とある内科医の病棟マニュアル

とある内科医の病棟マニュアル

呼吸器内科医が日常診療の考え方を綴る備忘録

気管支鏡前チェックリスト

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気管支鏡前評価

呼吸状態

  • 酸素化不良の場合は施行不可(目安は酸素3Lで95%以下はリスク高い)
  • 気管支喘息がある場合 ⇒ 術前にSABA吸入、コントロール不良の場合はSABA吸入に加えて術前にソル・メドロール40~125mgを投与。
  • 結核の可能性 ⇒ 検査前に3連痰を確認。検査は最後に。N95マスク着用。

✅血小板数

  • TBLB・TBNAは血小板5万以上、BALのみであれば2万以上あれば良い

✅凝固系

✅抗凝固薬・抗血小板薬の有無

  1. 抗血小板薬、抗凝固薬の休薬について主科に相談 ⇒ 必要ならヘパリン置換
  2. 休薬ができない場合
    TBLB ⇒ バイアスピリンのみ継続可、その他の抗血小板薬は休薬が必須
    TBNA ⇒ 抗血小板薬・抗凝固薬ともに休薬が必須

✅経口血糖降下薬・インスリンの有無

✅心電図

  • 致死的な不整脈がある場合は禁忌

✅心エコー(心疾患の有無)

  • 心不全がある場合 ⇒ 循環器内科に術前評価依頼
  • 肺高血圧がある場合 ⇒ 循環器内科に術前評価依頼。重症肺高血圧・右心不全(TAPSE<16)・D-shapeありは禁忌。
  • 1ヶ月以内の心筋梗塞の既往やUAP ⇒ 禁忌

✅血管病変の有無

  • 血管病変がある場合 ⇒ 循環器内科に術前評価依頼
  • SVC症候群 ⇒ 胸腔内圧の上昇で虚脱する危険が高い場合は気管支鏡は禁忌
  • 肺静脈の圧迫 ⇒ 胸腔内圧上昇で潰れそうな場合は気管支鏡不可

✅高血圧の有無

✅脳血管障害の有無

✅頸部

  • 頸椎の不安定がある場合は禁忌

✅糖尿病の有無

✅高眼圧・緑内障の有無

  • アトロピン禁

✅神経筋疾患の有無

 

参考文献:http://www.jsre.org/medical/anzen_tebiki_1.pdf

 

準備チェックリスト

✅術前採血(血小板、凝固、感染症リスク)

✅気管支鏡が施行できる呼吸状態か?

✅熱はないか?血圧や脈拍は問題ないか?

心電図

心エコー(必要なら)

✅心血管系のリスク評価(心不全脳出血動脈瘤SVCなど)

✅その他の気管支鏡の禁忌は?(頸椎不安定など)

✅同意書取得

IC記載

✅抗血栓薬の休薬、ヘパリンブリッジ(止めて良いか主科に確認)

✅食止め

✅血糖降下薬休薬、インスリンの休薬

✅検査オーダー(気管支鏡オーダー、組織、細胞診、培養、BAL分画など)

✅仮想気管支鏡作成(CTの出力)

✅点滴、鎮静薬、鎮痛薬オーダー(ミダゾラムペチジンが使えない疾患の有無)

✅検査前処置オーダー(喘息の人のSABA、ステロイドなど)

指示入力

✅検査後オーダー(胸部X線、予防的抗菌薬)

 

気管支鏡指示

月 日 時~気管支鏡検査

<検査前>

(朝・昼)食絶食 飲水は3時間前まで可

内服薬 内服可(ただし血糖降下薬のみ内服中止)

ルート:生理食塩水250ml 時間20mlで点滴

①(入院中)~時に生食250mlでルート確保をお願いします。

②(当日入院) 入院次第、生食250mlでルート確保をお願いします。

 

内視鏡室へ持参:ミダゾラム、フルマゼニル、生食20mlあり

※ルートは側管を2つ以上接続

※同意書を検査室へ持参

※入れ歯あれば内視鏡室持参。

 

<検査終了後>

酸素投与状態の時、SPO2≧90%であれば、2L/minずつ漸減しoff可能

生理食塩水(+フルマゼニル1/2A混注)は速度を早めて滴下可能(100ml/h程度で滴下)→バイタルサイン問題なければ終了抜針

 

AMPLED(検査・処置前チェックリスト)

 

 

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