とある内科医の病棟マニュアル

とある内科医の病棟マニュアル

呼吸器内科医が日常診療の考え方を綴る備忘録

好酸球増加

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鑑別疾患

 

重症度

好酸球≧1500/μLを好酸球増多症と定義する

✅軽度増加:500~1500

✅中等症:1500~5000

✅重症:5000以上

 

最初の検査

✅被疑薬の中止・変更

被疑薬のDLST(即時型アレルギーの場合はBATが有効)、採血4本(凝固の評価も)、血沈、白血球分画、目視、CK、CK-MB、トロポニンT、喀痰好酸球、肝腎機能、電解質、尿定性・沈査、免疫グロブリン(IgG、IgMIgE)、抗核抗体、RF、MPO-ANCA、PR3-ANCA、TSH、FT4、早朝ACTH・コルチゾール

✅呼気NO、呼吸機能検査(気道可逆性も含めて)

✅心電図

好酸球1500以上の場合は心エコー(好酸球による心筋障害や心室血栓の精査)

✅胸部レントゲン、胸部CT・副鼻腔CT

副鼻腔炎がある場合は鼻汁好酸球、生検(耳鼻咽喉科コンサルト。好酸球副鼻腔炎の除外

✅皮膚症状がある場合は皮膚科コンサルト皮膚生検(DIHS:HHVやCMVの再活性化、DRESS、TEN、SJSなどの鑑別)

 

追加の検査

✅胸腹CT・副鼻腔CT、β-Dグルカン、QFT、可溶性IL-2R、ACE、リゾチーム、ABPAの評価(喀痰細胞診→アスペルギルスの評価、アスペルギルスRAST(MAST39)、気管支鏡)、特異的IgE(View39やMAST39)、ビタミンB12(上昇している場合は骨髄増殖性腫瘍を疑う)、HIV抗体、抗HTLV-1抗体、皮膚生検(EGPA、薬疹)、便虫卵、抗寄生虫抗体(寄生虫が疑わしい場合は宮崎大学 寄生虫学教室などに問い合わせ)。

✅呼吸器症状や肺炎像がある場合は呼吸機能検査や呼気NO、気管支鏡検査。

✅腹部症状がある場合は消化器内視鏡

✅血液疾患が疑わしい場合は血液内科コンサルト(骨髄穿刺やPDGFRA, PDGFRB融合遺伝子などの確認(好酸球の増加する骨髄腫瘍))

 

HESの診断基準(Chusidらの基準)

①6ヶ月以上にわたり好酸球数1500/μL以上が持続する

(HEの基準:1ヶ月以上にわたり好酸球数1500/μL以上が持続する)

寄生虫やアレルギー、その他の好酸球増加を来す明らかな基礎疾患がない

好酸球増多による多臓器障害の症候

 

臓器障害

①線維化(肺、心臓、消化管、皮膚、その他の臓器)

血栓症

③皮膚の紅斑、浮腫/血管性浮腫、潰瘍、掻痒感、湿疹

④慢性または反復性の症状を認める末梢または中枢神経障害、脳血管障害

⑤肝臓、膵臓、腎臓など他の臓器障害

 

皮膚障害、肺障害(好酸球性肺炎、気管支炎)、消化器障害(下痢、食道炎、好酸球性胃腸炎、吸収不良)、心機能障害(好酸球性心筋炎、心室血栓症深部静脈血栓症)、神経障害(末梢神経障害、脳症、視神経炎、脳血管障害(血管炎、心原性塞栓))

 

血液腫瘍による好酸球増加

フローチャート

 

Shomali W, Gotlib J: World Health Organization-defined eosinophilic disorders: 2019 update on diagnosis, risk stratification, and management. Am J Hematol 94:1149-1166, 2019

 

 

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