とある内科医の病棟マニュアル

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呼吸器内科医が日常診療の考え方を綴る備忘録

在宅酸素療法(HOT)

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在宅酸素療法の適応疾患

  1. 高度慢性呼吸不全:目安は労作時SPO2≦90%のもの
    動脈血酸素分圧55mmHg以下のもの、および動脈血酸素分圧60mmHg以下で睡眠時または運動負荷時に著しい低酸素血症を来すものであって医師が在宅酸素療法を必要であると認めたもの。
  2. 肺高血圧症
  3. 慢性心不全
    NTHAⅢ度以上であると認められ、睡眠時のチェーンストークス呼吸が認められ、無呼吸低呼吸指数が20以下であることがPSG上で確認されている症例
  4. チアノーゼ型先天性心疾患
  5. 群発頭痛

 

導入手順

  1. 安静時の血ガス
  2. 呼吸機能検査
  3. 6分間歩行試験
    安静時SPO2 95%前後、6分間歩行試験でSPO2≧88~90%を目標に酸素量を調整する。
  4. 酸素会社に酸素の手配を依頼
  5. 在宅酸素指示書作成
  6. HOTの指導(指導用DVD等を視聴、火気厳禁)

 

HOT患者のフォロー

✅月1回フォロー(在宅酸素の加算)

✅年1回の血ガスと6分間歩行

✅息切れの増悪がある場合は呼吸機能・6分間歩行・血ガス ⇒ HOTの流量調節

✅SPO2モニター購入(酸素会社からレンタルできる場合もある)

身体障害者の申請

 

在宅酸素療法の値段

1割負担で7500円程度、3割負担で23000円程度

 

在宅酸素の限界

  • 設置型酸素濃縮装置:会社によって違うが大体7Lまで。(7L以上は2台使い)
  • 携帯用ボンベ:会社によって違うがデマンドバルブ(同調モード)で7Lまで。

個人的な見解になるが。。。

🚩設置型酸素濃縮装置は7L使用まで
それ以上の酸素濃縮装置はない。(それ以上使う場合は2台並列使用となる)

🚩携帯用ボンベは、デマンドバルブなし(オキシマイザー使用中など)だと、労作時5~7Lまでが限界と思われる。
それ以上になると労作時の呼吸苦+携帯用ボンベの酸素が一瞬でなくなるので、外出や通院は困難となる。(家での生活がかなり厳しくなる)

🚩上記以上の酸素を使用している患者については、「病院での療養」を勧める。

※療養型病院での療養 or 急性期病院の間で転院を繰り返す

 

 

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