とある内科医の病棟マニュアル

とある内科医の病棟マニュアル

呼吸器内科医が日常診療の考え方を綴る備忘録

G-CSF製剤の使い方

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使用上の注意点

✅好中球減少時のルーチンの使用は推奨されてはいない

(※実臨床では使用するケースが多いが。。。)

抗癌剤投与前後24時間以内の投与は禁忌

放射線治療中の併用は禁忌

✅サイトカインストームを誘発するリスクがあるため、病態によっては使用を控える。

✅血液疾患をもつ患者に使用する場合は血液内科にコンサルトを行う

 

1次予防

★以下に該当する場合、化学療法の1コース目から発熱性好中球減少症(FN)を予防する目的で、好中球減少や発熱を確認することなくG-CSFを予防投与しても良い。

✅FN発症率が20%以上のレジメンを使用する時、G-CSFの一次予防を行う。

✅FN発症率が10~20%以上のレジメンを使用する時、以下の状況で一次予防を行う。

・65歳以上

・65歳以上でfull doseの化学療法を行っている

・化学療法、放射線療法施行歴

・治療前の好中球減少

・骨髄浸潤

・最近の手術歴

・PS不良

・肝腎機能障害(ビリルビン>2.0、CCr<50)

HIV感染

 

使用例

最終抗癌剤投与の翌々日にジーラスタ3.6mgを1回皮下注射。

ジーラスタが使用できないレジメン、もしくはジーラスタの投与を行っても骨髄抑制が強い場合、以下を適宜使用する。(追加投与のエビデンスはない)

  • フィルグラスチム 50mg/m²を1日1回皮下注射。適宜増減可。

好中球5000以上になるまで投与。好中球2000以上に回復し、感染症が疑われるような症状がなく、Nadirを超えていると判断できれば中止しても良い。

 

 

その他の一次予防

急性白血病悪性リンパ腫、小細胞肺癌、胚細胞腫瘍、神経芽細胞腫小児がんの場合

✅癌化学療法翌日以降であれば、いつでもG-CSF投与可。

 

  • フィルグラスチム 50mg/m²を1日1回皮下注射。適宜増減可。

好中球5000以上になるまで投与。好中球2000以上に回復し、感染症が疑われるような症状がなく、Nadirを超えていると判断できれば中止しても良い。

 

2次予防

★前回のコースで以下の事象が起きた場合、次コースでG-CSFを予防投与する。

発熱性好中球減少症(FN)

好中球減少による用量制限毒性あり(G-CSFの治療的投与を行った)

遷延性好中球減少でスケジュールの延期が必要になった

 

使用例

前回の抗癌剤を一段階減量(減量が望ましくない場合は現行量で継続)

⇒ 最終抗癌剤投与の翌々日にジーラスタ3.6mgを1回皮下注射。

ジーラスタの投与を行っても骨髄抑制が強い場合、以下を適宜使用する。(追加投与のエビデンスはない)

  • フィルグラスチム 50mg/m²を1日1回皮下注射。適宜増減可。

好中球5000以上になるまで投与。好中球2000以上に回復し、感染症が疑われるような症状がなく、Nadirを超えていると判断できれば中止しても良い。

 

治療的投与

急性白血病悪性リンパ腫、小細胞肺癌、胚細胞腫瘍、神経芽細胞腫小児がんの場合

✅癌化学療法翌日以降であれば、いつでもG-CSF投与可。

 

  • フィルグラスチム 50mg/m²を1日1回皮下注射。適宜増減可。

好中球5000以上になるまで投与。好中球2000以上に回復し、感染症が疑われるような症状がなく、Nadirを超えていると判断できれば中止しても良い。

 

その他の癌腫の場合

✅好中球500未満または好中球1000未満で発熱がある(原則38度以上)場合にG-CSFを投与する。

⇒ 次回からは好中球1000未満を確認できればG-CSFを投与しても良い

※実臨床では好中球が1000未満で48時間以内に500未満になりそうな無熱性好中球減少があれば、初回であっても予防投与していることが多い。

 

  • フィルグラスチム 50mg/m²を1日1回皮下注射。適宜増減可。

好中球5000以上になるまで投与。好中球2000以上に回復し、感染症が疑われるような症状がなく、Nadirを超えていると判断できれば中止しても良い。

 

 

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