とある内科医の病棟マニュアル

とある内科医の病棟マニュアル

呼吸器内科医が日常診療の考え方を綴る備忘録

FDP/D-dimerの上昇

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鑑別疾患

①DIC

血栓症DVT/PEの検査・治療を参照)

③その他の疾患(外傷、骨折、急性大動脈解離、悪性腫瘍、炎症性疾患COVID-19TMA間質性肺炎など)

 

検査・処置

高すぎる場合はD-dimer再検

✅DICスコアの評価 ⇒ Fib、ATⅢ、その他の凝固・線溶系マーカー(TAT、SF、PIC、PAIなど)の評価

✅DVTやPEの評価(評価方法はこちらを参照)

✅下肢エコー

✅心電図

✅心エコー

✅造影CT(原因不明の低酸素がある場合、肺高血圧症の増悪がある場合、D-dimer著明高値の場合や上昇傾向の場合)

D-dimerが著明高値の場合血栓の評価が難しい場合ヘパリンの経験的投与も検討する!

✅肺塞栓:循環器内科コンサルト、心エコー、抗凝固療法、肺高血圧症の治療、インターベンションの適応についてコンサルト。

✅その他、血栓があれば下記について該当科にコンサルト

  • 治療適応
  • 抗凝固療法の適応(出血リスク確認)
  • 血栓素因の評価
  • 安静度
  • エコーフォロー

TMAの評価はこちら

 

急性期DICスコア

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✅基本的には急性期DICスコアを使用する。

白血病群の場合は厚生労働省の基準を用いる(出血症状と血小板数を除いて4点以上)

ATⅢとフィブリノーゲンも併せて評価する(ATⅢとフィブリノーゲン低下はDICを示唆する。)

 

DICの新基準

DICの新基準の案についてはこちらの文献を参照

 

DIC治療

リコモジュリン

380U/kg+生食100ml,1日1回。腎機能障害がある場合は130U/kgに変更。投与期間は1週間が目安。(DICスコアが低下傾向かつ現治療OKの場合に投与終了)

ノイアート、ノンスロン

ATⅢ<70%の時に適応。1500単位1本/日を3日間投与が基本。体重が重い場合は30単位/kg投与可能。ATⅢ>70%で中止。

FFPの補充

以下の場合にFFPの補充を検討する

① PT-INR2.0以上あるいはPT%が30%以下

②APTTが上限値の2倍以上

③低フィブリノゲン血症(100mg/dL未満)

  • FFP 8~12ml/kgを24~48時間毎に投与

 

血栓症の評価

DVT/PEの検査・治療を参照

 

 

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