主な薬剤性の原因
ビスホスホネート製剤、リン吸着薬、利尿剤、インスリン、ESA製剤、G-CSF製剤、Al・Mg含有制酸剤、マンニトール、アシクロビル、イマチニブ。
薬剤性Fanconi症候群の原因薬剤:バルプロ酸、テトラサイクリン、アミノグリコシド、シスプラチン、アザチオプリン、メルカプトプリン、抗レトロウイルス薬など
検査
✅低P血症の補正、付加食の追加(アルジネードなど)
✅被疑薬の変更・中止
✅採血、Alb、P、Ca、ALP、血ガス、尿定性・沈渣、尿中電解質(P、Cre)、iPTH、whole PTH、1.25(OH)D、25(OH)D:ビタミンD欠乏は20 ng/ml未満、高カルシウム血症がある場合はPTHrP。(高カルシウム血症の鑑別はこちら)
✅必要に応じて甲状腺エコー、副甲状腺シンチ
✅クル病(骨軟化症)を疑う場合は骨密度検査、骨シンチ、骨代謝マーカー(形成マーカー:オステオカルシン、骨型ALP。吸収マーカー:TRACP-5b、1-CTP)、FGF23。
✅尿細管異常を疑う場合は血ガス、尿中NAG、尿中β2MG、尿中アミノ酸分析
*FEPO₄=(尿P/血清P)/(尿Cre/血清Cre)、5%以上で腎排泄亢進。
治療
★一般的にはP≦2.0mg/dlで補正を開始する
★欠食⇒食事再開でPが低下するため、早めに補正しておく!
通常の補正
✅内服治療が原則
ホスリボン 3~6包分3 毎食後
✅内服でも低下傾向の場合は点滴での補充も検討
リン酸Na補正液1A(10mmol/20ml)+生食100ml 6時間で点滴
(日本では10mmol/hrで補正が認められているが合併症の懸念からなるべく緩徐な投与が望ましい)
症候性または1.0 mg/dL以下の場合
リン酸Na補正液1A(10mmol/20ml)+生食100mlを1~2時間で点滴。
P<1.5mg/dlの時:1日4本まで
P>1.5mg/dlの時:1日2本まで
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