とある内科医の病棟マニュアル

とある内科医の病棟マニュアル

呼吸器内科医が日常診療の考え方を綴る備忘録

肺癌化学療法チェックリスト

 

 

初診時チェックリスト(診断・ステージング)

確認事項

PSの確認(化学療法の場合は基本PS2まで)

PS3でも初回のSmall、TKIなどは治療を行う場合もある

✅自宅に帰れる患者か?(自宅に帰れない人はPS3以上、ケモ困難と考える)

✅年齢:元気な人でも85歳以上は化学療法は原則難しい(TKIや優しめのケモなら可能かもしれない)

⇒ケモができそうにない場合に根治治療の選択肢は?(オペ、放射線単独など。安易にBSCにしない!

✅認知機能は問題ないか?(認知機能の低下が著しい場合はBSCを検討。意思疎通困難な場合は検査・手術・ケモともにハイリスクであり、予後も見込めないと考える)

✅化学療法の副作用について理解できそうか?(理解が得られそうにない場合はトラブルのもと。特にICIは控えた方がよさそうか?)

血球、腎機能、肝機能は大丈夫か?(ケモの投与はできそうか?)

⇒ 血液異常が開始基準に引っかかる場合は専門科にコンサルトを検討

  • 肝転移による肝機能障害:treatableであれば、放射線治療 、消化器内科相談、本人にリスクを説明の上で化学療法を検討(ケモによる肝障害改善を期待)、肝庇護薬の投与
  • 腎機能障害:CDDP、PEM、S-1は注意。ひどい場合は透析の可能性も説明。

急変時DNARの意思確認(状態不良の場合を除き、原則は診断後に確認)

✅週単位で増悪してないか?(週単位で増悪する場合は急ぐ必要あり)

オンコロジックエマージェンシーはないか?

✅急変のリスクが高い状態ではないか

*喀血リスク
*縦隔リンパ節転移:心臓や大血管浸潤、気道狭窄、食道狭窄
*肝転移などのRupture
*内臓への浸潤:穿孔・感染

  • 早めに急変時対応についてお話しておく!
  • 気管支鏡は可能な状態か?

✅気管支鏡前評価(チェックリストはこちら

  • 術前採血(血小板、凝固、感染症リスク)
  • 気管支鏡が施行できる呼吸状態か?
  • 熱はないか?血圧や脈拍は問題ないか?
  • 従命はとれるか?
  • 心電図
  • 心エコー(必要なら)
  • 心血管系のリスク評価(心不全脳出血動脈瘤SVCなど)
  • その他の気管支鏡の禁忌は?(急性の神経症状、頸椎不安定など)
  • 同意書取得
  • IC記載
  • 血栓薬の休薬、ヘパリンブリッジ(止めて良いか主科に確認)
  • 食止め
  • 血糖降下薬休薬、インスリンの休薬
  • 検査オーダー(気管支鏡オーダー、組織、細胞診、培養、BAL分画など)
  • 仮想気管支鏡作成(CTの出力)
  • 点滴、鎮静薬、鎮痛薬オーダー(ミダゾラムペチジンが使えない疾患の有無)
  • 検査前処置オーダー(喘息の人のSABA、ステロイドなど)
  • 指示入力
  • 検査後オーダー(胸部X線、予防的抗菌薬)

AMPLEDの確認

✅気管支鏡がハイリスクの場合は肝生検リンパ節生検皮膚生検骨生検CT/エコーガイド下生検EUS-FNAなどを検討。

 

検査と方針決定

※術前検査はこちら

✅採血(血球、腎機能、肝機能は大丈夫か?投与基準は満たすか?

■ 血算、生化、血糖(HbA1c)、凝固、尿定性・沈渣、腫瘍マーカーCEA、シフラ、pro GRP)、eGFR計算(CCr)、KL-6/SP-D(腫瘍マーカーの代わりにもなるかもしれない、間質性肺炎の評価)、QFT、HBs抗原、HBc抗体・HBs抗体(陽性ならDNA提出)、HCV抗体(陽性ならRNA提出)。

■ ICI投与前採血:TSH、FT4、ACTH、コルチゾールHbA1c、肝機能、KL-6、SP-D、抗核抗体、RF、抗TPO抗体、抗Tg抗体 ⇒ 異常があればコンサルト

■ 骨転移がある場合は1CTPやNTxを測定する。

✅胸部X線写真

✅全身造影CT(頭部~骨盤部まで)

✅心エコー

✅呼吸機能検査

喀痰細胞診:「中枢側の腫瘤特にSmallが疑わしい場合)」、「急ぐ症例」、「気管支鏡ハイリスクの場合」に提出

急ぐ症例はとりあえず葉酸ビタミンB12を入れとく

組織診断

気管支鏡検査

② 気管支鏡がハイリスクの場合は肝生検リンパ節生検皮膚生検骨生検CT/エコーガイド下生検EUS-FNAなどを検討。

他部位のオペ検体

✅LCスクラム提出予定であれば凍結検体を採取

✅組織が出たら遺伝子検査提出(組織が出るまで1週間、遺伝子検査が出るまで1週間)

① 組織量が十分でない場合は単一遺伝子検査 

② 組織量が十分な場合はオンコマインAmoyを提出

※遺伝子検査はお金がかかるので基本的には外来で検査する

※オンコマインやAmoyは単一遺伝子検査より時間がかかることに注意。

③ 組織が全く採れない場合はセルブロック等から遺伝子検査を提出する。

※セルブロックの遺伝子検査はPDL-1、BRAF、オンコマインは不可。EGFR、ALK、ROS-1は測定可能。

④ 遺伝子検査が出せなかった場合 ⇒ 殺細胞性抗癌剤で治療を開始し、増悪したタイミングでリバイオプシー。

✅頭部造影MRI(脳転移の評価)
⇒ 新規で神経症状が出た時は「脳出血」にも注意!(CT再検

✅PET-CT(外来で撮像)

胸膜播種・胸水の確認(ステージⅣ)

胸水穿刺

  • ステージングに影響がなくても、今後のことを考えて必ず穿刺すること!
  • セルブロックを提出する
  • 大量胸水の場合は胸腔ドレーン留置
    →肺野の確認、気管支鏡検査、必要に応じて、胸腔鏡やCTガイド下生検、エコーガイド下生検による胸膜生検も検討。
    (局麻下で胸膜生検をする場合はドレーンを留置する前に行う)
  • 大量胸水の場合は胸膜癒着術も検討する(すぐにTKIやICIを使用する予定であれば避ける)

胸水やリンパ節など、ステージングに影響を及ぼす部位の生検・検査

(可能な侵襲で生検。侵襲が大きい場合は造影MRIやPETで代用する)

✅ステージングに影響を及ぼさない部位も簡単に生検できる部位は生検する!

(胸水、口腔内、皮膚など。転移の確認や他疾患の除外のため)

✅エコーで評価できるものはエコー検査(今後のフォローのため)

間質性肺炎の有無の確認(軽微な所見の場合は腹臥位CTで確認)

放射線治療を施行予定か?

  • 照射野が肺にかかる場合は、TKI、ICI、PEM、イリノテカン、AMR、DTX、GEMの同時併用は避ける
    (照射が終わってからプラチナダブレットにICI追加)

✅ステージングと治療方針の決定(手術?、ケモラジ?、ケモ?、放射線単独?)

