(参考文献:Fukumoto S, et al . Endocr J 55 : 787―794, 2008)
薬剤性:抗RANKL抗体、BP製剤、カルシトニン、利尿剤、PPI、H2 blocker、フェニトイン、フェノバルビタール、カルバマゼピン、イソニアジド、テオフィリン、リファンピシン、クエン酸、ホスカルネット
ビタミンD欠乏:慢性腎不全(1.25(OH)D・25(OH)Dともに低下する場合が多い)、日光曝露の減少、栄養失調
その他の原因:急性膵炎、横紋筋融解症、腫瘍崩壊症候群、甲状腺髄様癌、異所性カルシトニン産生腫瘍など
検査
✅心電図(心電図でQT延長、TdPを認める場合は循環器内科コンサルト)
✅被疑薬の変更・中止
✅採血、Alb、Ca、P、Mg、ALP、BUN、Cr、iPTH(またはwhole PTH)、1.25(OH)D、25(OH)D、尿Ca(蓄尿)、尿Cr
✅必要に応じて画像検査(甲状腺エコーやCT)、骨密度評価
✅血清カルシトニン:低Caを来すことはまれ!(甲状腺髄様癌、異所性カルシトニン産生腫瘍等で高値となる)
✅分からない場合は内分泌内科コンサルト
✅副甲状腺機能低下(PTH分泌低下)が疑われる場合は、内分泌内科コンサルト、2次性の原因評価(甲状腺の手術歴:hungry bone syndrome、放射線治療歴、腫瘍の浸潤など)、甲状腺エコー、頭部CT(大脳基底核の石灰化)、遺伝病や自己免疫性(APS)などの評価。
低カルシウムの補正
Ca<7未満の症候性低Ca血症、心電図異常がある場合
カルチコール8.5% 10~20mlを10分~20分かけて投与(急速静注すると心収縮力低下の恐れあり)
⇒その後、カルチコールを2~4ml/hrで持続点滴。内服へ切り替え。
緊急性の高くない低Ca血症
◆高P血症がある場合
沈降炭酸カルシウム(カルタン) 3g/日
◆低P血症がある場合
エルデカルシトール0.5μg/日(腎機能障害がある場合はアルファカルシドールやカルシトリオールに変更)
※1Vit.D=アルファカルシドール、1.25Vit.D=エディロール、カルシトリオール
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