まで)
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