とある内科医の病棟マニュアル

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呼吸器内科医が日常診療の考え方を綴る備忘録

偶発腫瘍の対応

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肺結節

肺結節影のフォローアップを参照

 

甲状腺偶発腫瘍

フローチャート

 

隈病院の超音波所見のクラス分類

*クラス2.5以下:良性疑い、クラス3:ボーダーライン、クラス3.5以上:悪性疑い

Yokozawa T, Fukata S, Kuma K, et al: Thyroid cancer detected by ultrasound-guided fi ne-needle aspiration biopsy. World J Surg 1996; 20(7): 848-853

 

FNAの適応

*癌の危険因子:小児期の放射線照射の既往、甲状腺癌の手術歴・家族歴、硬く可動性のない結節、嗄声や頸部腫大リンパ節の存在、遠隔転移の存在、カルシトニン高値、FDG-PET/CT陽性

*悪性を強く疑う所見:以下のほとんどの所見に該当するもの。

形状不整、境界不明瞭・粗雑、内部低エコー、内部エコー不均質、多発微細高エコー、境界部低エコー帯が不整ないし無。

 

甲状腺結節取扱い診療ガイドライン2013

 

フォローアップ
  • FNAで正常あるいは良性の場合
    数年間は12~18ヶ月毎にエコーで経過観察を行う。増大や形状変化が見られる場合はFNAを再検する。

 

  • FNAを行わない場合
    USでハイリスク(USC4,5):6~12ヶ月毎にフォロー
    USで低~中間リスク(USC2~3):12~24ヶ月毎にフォロー
    USで最低リスク(USC1)で1cm以上:24ヶ月以降にフォロー
    USで最低リスク(USC1)で1cm未満:フォロー不要

 

良性結節に対する手術適応
  • 4cm以上の腫瘤
  • 明らかな増大傾向、急速な増大
  • 経過中に超音波検査で悪性の所見が現れた場合
  • 結節による局所症状がある場合
  • 血清Tg値が異常高値(>1000ng/ml)
  • 縦隔内へ進展している場合
  • 整容上の問題がある場合
  • 機能性結節で内科的な治療を希望しない場合

 

副腎偶発腫瘍

フローチャート

※副腎腫瘍の生検は通常行わない

 

機能性腺腫のスクリーニング検査

ACTH、コルチゾール、DHEA-S、血漿レニン活性、血漿アルドステロン濃度、血漿カテコラミン3分画(アドレナリン、ノルアドレナリンドーパミン)、随時尿中メタネフリン2分画(メタネフリン、ノルメタネフリン)

 

画像検査
  • 4cm以上は悪性腫瘍
  • 単純CT:CT値<10HUは良性と考えられる
  • 造影CT:CT値<30HUは良性と考えられる
  • 造影MRI:良性の場合は、T1強調画像でin phaseからout of phaseにかけてシグナル低下
  • 必要に応じてPET-CTも検討する。

 

経過観察

機能性腫瘍のスクリーニングを行い異常がなく、画像で悪性腫瘍も否定的の場合は経過観察とする。

  • 最初は半年後にフォロー
  • 以降は1年毎にホルモンとCT画像をフォローする。
  • 5年間のフォローで問題なければフォロー終了。

 

 

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