✅転移巣に対する治療方針の決定

  • 脳転移:脳神経外科コンサルト、放射線科コンサルト、抗てんかん薬、ステロイド、グリセオールなど。
  • 癌性髄膜炎:ルンバール、放射線科コンサルト(whole brain)、ステロイド、グリセオール
  • 骨転移:整形外科コンサルト(免荷)、放射線科コンサルト、歯科コンサルト、ランマーク投与(デノタス内服忘れずに)など
  • 肝転移:ruptureのリスクがある場合、肝障害が強い場合に放射線治療
  • 神経症状:まずは頭蓋内病変/脊髄病変の精査(CT/MRI)、放射線科コンサルト、整形外科コンサルト(脊髄圧迫の除圧)、ステロイドメチコバール、リリカなど
  • 大量悪性胸水:ドレーン留置、癒着術も検討(TKIやICI施行予定の場合は癒着術は避ける)
  • 閉塞性肺炎:抗菌薬+放射線治療放射線治療が難しければ感染増悪のリスクを説明の上でケモ。
  • オンコロジックエマージェンシーの対応はこちら

✅腺癌の場合は前もって葉酸ビタミンB12を入れておく

✅小細胞癌の場合はUGT1A1を測定しておく

 

※急ぐ症例については頭部造影MRIは頭部造影CTで代用可。(後日造影MRI撮像)

※PET-CTは可能な限り施行すべき!だがどうしても急ぐ症例なら骨シンチで代用する。

高血糖(血糖値200以上)などでPET-CTが撮像できない場合にはDWIBSも検討する。

 

化学療法開始前チェックリスト

✅PSの確認(基本はPS2まで)

PS3でも初回のSmall、TKIなどは治療を行う場合もある

✅自宅に帰れる患者か?(自宅に帰れない人はPS3以上、ケモ困難と考える)

✅年齢:元気な人でも85歳以上は化学療法は原則難しい(TKIや優しめのケモなら可能かもしれない)

⇒ケモができそうにない場合に根治治療の選択肢は?(オペ、放射線単独など。安易にBSCにしない!

✅認知機能は問題ないか?(認知機能の低下が著しい場合はBSCを検討。意思疎通困難な場合は検査・手術・ケモともにハイリスクであり、予後も見込めないと考える)

✅化学療法の副作用について理解できそうか?(理解が得られそうにない場合はトラブルのもと。特にICIは控えた方がよさそうか?)

化学療法の同意書取得

急変時DNARの意思再確認(特に初めて主治医をやる場合)

✅入院時に採血・尿検査・心電図・胸部X線写真を行う

血球、腎機能、肝機能は大丈夫か?投与基準は満たすか?

■ 血算、生化、血糖(HbA1c)、凝固、尿定性・沈渣、腫瘍マーカー(腺癌ならCEAとSLX、扁平上皮癌であればCYFRAとSCC、肺小細胞癌であればpro GRPとNSE)、その他に上昇している腫瘍マーカー、eGFR計算(CCr)、KL-6/SP-D(腫瘍マーカーの代わりにもなるかもしれない、間質性肺炎の評価)、T-SPOT、HBs抗原、HBc抗体、HBs抗体、HCV抗体

■ ICI投与前採血:TSH、FT4、ACTH、コルチゾールHbA1c、肝機能、KL-6、SP-D、抗核抗体、RF、抗TPO抗体、抗Tg抗体 ⇒ 異常があれば予めコンサルト

■ 骨転移がある場合は1CTPやNTxを測定する。

✅VEGF投与時には尿検査と凝固を毎回検査

膠原病や炎症性腸疾患、自己抗体陽性の人はICI投与前に必ずコンサルトする(投与可能?)

✅心エコーを半年~1年に1回(もしくはレジメン変更時)に確認。プラチナ系投与前は必ずチェックAMRは2クール毎に心機能を確認する。

間質性肺炎の有無の確認(軽微な所見の場合は腹臥位CTで確認)

放射線治療を施行予定か?

  • 照射野が肺にかかる場合は、TKI、ICI、PEM、イリノテカン、AMR、DTX、GEMの同時併用は避ける
    (照射が終わってからプラチナダブレットにICI追加)

✅胸水はあるか?

  • 大量悪性胸水:ドレーン留置、癒着術も検討(TKIやICI施行予定の場合は癒着術は避ける)
  • 胸水あり ⇒ イリノテカンは禁忌
  • ケモ前になるべく排液した方が良い ⇒ プラチナ、PEM

✅パクリタキセルアルコール不耐症の確認!⇒アルコール不耐症の場合はアブラキサンに変更する。

✅アブラキサン投与の前は輸血の同意書の取得

✅イリノテカン投与の前はUGT1A1の検査を行う。

感染症がないか? ⇒ 感染症がある場合は原則ケモ延期

気胸や縦隔気腫ないか?⇒治るまで or 改善傾向になるまで延期

ケモの開始基準を満たしているか確認!

  • 開始基準だけでなく、血球が回復傾向かどうかも確認造血能がしっかりあることを確認する
  • 血液異常が開始基準に引っかかる場合は専門科にコンサルトを検討
    Ex)肝転移による肝機能障害がtreatableであれば、放射線治療 or 消化器内科相談+本人にリスクを説明の上で化学療法を行う(ケモによる肝障害改善を期待

減量すべきか?

① 前コースで減量基準に該当する場合 

② 高齢者(80歳以上)またはPS2のプラチナダブレット ⇒ プラチナを一段階減量

③ 骨髄抑制が強く出る患者の新規レジメン導入時 ⇒ 一段階減量

中止/休薬が必要な副作用は出ていないか?

  • 各レジメン毎の基準や適正使用ガイド等に従って中止/休薬の判断をする
  • 休薬後に再開を検討する場合は、副作用が重症化しないようなマネジメント/対策を行う(化学療法の減量など)。マネジメント/対策ができないのであれば再開はしないほうがよい。
  • 不可逆性の副作用については早めに中止/休薬を検討する(例えば中止基準がGrade3の場合はGrade2の時点で中止も検討する)

✅前投薬の確認(葉酸ビタミンB12など)

✅制吐剤の投与確認

✅その他の予防薬の確認(TKIの保湿剤など)

✅G-CSFの1次予防の適応は?(特にDTX+RAM)

✅G-CSFの2次予防の適応は?

  • 前回Grade4 Neutropenia 、FN、骨髄抑制の遷延 ⇒ 1段階減量+ジーラスタ

✅ケモ入力と指示、生食ロック処方

✅調剤確定、ルートキープ

✅Nadir(好中球の下限)はいつ頃?

✅次回のレシストは?

✅次回は入院?外来?

⇒点滴スケジュールが問題なし+有害事象がgrade2以下なら外来も可能

外来ケモ室の予約

✅LD-SCLCがCR・GoodPRの場合 ⇒ 予防的全脳照射(PCI)を検討

 

フォローアップ

✅血液検査…入院時、7日後、10日後、14日後に採血を施行する。

✅レントゲンは入院中は週に1回

✅プラチナ製剤(主にシス)使用の場合は使用後3~5日間の体重測定、飲水量測定、尿量測定を行う

✅初回のレジメンは副作用とNadir確認のために2週間入院。

⇒血球減少がgrade0~2かつ, その他の副作用も軽微であれば、次回からは点滴後に退院 or 外来でのケモに切り替えを検討する

✅RECIST CTは2コースに1回評価。原則造影CT(特にPDが疑われる場合)

✅頭部造影MRI:脳転移がある・治療中の人は3ヶ月毎にフォロー。脳転移がない・安定している人は半年毎にフォロー。

腫瘍マーカーが上昇してるにも関わらずSDの場合は脳転移骨転移を評価する。

✅治療反応が不十分な場合は再生検を考慮(重複癌や形質転換の確認)

 

カルテ記載例

#1.右上葉肺腺癌(cT4N2M1a(BRA, OSS) cStageⅣB) EGFR mutation(-)、PDL-1(TPS %)、ALK-fusion(-)、ROS1(-)、BRAF(-)

 

【チェックリスト】

◇現クールの有害事象:Gr~。irAEは? 治療の休薬・減量基準は?

