とある内科医の病棟マニュアル

とある内科医の病棟マニュアル

呼吸器内科医が日常診療の考え方を綴る備忘録

高Ca血症

スポンサーリンク

 

 

フローチャート


続発性副甲状腺機能亢進症
:慢性腎不全、ビタミンD摂取低下や作用不全(抗てんかん薬による代謝障害)、低P血症、PTH不応症など

薬剤性:活性型ビタミンD製剤、カルシウム製剤、サイアザイド利尿薬、テオフィリン、ビタミンA、炭酸リチウム、テリパラチド、エストロゲン製剤など

その他:ミルクアルカリ症候群

 

検査

✅被疑薬の中止・変更。

✅採血、Alb、Ca、P、Mg、ALP、TSH、FT4、iPTH(whole PTH)、PTHrP、1.25(OH)D、25(OH)D、尿中CaとCr。

★補正Ca=血清Ca+(4-血清Alb)

★Alb値が非常に低い場合は、血ガスでイオン化Ca≧1.3mmol/Lで高Ca血症の診断。

※低P血症 ⇒ iPTH、PTHrPの関与を疑う。
※高P血症 ⇒ ビタミンDの関与を疑う。

✅大量補液が必要になるため心エコー尿測体重測定

副甲状腺エコー、副甲状腺機能亢進症が疑われる場合は副甲状腺シンチ

✅悪性腫瘍などの原因評価のためCT検査。

*FECa=(尿Ca×血清Cr)/(血清Ca×尿Cr)

 

治療

★Ca≧12mg/dlもしくは症候性の高Ca血症が治療適応

★治療の基本は①+② 必要に応じて③や④を考慮する

①脱水の補正
  • 生食補液
  • 250~500ml/hrで補液を行う、尿量を100~150ml/hr確保するように補液を行う。高齢者でなければ、目安は1日2~3L程度
  • 大量補液のため、心エコーを行う。
②カルシトニン製剤、ビスホスホネート製剤

◆カルシトニン製剤

エルシトニン40単位を1日2回 皮下注射。2日間投与。

(数時間以内に効果発現。何度も投与するとescape phenomenonが起こるため長期投与しない)

◆ビスホスホネート製剤(悪性腫瘍で保険適応あり)

ゾメタ4mg/5ml+生食100mlを15分かけて点滴。

(2日目以降に効果が発現する。1週間以上間隔を空けて再投与可)

③利尿剤

ルーチンでは使用しない。

脱水が改善されたら使用しても良い。

  • フロセミド20㎎~40㎎/日
ステロイド

肉芽腫疾患のビタミンD作用抑制やリンパ腫への効果を期待して使用

 

透析の適応

  • 意識障害を来している場合
  • Caが18~20mg/dlと著明高値
  • 腎不全で十分な尿量が確保できない場合
  • 心不全で生食負荷が難しい場合

 

 

 👇 ランキングに参加中!ポチっと押して投票いただけると励みになります!

ブログランキング・にほんブログ村へ

にほんブログ村


人気ブログランキング