◇過去の有害事象:好中球減少Gr~。Nadir day~

◇標的病変:

◇RECIST CT:

◇頭部MRI

◇心エコー:

ジーラスタ:

◇ランマーク:

メチコバール

HBV-DNA:

【今後の予定】

【化学療法歴】

放射線治療歴】

 

レジメンの選択

腺癌, EGFR mutation陰性 1次治療

f:id:kodomonotsukai:20220326170707p:plain

 

①BEVが投与可能ならCBDCA+PTX+BEV。BEV投与不可ならCBDCA+nab-PTX、CBDCA+PTX、CBDCA+S-1より選択。

②CBDCA+nab-PTX、CBDCA+PTX、CBDCA+S-1より選択。プラチナが投与できそうにない場合はVNR、S-1より選択。

③CDDP+PEM+Pembro、CBDCA+PEM+Pembro、CBDCA+PTX+BEV+Atezo、CBDCA+PTX+Atezo、CBDCA+nab-PTX+Atezoより選択。

ICIを併用しない場合はCDDP(CBDCA)+PEM+BEV、CBDCA+PTX+BEV、CDDP(CBDCA)+PEM、CBDCA+PTX、CBDCA+nab-PTX、CBDCA+S-1

④CDDP+PEM+Pembro、CBDCA+PEM+Pembro、CBDCA+PTX+BEV+Atezo、CBDCA+PTX+Atezo、CBDCA+nab-PTX+Atezoより選択。

ICIを併用しない場合はCDDP(CBDCA)+PEM+BEV、CBDCA+PTX+BEV、CDDP(CBDCA)+PEM、CBDCA+PTX、CBDCA+nab-PTX、CBDCA+S-1

⑤CBDCA+PEM、CBDCA+PTX、CBDCA+nab-PTX、CBDCA+S-1より選択。プラチナが投与できそうにない場合はDTX単剤またはPEM単剤。

⑥VNR、S-1より選択。非常に元気な人であればCBDCA+nab-PTX、CBDCA+PTX、CBDCA+S-1も検討する。

⑦DTX投与可能ならDTX単剤。DTX投与不可ならPEM単剤。PD-L1>50%ならICI単剤。非常に元気な人であればCBDCA+PEM±Pembro、CBDCA+PTX±Atezo、CBDCA+nab-PTX±Atezoも検討する。

⑧DTX投与可能ならDTX単剤。DTX投与不可ならPEM単剤。非常に元気な人であればイピリブマブ+ニボルマブ、CBDCA+PEM、CBDCA+PTX、CBDCA+nab-PTX、CBDCA+S-1も検討する。

⑨DTX投与可能ならDTX単剤。DTX投与不可ならPEM単剤。

 

腺癌, EGFR mutation陽性 1次治療

f:id:kodomonotsukai:20220326214645p:plain

 

腺癌, mutation陰性 1次治療より選択

②オシメルチニブ

③ゲフィチニブ(PS2ならエルロチニブも可)

④アファチニブもしくはオシメルチニブ

⑤ゲフィチニブ(PS2ならエルロチニブも可)

腺癌, mutation陰性 1次治療より選択

 

腺癌, EGFR mutation陰性 2次治療

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①VNR、S-1、nab-PTXより選択

②PD-L1陽性でPembro単剤、PD-L1陰性でNivo単剤、Atezo単剤、DTX±RAM。

③DTX投与可能ならDTX単剤。DTX投与不可ならPEM単剤。その他、VNR、S-1、nab-PTX、GEM、AMRなど。

④VNR、S-1、nab-PTXより選択

⑤DTX投与可能ならDTX単剤。DTX投与不可ならPEM単剤。その他、VNR、S-1、nab-PTX、GEM、AMRなど。

⑥DTX±RAM

⑦DTX投与可能ならDTX単剤。DTX投与不可ならPEM単剤。その他、VNR、S-1、nab-PTX、GEM、AMRなど。

⑧DTX投与可能ならDTX単剤。DTX投与不可ならPEM単剤。その他、VNR、S-1、nab-PTX、GEM、AMRなど。

 

腺癌, EGFR mutation陽性 2次治療

f:id:kodomonotsukai:20220326231755p:plain

 

腺癌, mutation陽性 1次治療より選択

腺癌, mutation陰性 1次治療より選択

③オシメルチニブ

腺癌, mutation陰性 1次治療より選択

腺癌, mutation陰性 1次治療より選択

 

扁平上皮癌 1次治療

f:id:kodomonotsukai:20220326170707p:plain

 

①CBDCA+nab-PTX、CBDCA+PTX、CBDCA+S-1より選択。

②CBDCA+nab-PTX、CBDCA+PTX、CBDCA+S-1より選択。プラチナが投与できそうにない場合はVNR、S-1より選択。

③CBDCA+PTX+Pembro、CBDCA+PTX+Atezo、CBDCA+nab-PTX+Atezoより選択。

ICIを併用しない場合はCBDCA+S-1、CDGP+PTX、CDDP+GEMより選択。

④CBDCA+PTX+Pembro、CBDCA+PTX+Atezo、CBDCA+nab-PTX+Atezoより選択。ICIを併用しない場合はCBDCA+S-1、CDGP+PTX、CDDP+GEMより選択。

⑤CBDCA+PTX、CBDCA+nab-PTX、CBDCA+S-1より選択。プラチナが投与できそうにない場合はDTX単剤、VNR、S-1等から選択。

⑥VNR、S-1より選択。非常に元気な人であればCBDCA+nab-PTX、CBDCA+PTX、CBDCA+S-1も検討する。

⑦DTX投与可能ならDTX単剤。PD-L1>50%ならICI単剤。非常に元気な人であればCBDCA+PTX±Pembro、CBDCA+PTX±Atezo、CBDCA+nab-PTX±Atezo。

⑧DTX投与可能ならDTX単剤。非常に元気な人であればCBDCA+nab-PTX、CBDCA+PTX、CBDCA+S-1も検討する。

⑨DTX投与可能ならDTX単剤。難しい場合はVNR、S-1から選択。

 

扁平上皮癌 2次治療

f:id:kodomonotsukai:20220326230254p:plain

①VNR、S-1、nab-PTXより選択

②PD-L1陽性でPembro単剤、PD-L1陰性でNivo単剤、Atezo単剤、DTX±RAM。

③DTX投与可能ならDTX単剤。DTX投与不可ならVNR、S-1、nab-PTX、GEM、AMRなど。

④VNR、S-1、nab-PTXより選択

⑤DTX投与可能ならDTX単剤。DTX投与不可ならVNR、S-1、nab-PTX、GEM、AMRなど。

⑥DTX±RAM

⑦DTX投与可能ならDTX単剤。DTX投与不可ならVNR、S-1、nab-PTX、GEM、AMRなど。

⑧DTX投与可能ならDTX単剤。DTX投与不可ならVNR、S-1、nab-PTX、GEM、AMRなど。

 

小細胞癌 1次治療

①CDDP(CBDCA)+ETP

②CBDCA+ETP+AtezolizumabまたはCBDCA+ETP+durvalmab

③CBDCA+ETP

④CBDCA+ETP、split PE

⑤CBDCA+ETP、CBDCA+CPT-11、split PE、非常に元気な80歳以下の人であればCBDCA+ETP+Atezolizumab、CBDCA+ETP+durvalmabも検討。

⑥CBDCA+ETP、split PE

⑦CBDCA+ETP、split PE

⑧CBDCA+ETP、CBDCA+CPT-11、split PE

 

小細胞癌 2次治療

■Sensitive relapseの場合(初回治療終了後から再発までの期間が60~90日以上)

NGT単剤 or AMR単剤を使用する。ETPを使用していない場合はCBDCA+ETPも可。

■Refractory relapseの場合(初回治療終了後から再発までの期間が60~90日以内)

AMR単剤を使用する。

間質性肺炎のある患者の場合

NGT単剤を使用する。

 

小細胞癌 3次治療以降

間質性肺炎なし

イリノテカン単剤、AMR単剤、NGT単剤、nab-PTX単剤などから選択する。

MSI-Highが陽性の場合はICIを使用検討。

間質性肺炎あり

NGT単剤、nab-PTX単剤などから選択する。

 

同時化学放射線療法(CCRT)

追記します

 

HAV criteria

以下の基準を全て満たす間質性肺炎にはICI使用を検討しても良い

・蜂巣肺なし

・自己抗体が陰性

・%VCが80%以上で拘束性障害がない

 

レジメン毎のチェックリスト

追記します

 

その他の特殊な腫瘍に対するレジメン

  • 大細胞癌:NCCNのガイドライン上は非小細胞肺癌の分類
  • LCNEC:小細胞癌のケモ、NETの要素があるならmTORも?
  • NET→mTOR(エベロリムス:アフィニトール)
  • 多形癌→タキサン系
  • 肉腫→タキサン系、ボトリエント
  • 原発不明癌→タキサン系

 

 

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全身倦怠感

 

 

鑑別

 

最初の検査

✅採血4本、血ガス、尿定性・沈渣、Hb、Na、K、Ca、Mg、P、TP、Alb、肝腎機能、CK、HbA1cBNP、FT4、TSH、ACTH/コルチゾール(早朝採血が良い。ランダムも可)⇒ Rapid ACTH試験

✅被疑薬の変更・中止を検討(ケモ、irAE、抗うつ薬睡眠薬オピオイドなど)

✅心電図、心エコー、胸部X線写真(心疾患の評価)

✅全身CT(悪性腫瘍や感染のfocusの評価)

✅熱源・炎症の精査:血液培養β-Dグルカン、QFT、抗MAC抗体、全身造影CT、心エコー(IEの評価)、HBs抗原、HCV抗体、IgM-VCA抗体、IgG-VCA抗体、EBNA抗体、C7-HRP、HIV検査、IgG、IgA、IgM、赤沈、抗核抗体、RF、抗CCP抗体、補体、SS-A、SS-B、抗ARS抗体、フェリチン、ANCA、クリオグロブリン、可溶性IL-2R

経験的抗菌薬治療

✅必要に応じて、精神科・心療内科等にコンサルト(精神疾患自律神経失調症などの評価)、内分泌内科や婦人科コンサルト(内分泌疾患、更年期障害、LOH症候群などの評価)、膠原病内科コンサルト。

 

 

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呼吸器内科外来チェックリスト

 

 

COPD

COPDの増悪がないか確認(痰量増加、呼吸苦増悪、喘鳴、CAT5点以上増悪

⇒ 増悪あれば採血・胸部X線写真、必要に応じて胸部CT

ABCアプローチ

✅1~3か月ごとにフォロー

✅3ヶ月~半年に1回胸部X線写真、1年に1回胸部CTによるスクリーニング。

✅半年~1年おき位に呼吸機能検査

✅息切れ増悪(mMRC grade2以上)、安静時SPO₂≦94%、重症度Ⅲ度以上の場合

⇒ 半年毎に6分間歩行・呼吸機能検査。血ガスを適宜施行。必要なら肺高血圧の評価。

⇒ 在宅酸素、SPO2モニター購入、呼吸リハ、身体障害者の申請。在宅酸素導入後は1ヶ月毎にフォロー。

※HOTを導入を希望しない場合には突然死のリスクについて十分説明しておく。

✅吸入治療、痰切り、必要なら少量EM

✅重症度Ⅲ以上で心エコー、心電図

✅肺癌の発症リスクや急性増悪についての説明

✅肺炎球菌ワクチン、インフルエンザワクチン

✅禁煙指導

✅吸入指導⇒エアゾール、スペーサー

✅呼吸リハ(肺高血圧がひどくなければ)

✅栄養療法:エンシュア・リキッド®:250〜500 kcal/日

身体障害者の申請

 

気管支喘息

✅重症な場合やコントロール不良な場合は2次性の原因の評価

✅喘息発作がないか確認(息切れ、喘鳴)

⇒ 採血・胸部X線写真

ABCアプローチ

✅治療導入時は2~3週間後にフォロー

✅コントロール良好であれば2~3か月に1回のフォロー

✅3~6か月に1回の呼吸機能検査(ステップダウンは3か月ごと。β2はなしでOK)

✅レントゲンは半年~1年に1回

✅コントロール不良の場合は抗体製剤を検討

  • 好酸球副鼻腔炎があるか?⇒ あれば難病申請
  • 医療費について医事科に説明を依頼
  • 限度額適応認定証の申請

 

IPF

無治療の場合

✅1~3ヶ月毎にフォロー

✅血液検査(KL-6)を3か月~半年に1回(2次性の可能性がある場合は各種抗体検査も適宜再検する

✅胸部X線写真を2~3ヶ月に1回、胸部CTを半年~1年に1回(線維化の進行、悪性腫瘍の合併の有無)

✅呼吸機能(DLCOを含めて)を半年~1年に1回(PF-ILDの基準を満たすか?)、併せて6分間歩行もできれば評価を行う。血ガスを適宜施行。

✅息切れ増悪(mMRC grade2以上)、安静時SPO₂≦94%の場合

⇒ 半年毎に6分間歩行・呼吸機能検査。血ガスを適宜施行。必要なら肺高血圧の評価。

⇒ 在宅酸素、SPO2モニター購入、呼吸リハ、身体障害者の申請。在宅酸素導入後は1ヶ月毎にフォロー。

※HOTを導入を希望しない場合には突然死のリスクについて十分説明しておく。

✅心エコー・心電図を必ず評価

✅禁煙指導

✅肺炎球菌ワクチン、インフルエンザワクチン

✅呼吸リハ(肺高血圧がひどくなければ)

身体障害者の申請

✅Ⅲ・Ⅳ期になったら特定疾患の申請も検討

エビデンスはないが、息切れに気管支拡張薬吸入も検討

 

治療を導入する場合

✅Ⅰ、Ⅱ期の場合は3ヶ月間ニンテダニブを使用した後に特定疾患の申請(軽症特例)

  • 医療費について医事科に説明を依頼
  • 限度額適応認定証の申請

✅Ⅲ、Ⅳ期は特定疾患の申請が降りてからニンテダニブを開始

✅治療導入時は2週間毎にフォロー(+採血)

✅安定したら1~2ヶ月に1回フォローする。

ニンテダニブの副作用(下痢や嘔気などの消化器症状、肝機能障害)

ピルフェニドンの副作用(日光過敏症、肝障害)

✅血液検査(KL-6や肝腎機能障害の精査)を2か月に1回(2次性の可能性がある場合は各種抗体検査も適宜再検する

✅胸部X線写真を2~3ヶ月に1回、胸部CTを画像半年~1年に1回(線維化の進行、悪性腫瘍の合併の有無)

✅半年に1回くらい呼吸機能検査(DLCOを含めて)を行い、治療効果のモニタリング。併せて6分間歩行もできれば評価。血ガスを適宜施行。

✅息切れ増悪(mMRC grade2以上)、安静時SPO₂≦94%の場合

⇒ 半年毎に6分間歩行・呼吸機能検査。血ガスを適宜施行。必要なら肺高血圧の評価。

⇒ 在宅酸素、SPO2モニター購入、呼吸リハ、身体障害者の申請。在宅酸素導入後は1ヶ月毎にフォロー。

※HOTを導入を希望しない場合には突然死のリスクについて十分説明しておく。

身体障害者の申請

✅心エコー・心電図を必ず評価

✅禁煙指導

✅肺炎球菌ワクチン、インフルエンザワクチン

✅呼吸リハ(肺高血圧がひどくなければ)

エビデンスはないが、息切れに気管支拡張薬吸入も検討

 

間質性肺炎のフォロー(ステロイド導入中)

✅1ヶ月に1回のフォロー(ステロイドの減量が必要だから。)

✅毎月血液検査。KL-6やSP-Dは2~3か月ごとに1回程度で良い。(2次性の可能性がある場合は各種抗体検査も適宜再検する

✅胸部X線写真も月1回。

✅胸部CTを3ヶ月~半年に1回。

✅半年~年に1回くらいは呼吸機能検査(DLCO含めて)を行い、治療効果のモニタリング。併せて6分間歩行もできれば評価。血ガスを適宜施行。

✅息切れ増悪(mMRC grade2以上)、安静時SPO₂≦94%の場合

⇒ 半年毎に6分間歩行・呼吸機能検査。血ガスを適宜施行。必要なら肺高血圧の評価。

⇒ 在宅酸素、SPO2モニター購入、呼吸リハ、身体障害者の申請。在宅酸素導入後は1ヶ月毎にフォロー。

※HOTを導入を希望しない場合には突然死のリスクについて十分説明しておく。

✅禁煙指導

✅肺炎球菌ワクチン、インフルエンザワクチン

✅呼吸リハ(肺高血圧がひどくなければ)

 

肺癌

初診時評価、術前評価

以下をルーチンで評価する。

✅PSと年齢(85歳以上、PS3以上は化学療法は厳しい。TKIのみ)

⇒ケモができそうにない場合に根治治療の選択肢は?(オペ、放射線単独など。安易にBSCにしない!

✅認知機能は大丈夫か?(従命はとれるか?治療や検査の理解はできるか?)  

急変リスクの評価(急変時DNARの確認)

✅採血(腫瘍マーカー、凝固、感染症

✅胸部X線写真

✅全身造影CT(頭部~骨盤部まで)

  • 同意書取得
  • 術前なら血管の3D構築まで

✅心エコー、心電図

✅呼吸機能検査(術前でなければ不要)

喀痰細胞診

✅気管支鏡

  • 術前採血(血小板、凝固、感染症リスク)
  • 気管支鏡が施行できる呼吸状態か?
  • 熱はないか?血圧や脈拍は問題ないか?
  • 従命はとれるか?
  • 心電図
  • 心エコー(必要なら)
  • 心血管系のリスク評価(心不全脳出血動脈瘤SVCなど)
  • その他の気管支鏡の禁忌は?(頸椎不安定など)
  • 同意書取得
  • 血栓薬の休薬、ヘパリンブリッジ(止めて良いか主科に確認)
  • 食止め
  • 血糖降下薬休薬、インスリンの休薬
  • 検査オーダー(気管支鏡オーダー、組織、細胞診、培養、BAL分画など)
  • 点滴、鎮静薬、鎮痛薬オーダー(ミダゾラムペチジンが使えない疾患の有無)
  • 指示
  • 検査後オーダー(胸部X線、予防的抗菌薬)

✅頭部造影MRI(脳転移の評価)

  • 同意書取得
  • 術前は必須ではない(Operableな初期のLKなら撮らないことも)

✅PET-CT(外来で撮像)⬅必須!(術前にも必要)

  • 同意書取得

胸膜播種・胸水の確認(胸水穿刺、診査胸腔鏡)

リンパ節など、ステージングに影響を及ぼす部位の生検・検査

 

化学療法前

こちら を参照

 

BSCの場合

緩和ケア外来や近医の呼吸器外来に紹介を検討
(いざというときに入院できるように!麻薬の管理もお願いする!)

✅2週間~1ヶ月毎にフォロー

✅採血・腫瘍マーカーを1~2ヶ月に1回

✅胸部X線写真を1ヶ月に1回

✅全身造影CT(頭~骨盤)を4ヶ月~半年に1回(特に脳転移の出現に注意しながら経過を見る

✅可能なら頭部造影MRI

脳転移がある・治療中の人は3ヶ月毎にフォロー

脳転移がない・安定している人は半年毎にフォロー。

 

術後フォロー

✅術後4年間は経過観察が望ましい。

✅最初の半年くらいは3か月ごとに血液検査(腫瘍マーカー測定)、胸部X線、全身造影CT ⇒ 以後は半年毎にフォローアップ

✅再発が疑われた場合は全身造影CTPET-CTを施行 再発確認のために生検(遺伝子変異の再確認も必要)を行う!

局所再発であればサルベージを考慮する。

 

HOTの患者

✅月1回フォロー(在宅酸素の加算)

✅半年に1回、呼吸機能・6分間歩行。半年~1年に1回は血ガス ⇒ HOTの流量調節

✅SPO2モニター購入(酸素会社からレンタルできる場合もある)

身体障害者の申請

 

肺非結核性抗酸菌症

治療する場合

✅治療導入時は2週間毎にフォロー(+採血)

✅安定したら2か月毎にフォローアップ

✅2ヶ月に1回採血

✅2か月に1回胸部X線写真

✅半年に1回胸部CT

✅治療期間は喀痰陰性化から1年~2年なのでこまめに喀痰培養提出を。

✅陰影増悪時:本当にNTMの増悪?、まずは抗菌薬投与、薬剤感受性の再確認や真菌などの混合感染の評価(気管支鏡を検討する

✅息切れ増悪(mMRC grade2以上)、安静時SPO₂≦94%の場合

⇒ 半年毎に6分間歩行・呼吸機能検査。血ガスを適宜施行。必要なら肺高血圧の評価。

⇒ 在宅酸素、SPO2モニター購入、呼吸リハ、身体障害者の申請。在宅酸素導入後は1ヶ月毎にフォロー。

※HOTを導入を希望しない場合には突然死のリスクについて十分説明しておく。

✅肺病変が重症な場合は心電図・心エコー

✅呼吸リハ(肺高血圧がひどくなければ)

 

治療しない場合

✅2~3ヶ月毎にフォロー。軽いなら半年~年に1回程度のフォロー。

✅2~3ヶ月に1回程度の胸部X線写真と半年~年に1回の胸部CT。

✅息切れ増悪(mMRC grade2以上)、安静時SPO₂≦94%の場合

⇒ 半年毎に6分間歩行・呼吸機能検査。血ガスを適宜施行。必要なら肺高血圧の評価。

⇒ 在宅酸素、SPO2モニター購入、呼吸リハ、身体障害者の申請。在宅酸素導入後は1ヶ月毎にフォロー。

※HOTを導入を希望しない場合には突然死のリスクについて十分説明しておく。

✅肺病変が重症な場合は心電図・心エコー

✅呼吸リハ(肺高血圧がひどくなければ)

 

サルコイドーシス

無治療の場合

✅半年毎のフォロー

✅半年毎の胸写

✅半年毎の心電図

✅循環器内科コンサルトし、ホルター心電図施行

✅1年に1回の採血、尿検査、胸部CT、心エコー、呼吸機能検査

✅肺以外の症状(皮膚や骨、眼、心臓、神経、筋)にも注意。

  • 眼は眼科診察(眼科診察は必須)
  • 皮膚は皮膚生検
  • 神経は神経伝導速度検査や神経生検
  • 筋肉・骨はCTや造影MRI
  • その他、異常がある部位の生検(腎生検、肝生検など)

特定疾患の申請(Ⅲ期とⅣ期)

 

治療中の場合

✅1ヶ月に1回のフォロー(ステロイドの減量が必要だから。)

✅毎月血液検査(Ca)。KL-6やSP-D、ACE、尿検査は2~3か月ごとに1回程度で良い。

✅胸部X線写真も月1回。

✅胸部CTを半年に1回。

✅年に1回呼吸機能検査(DLCO含めて)、心エコー

✅半年毎の心電図

不整脈がある場合はホルター心電図

✅息切れ増悪(mMRC grade2以上)、安静時SPO₂≦94%の場合

⇒ 半年毎に6分間歩行・呼吸機能検査。血ガスを適宜施行。必要なら肺高血圧の評価。

⇒ 在宅酸素、SPO2モニター購入、呼吸リハ、身体障害者の申請。在宅酸素導入後は1ヶ月毎にフォロー。

※HOTを導入を希望しない場合には突然死のリスクについて十分説明しておく。

✅肺以外の症状(皮膚や骨、眼、心臓、神経、筋)にも注意。

・眼は眼科診察

・皮膚は皮膚生検

・神経は神経伝導速度検査や神経生検

・筋肉・骨はCTや造影MRI

✅肺炎球菌ワクチン、インフルエンザワクチン

 

ステロイドユーザーのフォローアップ

ステロイド5点セット

PPI、②ST合剤(毎日 or 隔日投与)、③血糖測定(HbA1c)、④ビスホスホネート製剤の投与前に歯科受診、⑤ビスホスホネート製剤

✅QFT陽性 ⇒ INH予防投薬

HBc抗体陽性 ⇒ HBV-DNAを2ヶ月毎にフォロー ⇒ 1.3log以上で消化器内科紹介

✅2~3か月に1回、HbA1c、IgG、TG、T-chol、LDL-C、HDL-C測定。

✅β-DグルカンとC7HRPは最初は1~2週間毎くらいにフォロー。

⇒ その後は3~6か月に1回フォロー。肺に影が出た時、炎症高値、異型リンパ球の上昇、肝機能障害、血小板低下が見られた時などは再検が必要。

 

心エコー・心電図

下記の場合は評価を行う

✅重症度Ⅲ期以上のCOPD

✅mMRC2以上のIP

膠原病

✅心雑音・浮腫、心拡大あり、心電図変化あり

✅肺病変の割に呼吸苦が強い人

✅その他の重症な肺疾患(肺性心の除外)

 

各種申請の際の必要な検査・準備

IPFの特定疾患

✅呼吸機能、KL-6、SP-D、SP-A、血ガス、6分間歩行試験、胸部X線写真、胸部CT

✅役所から申請書を取ってきてもらう

 

身障者の申請

✅血ガス、呼吸機能検査、mMRC、胸部X線写真

✅役所から申請書を取ってきてもらう

 

HOTの申請

禁煙(火気厳禁)

✅血ガス、肺機能、6分間歩行試験

⇒酸素屋に連絡、指導用DVD視聴、HOT指示書作成。

✅入院中の患者であれば入浴時や排泄時の酸素化もモニタリングしておく。

✅6分間歩行試験で酸素化が下がらない人は「入浴時、排泄時の酸素化」、「階段昇降時の酸素化」をモニタリングしてみる。

 

外来管理が難しくなったら

介護保険の申請、介護保険の区分変更、介護サービスの導入

往診医もしくは施設嘱託医にフォローを依頼し、通院間隔を延ばす

✅その他の介護サービス(訪問看護や訪問リハ等)の導入も勧める

✅通院が全くできない場合は「在宅医療」±「何かあったときのみ自宅近くの病院に入院(バックベッド)」の形にしておく

療養型病院での療養も検討事項

 

 

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呼吸器内科まとめ <INDEX>

 

 

一般診療

検査

間質性肺疾患

肺癌

感染症

胸水

 

 

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しびれ・異常感覚

 

 

フローチャート

 

しびれの表現

✅知覚過敏(Hyperesthesia)

✅知覚鈍麻(Hypesthesia)

✅無感覚(Anesthesia)

✅異常感覚(dysesthesia)

✅錯感覚(paresthesia)

 

Red Flag Sign

経過が急性、進行性増悪が目立つ

脳梗塞/脊髄梗塞、腫瘍、GBS、傍腫瘍性神経症候群、免疫介在性ニューロパチー(GBS、CIDP、MMN)

運動障害が目立つ

脳梗塞/脊髄梗塞、腫瘍、GBS、CIDP、多巣性運動ニューロパチー

左右非対称性

脳梗塞、脳腫瘍、血管炎、感染性など

Length dependentではない(四肢近位障害も目立つ)

⇒GBS、CIDP、神経炎、悪性リンパ腫、サルコイドーシスなど

若年発症

シャルコーマリートゥース病などの遺伝性ニューロパチー

痛みがある

⇒急性動脈閉塞症、ASO、TAO

電気生理評価が「脱髄型」

 

鑑別疾患

多発神経障害

DANG THERAPIST

 

多発単神経障害

血管炎性、肉芽腫性、自己免疫性が多い

 

単神経障害

※血管障害は神経根障害と症状が似ているので鑑別を!

 

脊髄・神経根疾患

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検査

✅分からなければ神経内科コンサルト

まずは画像検査を検討する!

片側性:頭部CT/頭部MRI⇒脊髄CT/脊髄MRI脳卒中≫脊髄・末梢)

両側性:脊髄CT/脊髄MRI(脊髄≫脳卒中

単肢:頭部CT/脊髄CT⇒頭部MRI/脊髄MRI(基本的には末梢・脊髄>脳卒中

※単肢の症状の場合に脳卒中を疑うポイント

  1. 急性発症
  2. 末梢性に矛盾する神経所見
  3. 口周りのしびれ:手口症候群(pure sensory stroke)

✅採血4本(血算、生化、血糖、凝固)、電解質(K、Mg、Ca)

✅血ガス(酸塩基平衡の異常、過換気の除外)

✅薬剤歴の確認 ⇒ 被疑薬の変更・中止。(とくに多発神経障害の時)

血流障害を疑う場合

急性動脈閉塞症を疑う場合は血ガス、造影CT(6時間以内がゴールデンタイム)、ASOやTAOを疑う場合はABI、造影CT ⇒ 循環器内科コンサルト

多発神経障害を疑う場合

スクリーニング:HbA1c被疑薬の変更・中止電解質(K、Ca)、ビタミンB1/6/12、葉酸、銅、TSH、FT4、免疫グロブリン(IgG、IgA、IgM)、IgG4、血清M蛋白の評価(血清蛋白分画 ⇒ Mピークがあれば血清FLC、血液・尿の免疫固定法、尿中BJP、骨髄穿刺)

追加検査:膠原病性ニューロパチーの評価(赤沈、抗核抗体、RF、抗CCP抗体、SS-A、SS-B、C3、C4、CH50、MPO-ANCAPR3-ANCA、抗ARS抗体)、ACE、可溶性IL-2R、血清SAA、ウイルス感染の除外(HIV、B肝・C肝、CMV、EBV、HTLV-1など)、神経伝導速度検査、ルンバール(髄液オリゴクローナルバンド:髄液中の抗体の有無を評価、IgG indexの測定)、障害部位が分からない場合は体性感覚誘発電位。傍腫瘍性が疑われる場合はPNS抗体(傍腫瘍性神経症候群)、自己免疫性が疑われる場合は各疾患の抗ガングリオシド抗体、MAG抗体/SGPG抗体等を提出する。必要に応じて脊髄造影MRI(上位運動ニューロン障害の除外)、神経生検(血管炎、アミロイドーシス、サルコイドーシスなど、腓腹神経の生検)を提出する。

その他:家族性アミロイドーシス、CMT、遺伝性圧脆弱性ニューロパチーの遺伝子検査など。

多発単神経障害を疑う場合(血管炎等を中心に検査を行う)

スクリーニング:HbA1c免疫グロブリン(IgG、IgA、IgM)、IgG4、血清M蛋白の評価(血清蛋白分画 ⇒ Mピークがあれば血清FLC、血液・尿の免疫固定法、尿中BJP、骨髄穿刺)、膠原病性ニューロパチーの評価(赤沈、抗核抗体、RF、抗CCP抗体、SS-A、SS-B、C3、C4、CH50、MPO-ANCAPR3-ANCA、抗ARS抗体)、ACE、神経伝導速度検査、神経生検(血管炎、アミロイドーシス、サルコイドーシスなど、腓腹神経の生検)、障害部位が分からない場合は体性感覚誘発電位など。

追加検査:可溶性IL-2R、血清SAA、ウイルス感染の除外(HIV、B肝・C肝、CMV、EBV、HTLV-1など)、ルンバール(髄液オリゴクローナルバンド:髄液中の抗体の有無を評価、IgG indexの測定)。傍腫瘍性が疑われる場合はPNS抗体(傍腫瘍性神経症候群)、自己免疫性が疑われる場合は各疾患の抗ガングリオシド抗体、MAG抗体/SGPG抗体等を提出する。必要に応じて脊髄造影MRI(上位運動ニューロン障害の除外)を提出する。

多発性硬化症や脊髄炎などの脊髄病変を疑う場合

脊髄造影MRI ⇒ 2次性の評価目的でESR、CK、ビタミンB12葉酸、TSH、FT4、免疫グロブリン、ウイルス感染の除外(HIV、B肝・C肝、CMV、EBVなど。ADEMの原因となる)、自己免疫疾患による横断性脊髄炎の評価(抗核抗体、RF、抗CCP抗体、SS-A、SS-B、C3、C4、CH50)、MPO-ANCA、PR3-ANCA、ACE、可溶性IL-2R、抗カルジオリピン抗体、カルジオリピンβ2グリコプロテイン、ループスアンチコアグラント、抗アクアポリン4抗体、MOG抗体、HTLV-1抗体、傍腫瘍性が疑われる場合はPNS抗体(傍腫瘍性神経症候群)、ルンバール(髄液オリゴクローナルバンド:髄液中の抗体の有無を評価、IgG indexの測定)、神経伝導速度検査、障害部位が分からない場合は体性感覚誘発電位など。

神経根障害を評価する場合

脊椎X線(前屈位・後屈位)と脊髄MRI整形外科コンサルト

絞扼性神経障害の評価する場合

障害部位のMRI、神経伝導速度検査 ⇒ 整形外科コンサルト

近位筋優位の脱力の場合

MMT評価、CKアイソザイム、アルドラーゼ、筋肉のMRI、針筋電図、抗アセチルコリン受容体抗体、Musk抗体、胸腺の評価、TSH、FT4。炎症性筋疾患が疑われる場合には炎症性ミオパチーの項を参照。悪性腫瘍が疑われる場合は抗VGCC抗体など。

間欠性跛行の場合

脊柱管狭窄症やヘルニアを疑う場合は脊髄MRI。ASOやTAOを疑う場合はABI、造影CT ⇒ 循環器内科コンサルト

✅運動ニューロン疾患の評価(ALS等)

 

対症療法

虚血性のしびれ

オパルモン錠5μg 3錠分3 毎食後

 

末梢神経障害によるしびれ

メチコバール500μg 3錠分3 毎食後

 

神経障害性疼痛

メチコバール500μg 3錠分3 毎食後

② ガバペンチノイド

  • リリカ 25mg 1錠 眠前(もしくは朝・眠前)より開始。腎機能による調節が必要
    (眠気やふらつきの副作用が強いので、少量から1~3日毎に漸増していく。)
  •  タリージェ 5mg 2錠分2 朝・夕食後より徐々に漸増する。

SNRIや三環系抗うつ薬

 

化学療法による神経障害性疼痛(特にプラチナ系)

サインバルタ20mg 1CP 眠前より開始 ⇒ 60mgまで増量可

 

 

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オピオイドの使い方

 

 

WHO方式三段階鎮痛法

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鎮痛薬使用の5原則

✅経口的に(by mouth)

✅時刻を決めて規則正しく(by the clock)

✅除痛ラダーにそって効力の順に(by the ladder)

✅患者ごとの個別的な量で(for the individual)

✅その上で細かい配慮を(with attention to detail)

 

オピオイドの使い分け

  • 基本は内服薬
  • 内服困難な場合は貼付剤や注射剤
  • 痛みが非常に強い場合は一時的に持続注射に変更も考慮

 

オピオイドの内服の使い方

オキシコドン

ベース

オキシコンチン 5mg×2→10mg×2→15mg×2→・・・ 8時と20時に内服

 

レスキュー

オキノーム 1日のベース量の1/6~1/4で使用。

1時間空けて追加内服可。(回数制限なし)

 

吐き気と便秘の副作用が出やすいので、あらかじめ以下を処方する。

①ノバミン5mg 3T3×食後 ⇒ 数日で頓服に変更する(数日で耐性が生じる)

②マグミット330mg 3T3×(自己調節可)

プルゼニド12mg 2錠眠前(自己調節可)

 

フェントステープ

気管支喘息は禁忌!肝機能障害に注意。

ベース

・フェントステープ 0.5mg→1.0mg→2.0mg→3.0mg→4.5mg→6.0mg・・・

 

レスキュー

アブストラル 

・初回投与量は100μgからスタートするようにする。

・1回の上限は800μg

 

①痛むときアブストラル100μgを1錠を舌下投与。30分たっても十分な鎮痛が得られない場合はさらに1錠追加内服可。

②追加内服を行っても4時間以内に痛みがある場合は「以前に使用していたレスキュー」を使用する。

アブストラルは4時間あけて1日4回まで(追加内服を含めて1日8回まで)

 

吐き気と便秘の副作用が出やすいので、あらかじめ以下を処方する。

①ノバミン5mg 3T3×食後 ⇒ 数日で頓服に変更する(数日で耐性が生じる)

②マグミット330mg 3T3×(自己調節可)

プルゼニド12mg 2錠眠前(自己調節可)

 

モルヒネ

※腎機能障害(eGFR<30)は原則禁忌

ベース

・MSコンチン 10mg×2→20mg×2→30mg×2→・・・

 

レスキュー

オプソ5mg 1包 1時間空けて反復可。(回数制限なし)

 

オピオイドタイトレーション

✅NRS>3が続く場合や3回以上/日のレスキューがある場合は30%~50%のベースアップを行う。

レスキューの合計量 or 50%増量 いずれか少ない方を採用する(過量投与にならないように)

モルヒネ換算で120mg/日以上の場合や高齢者、全身状態不良の患者等の場合は30%の増量とする。

 

✅増量間隔は持続皮下注射(静注)では24時間毎、徐放製剤では48時間毎、フェンタニル貼付剤では72時間毎を原則とする。

 

オピオイドの点滴の使い方

基本組成

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点滴早見表

f:id:kodomonotsukai:20220227225234p:plain

 

モルヒネ点滴の指示テンプレ

モルヒネの組成:

■時間~mlより開始

■ベースアップ:意識清明・RR≧10回を確認して8時間毎に増量可(以下の順で増量)

①~ml/hr ⇒ ②~ml/hr ⇒ ③~ml/hr ・・・

■頓用:①呼吸苦の訴えがある場合、または②RR≧24回の場合に使用。

意識清明・RR≧10回を確認して、1時間早送り。30分あけて反復使用可。

 

オキファスト・フェンタニル点滴の指示テンプレ

■オキファスト・フェンタニルの組成:

■時間~mlより開始

■ベースアップ:意識清明・RR≧10回を確認して8時間毎に増量可(以下の順で増量)

①~ml/hr ⇒ ②~ml/hr ⇒ ③~ml/hr ・・・

■疼痛時頓用:意識清明・RR≧10回を確認して、1時間早送り。30分あけて反復使用可。

 

オピオイド換算表

f:id:kodomonotsukai:20220321150023p:plain

 

オピオイドスイッチングの適応

①副作用が強く、オピオイドの投与継続や増量が困難な場合

②鎮痛効果が不十分な場合

 

オピオイドスイッチングのやり方

12時間徐放性経口薬→貼付剤

 

12時間徐放性経口薬→注射薬

 

12時間徐放性経口薬→24時間徐放性経口薬

 

24時間徐放性経口薬→貼付剤

 

24時間徐放性経口薬→注射薬

 

貼付剤→注射薬

 

貼付剤→経口薬

 

注射薬→経口薬

 

注射薬→貼付剤

 

 

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COVID-19の検査・治療(Ver.3)

 

 

★治療の原則は厚生労働省発行の「新型コロナウイルス感染症 診療の手引き」に従う

注)COVID-19の治療はエビデンスが少ない領域です。下記の治療内容については筆者が学会等で勉強したこと、筆者の感覚的な内容が多分に含まれています。参考程度と考えてください。

 

重症度分類

軽症:肺炎像なし

中等症Ⅰ:肺炎像あり。酸素化低下なし。

中等症Ⅱ:肺炎像あり。酸素化低下あり。

重症:侵襲的人工呼吸器管理を必要とするもの。

 

重症化リスク因子

✅65歳以上の高齢者 

✅悪性腫瘍 

COPD(喫煙歴) 

✅慢性腎臓病 

2型糖尿病 

✅免疫不全

✅高血圧 

脂質異常症 

✅肥満症(BMI 30以上) 

✅妊娠後期

 

重症化マーカー

総リンパ球数の減少、炎症反応上昇、LDH上昇、D-dimer上昇、フェリチン上昇、CK上昇、高感度トロポニンT上昇、IL-6上昇など。

IFN-λ3は中等症Ⅱ以上の症状が認められる数日前から上昇する。

f:id:kodomonotsukai:20210721211508p:plain

(引用:新型コロナウイルス感染症 診療の手引き 第5.3版) 

 

実際に重症化するかどうか?

重症化マーカーの上昇や胸部CTで肺容積減少、肺血管拡張所見(Pulmonary vascular enlargement)の所見が強い場合は重症化が予測されると言われるが・・・

実際には重症化症例を判別するのは難しい!!

 

★臨床上で個人的に重要だと思うのは

①発症から何日目か(発症から7~14日で重症化することが多い)

②見た目の重症感(重症感が強い人の方が重症化しやすい)

 

検査ルーチン

血算、生化、凝固(PT、APTT、Fib、D-dimer)、血ガス、LDHHbA1c、フェリチン、トロポニンT、HBs抗原、HBc抗体、HCV抗体、QFT、IgG、IgA、IgM、KL-6、尿定性・沈査、胸部CT。測定可能であればIL-6とIFN-λ3を測定する。

 

軽症例の治療フローチャート

f:id:kodomonotsukai:20220221013817p:plain

 

中和抗体

カシリビマブ/イムデビマブ(ロナプリーブ)

・重症化リスクを有する症例

・発症7日以内に単回点滴静注

酸素化低下例には適応外

濃厚接触者の発症抑制にも適応

オミクロン株の中和活性が低い(オミクロン株蔓延下ではソトロビマブを優先して使用する)

 

ソトロビマブ(ゼビュディ)

・重症化リスク因子を有する症例

・発症7日以内に単回点滴静注

酸素化低下例には適応外

濃厚接触者の発症抑制には適応外

オミクロン株の中和活性がある

 

モルヌピラビル(RNA合成酵素阻害剤)

・重症化リスク因子を有する症例

・発症5日以内

・1回800mg 1日2回 5日間内服

・催奇形性あり、服用後4日間の避妊が必要

 

中等症Ⅰの治療フローチャート

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レムデシビル(RNA合成酵素阻害剤)

・初日200mg(2V)、2日目~100mg(1V)

 2時間かけて点滴静注、5~10日間。

・抗体療法と併用可

・eGFR<30ml/minは原則投与しない(添加剤が尿細管障害を起こす)

・ALTが正常上限の5倍以上は慎重投与

 

中等症Ⅱ(酸素1~3L)の治療

✅レムデシビル+ステロイド(デキサメサゾン6mg/日等)

✅D-dimer上昇時、バリシチニブ使用時はヘパリン持注

✅バリシチニブ(オルミエント)併用も検討

 

中等症Ⅱ(酸素≧4L)の治療

ステロイドの増量

mPSL 1~2mg/kg/日、ステロイドパルス療法も検討

✅バリシチニブも併用

✅腹臥位療法

✅陰圧室でネーザルハイフロー使用を検討

 

ステロイドの投与方法

✅SPO2≦93%で

 ▸発症から1週間程度経過、CTで虚脱あり➼デキサメサゾン 6mg/日

 ▸陰影が広範囲かつ酸素需要が増加傾向➼ソル・メドロール 1~2mg/kg

✅酸素が4L以上必要➼ソル・メドロール 1~2mg/kg

✅陰影が広範囲かつmPSLでも悪化傾向➼ステロイドパルス

 

ステロイドパルス後のステロイド漸減の過程で肺炎像が増悪することがある(リバウンドと呼ぶ)。リバウンドを起こすと入院期間の延長や予後不良の割合が多くなる。

★個人的な感触ではあるが、重症例でステロイドパルス後にmPSL 1mg/kgに減量した際にリバウンドを起こしやすい印象。(mPSL 2mg/kg程度で継続したほうが良い?)

★発症から20日以上経過した症例ではリバウンドを起こす症例は少ない。

 

ヘパリンの使用方法

✅D-dimer上昇時もしくはバリシチニブを使用する場合に持注を行う

✅APTTはあまり延長させずにD-dimerを見ながらコントロールをすると良い

 

ヘパリンNa5000単位/5ml+生食15mlで使用(250単位/ml)

初回投与量は200単位/kg/日を24時間かけて持続点滴

APTTは毎日測定→安定したら2~3日おきに変更

★ATⅢを測定→低下している場合はヘパリンが効きにくくなるので補充検討

 

APTT 持続静注量
40秒以下 2単位/kg/h増量
40-44秒 1単位/kg/h増量
45-70秒 変更なし
71-80秒 1単位/kg/h減量
81-90秒 2単位/kg/h減量
90秒以上 1時間中止し3単位/kg/h減量で再開

 

バリシチニブ投与時の注意事項

使用の際はレムデシビルの併用が必須。

血栓症の副作用があり、原則として抗凝固(ヘパリン等)の併用が必須となる。

✅4mgを1日1回内服(最大14日間)、30≦eGFR<60の場合は2mgに減量、15≦eGFR<30の場合は2mgを48時間毎に内服、eGFR<15の場合は投与しない。

✅活動性肺結核の可能性がある、ALTが正常上限の5倍以上、好中球数が500未満、リンパ球が500未満、血小板が5万未満の場合は慎重投与

結核、非結核性抗酸菌症をあらかじめ評価を行う → 必要に応じてLTBIの治療やMACの治療

✅デノボ肝炎のリスク評価を行う → 必要に応じて拡散アナログ投与(日本肝臓学会:免疫抑制・化学療法により発症するB型肝炎対策ガイドラインを参照)

✅真菌感染症の評価を定期的に評価する(COVID-19関連肺アスペルギルス症などの報告例もある)

 

バリシチニブが使用できない場合に検討する治療

トシリヅマブ(アクテムラ)

✅8mg/kg(上限800mg)を静注、1回点滴(追加でもう1回点滴可)

✅見た目上、CRPが陰性化するため、感染がマスクされる可能性に注意

✅悪性腫瘍が増悪する可能性について説明が必要

✅活動性肺結核の可能性がある、ALTが正常上限の5倍以上、好中球数が500未満、リンパ球が500未満、血小板が5万未満の場合は慎重投与

結核、非結核性抗酸菌症をあらかじめ評価を行う → 必要に応じてLTBIの治療やMACの治療

✅デノボ肝炎のリスク評価を行う → 必要に応じて拡散アナログ投与(日本肝臓学会:免疫抑制・化学療法により発症するB型肝炎対策ガイドラインを参照)

✅真菌感染症の評価を定期的に評価する(COVID-19関連肺アスペルギルス症などの報告例もある)

 

胸部CTのタイミング

診断時酸素化増悪時は積極的にCTを撮像すべし!

✅肺炎像を確認し、「治療を強化するか?」、「体位をどうするか?(良い方の肺を下にする)」、「挿管が必要になりそうか?(ICUへの相談)」を判断する。

 

ECMO

 <適応>

①PEEP10㎝H₂OでP/F<100が持続する場合。

②適切な呼吸器設定でも代償できない呼吸性アシドーシスがある場合。(PH<7.15)

③Murray Score≧3

<施行中のモニタリング>

血液流量:3L/m²/min(成人では60ml/kg/min程度)

回転数:2000~3000回転程度に収まる(血流が保てるように調節, 3500以上にはしない)

Rest lung設定:FiO2<40、PEEPは10~15程度のHI-PEEP。PSは20以下、呼吸数は10回以下(permissive hypercapnia)

ACT:150~200程度を目標とし、D-dimerが上昇傾向であれば200前後で管理を

SPO2:80%以上を目安とする

SvO2:70%前後を目標に(75%以上はリサーキュレーションを考える)

送血圧:上限350mmHg

脱血圧:下限-50mmHg、上限-300mmHg

肺前圧:上限400mmHg

 

 

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